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エコバックとレジ袋

ぺろりん生誕で発売されたエコバック
使っているヲタクはいるだろうか

鹿目凛さんが先導する身近なプラスチック問題の対応であるレジ袋消費削減を通じたSDGsへの取り組みが理解されていないのではないだろうか

気になって調べてみた
しかし、実際に「ぺろりん エコバック」でTwitter検索しても2件しかヒットしない

そこでぼくはこの記事を書くことにした

まず結論を述べる
エコバックを推進して、レジ袋の消費を減らそう

もともとぼくはレジ袋の有料化の動きには疑問だった
その理由は下記の点である

・重量ベースで考えれば廃プラスチックに占めるレジ袋の割合は大したものではないだろう

・レジ袋をエコバックに置き換えたとしても、エコバック生産にかかる環境コストを差し引きできるのか

・レジ袋をゴミ袋として使用しているので、結局ゴミ袋を新たに消費する様になり、効果が大して出ないのではないか

こうした問いについて具体的に考えるにはプラスチック問題の複雑な構造を理解する必要がある

前提となるプラスチックの4つの問題について整理する

1.海洋プラスチック・マイクロプラスチック問題
-生態系が中心の環境問題

2.地球温暖化問題
-地球の気候レベルの環境

3.非再生資源依存問題
-人間の生活を維持するための問題

4.大量生産・大量消費・大量廃棄問題
-こちらも人間の生活を維持するための問題

こうして分類する必要があるのは、プラスチック問題への技術的取り組みは、解決しようとする対象と対比させないと、効果の有無を誤認する恐れがあるからだ

生分解性プラスチックを例に出すと、このプラスチックは環境中で分解するため、環境中で濃縮しない
すなわち、マイクロプラスチック問題には効果がある
一方で、通常のプラスチックに対して生産過程で生じる温室効果ガス量が少ないわけではない

このようにプラスチック問題には4つの課題があると言う視点で、最初に挙げた疑問について考えていく

Q 重量ベースで考えれば廃プラスチックに占めるレジ袋の割合は大したものではないだろう

A 重量では日本国内で使用されているプラスチックの内、数%である
ただし、本質を捉えるには重量だけでなく表面積や体積も考えるべき
海洋プラスチック問題の観点では、ずっしりとしたプラスチックの固まりよりも薄くて絡まりやすいプラスチックのフィルムの方が海洋生物に対して悪影響を及ぼしている

Qレジ袋をエコバックに置き換えたとしても、エコバック生産にかかる環境コストを差し引きできるのか

A 環境負荷をCO2ベースで計算した場合、
エコバックの負荷はレジ袋の50倍
すなわち、50回以上レジ袋の代わりにエコバックを使用することで効果が出る
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ilcaj/2008/0/2008_0_130/_pdf
また、レジ袋はポイ捨てされやすくリサイクルとしての回収率、リサイクルするときのクリーンアップがしにくい(再生材料とする際に泥が落としにくい、洗浄コストがかかる)などの問題もある

Qレジ袋をゴミ袋として使用しているので、結局ゴミ袋を新たに消費する様になり、効果が大して出ないのではないか

A統計データでは30Lのゴミ袋内に5袋ほどレジ袋が入っている
すなわちゴミ袋の中のゴミになっている
レジ袋の量がゴミ袋として必要な量を大きく上回っているので、レジ袋削減すなわち新規のゴミ袋増加という関係にはならない
https://youtu.be/z71ADsp46M8

レジ袋ってそこまで環境に悪くないんじゃないかと思っていたが、調べてみるとそんなことはなさそうだと思った

少なくとも、今まで無料で使ってきたレジ袋について、環境への側面で考えてきていなかったことを思い知らされた

ぺろりん生誕で発売されたエコバックのみならず、これまで何度も発売されてきたトートバック

それは鹿目凛さんによるプラスチック問題に対するアクションだったのだ

こんなにたくさんエコバックやトートバック要らないよ
と思うのではなく、
こんなにたくさんエコバックやトートバックがあれば、レジ袋たくさん削減できるぞ
と発想を転換することが大事なのである

参考にした資料
https://taiwa.nies.go.jp/colum/img/plastic_problem/text.pdf

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