HP

確かに間違ってない。
笑う回数を減らしたのも、あらゆる動作をゆっくりにしたのも、わざと私の内側を見せないようにしているのも、隠された無根拠で曖昧な真実を証明するため。
すべては軸を基準として、周回軌道上を規則正しく動き続けさせる。
ガタガタだった軌道は修正されていく。きっと昔よりもきれいに周る。

愛を溢したくないから。きっとあと少しなんだ。

確かに辛い。
けど、確かめたい。

私はその失敗を、いつもその腕で優しく体へ抱え込む。
後悔が、その恐怖が、根強く残る。
それももう終わりにすることができる、はず。
涙の味は飽きるほどに覚えた。ならば、飽きるほどにそれを覚えることだって、できると思う。
いや、必ずできる。

まだその続きだけど、今の私がそう思うなら、信じてみようと思う。
一昔前の自分じゃ考えられないだろう?何があったのかわからないけど、これは紛れもなく「僕」だ。


優しく抱えこんだそれは今、空高く、宙へと手放した。


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