舞台 ぼくらの七日間戦争 あらすじ 柿沼編
「学校に不要物を持ち込むんじゃない」
「だからってそんな取り方しなくても」
30年以上前のこと、大人たちと戦ったあの七日間を菊地英治は思い返していた。
自分が教師になるきっかけであった中学3年生の頃。
理不尽な大人たちと戦い、勝利を納めたと思っていた。
七日間の戦争。誰しもそう思っていた。まだ戦いが尾を引いているとは誰も思っていなかった。
1985年7月下旬、受験、そして夏休みを控えた
橋口純子はいつもの通り、荒川沿いの通学路を歩いていた。
いつもと違うのは制服のポケットにひまわりの種があること。
母親がクリーニングに出してくれた制服。どうしてポケットにひまわりの種が入っているのだろう。不思議に思ったもののポケットに種を忍ばせている状況にワクワクして学校へ向かった。
教室に着くとピリピリした空気が広がっていた。今日も生活指導の酒井敦が男子生徒に体罰を振るっていたからだ。
「あーーーーよっしゃいくぞ!虎!!」意味不明な呪文を喚き散らす酒井の姿に純子は思わずポケットに忍ばせたひまわりの種を握りしめた。
その様子に酒井が気づいた。
「何を持っているんだ、出せ」
恐る恐るひまわりの種を出す純子
「学校に不要物を持ち込むんじゃない」
「だからってそんな取り方しなくても」
学校に関係ないひまわりの種を持ってきてしまった純子は酒井により種を没収されてしまう。
落ち込む純子にかける言葉もない柿沼直樹
何を隠そう彼は7人兄妹の長女でもある橋口純子に恋をしているのだ。
絶対に許さない。柿沼は公衆電話で親に連絡して先生からひまわりの種を取り戻した。だが、ひまわりの種を純子に返すことはなかった。純子が大切にしていたひまわりの種だったからだ。
酒井の怒りを買った柿沼は誘拐されてしまう。
彼にできるのはただひまわりを育てることだけだった。
「直樹は私のすべてです。直樹がいなくなったら私も後を追う覚悟です。」
「きっとあなたの女が直樹を誘拐したのよ。そうに決まってるわ。」
狂乱する柿沼の母親
「そんなはずはないわ。落ち着きましょう。」
なだめる橋口純子の母親
ゴミ カラオケ 公園
柿沼の残した暗号から、駒沢公園で行われる東京和牛ショーの会場で柿沼が捕らえられていることに気付いた菊地たちだったが、到着した時には柿沼はすでに他界していた。そばにはひまわりがただ咲いているだけだった。
悲しみに打ちひしがれる菊地たち。だが、純子だけはその現場の違和感に気付いた。
「ひまわり畑 in ぺろりん 。ぺろりん in ひまわり畑では? どっちでもいい気がする」
そう、ひまわりが脳内に直接語りかけてくるのだ。
「何これ、頭が痛い。」
苦しむ純子。
気がつくと「お前が消えろ」そう叫びながら、純子はひまわりをへし折っていた。
我に帰った純子。
「誰がこんなひどいことを。柿沼くんが大事に育てたひまわりなのに」
「仕方ないよ。花はいつか枯れるんだ。」
なだめる菊地。
「さぁ、もう帰ろう。」
純子の肩を掴んで歩き出す菊地。
橋口純子の衣装がノースリーブじゃなくて本当によかった。
やがて、純子は他界してしまう。
2017年9月10日、今でも菊地は純子の他界した公園を訪れている。どうしてあんなことに。
すると不思議なことに気付いた。
純子がへし折ったはずのひまわりが今もまだ咲いているのだ。
菊地は真相に気付いた。
「そうか、お前がやったのか。そうなんだろ。“橋口純子の母親”よ」
そのひまわりは橋口純子の母親の呪いで形作られていた。
橋口純子の母親は柿沼直樹の父親の浮気相手だった。橋口純子のポケットへ忍ばせた呪いの込められたひまわりの種は立派に成長し、柿沼直樹を葬った。
柿沼直樹の母親も後を追って他界した。
「だけど、一個だけわからないことがあるんだ。純子の母親であるあなたがどうして純子を他界させたんだ。」
「すんません...」
ぺろりん in ひまわり畑しか正解ではないなのだ。
https://twitter.com/_____kohey/status/906875984862781440?s=21
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