秘めた闘志


本日、11月22日(金)

映画「決算!忠臣蔵」が公開になります。


「決算!忠臣蔵」は 【忠臣蔵】の討ち入り計画の金銭面に焦点を当てた作品。これまで多く映画やドラマにされてきた忠臣蔵の物語を新たな切り口から捉えたものとして注目されている。


主演の堤真一さん、岡村隆史さんに加え主要キャストには濱田岳さん、横山裕さん、妻夫木聡さん、石原さとみさんなどがいる。文字だけで恐れ多いほどの錚々たるメンバーの中、映画のクレジットには橋本くんは12番目に名前が挙がっているそう。ありがたいことに映画雑誌やTV誌 計10誌以上で今作についてのソロインタビューが掲載された。

雑誌を全て購入し、じっくり噛み締めながら読んだ。総合的な感想としては


自己肯定感低すぎィ…


マイナスな感情だけど私はそこをとてもとても愛おしく、美しく感じる。

涼しげで何事もそつなくこなすようなイメージの橋本くんの、追い込まれた時にぽろっと出てしまう「実は自信がない」「自分なんて」の感情が人間らしくて美しい。ステージ上で全てを背負いセンターで輝く姿とのコントラストが綺麗だと感じてしまう。

ただ、あれだけ努力して誰も文句が言えないほど努力して全てに全力でぶつかっているのに何故こんな感情になるのか不思議だった。私だったら「これだけ努力出来る私まじ最強やんけ卍」ってなります。 

インタビュー中に

「どこかで自分を信じきれていないのかも」

と話す場面があった。これまでのモヤモヤが一気に晴れた。苦しんで苦しんで努力しても、120%を出しきっても、信じきれない。それだ。

前のnoteに「自分に持っていないものを持っていた橋本くんに惹かれた」と書いたけれど、ここまで感情的に応援できるのは「自分を信じきれない」という根っこの部分が自分と重なるからなんだ。だからネガティブな感情を美しく感じるんだろうな。

そしてネガティブな感情は続き、

「ふと僕ここにいてもいいのかな?と思うこともあるんです」
「こういう機会をいただいたのは光栄なことだし、成長できる場でもあるんだけど、ここにいてもおかしくない存在なのかなって。そういう気持ちが生まれたのも正直なところです」

と話す場面も。「この面子にいても自分だけ『誰だよ!』って感じじゃないですか」とも。アイドルヲタクのおじさんみたいに \ソンナコトナイヨー!/  って叫んであげたい。でもまあ正直、それはそう…と思ってしまったな…ごめんね、もっともっと頑張ろうね。

橋本くんにどんな未来が待っているかは分からないけれどこれからたくさん映像芝居のお仕事を頂ける未来だったとしたら、良い意味で慣れてきて自信がついてこんな気持ちもどんどん無くなっていくのかな。喜ばしいことだけどちょっぴり切なくもある。あの性格だから今よりもっともっと大スターになったとしてもずっとどこかで自信がないまま、よく言えば謙虚なままな気もしてる。ずっと、変わらないでいてほしい。


監督さんや主演の堤さんとのお話も。

橋本くん演じる武林唯七の登場シーン。橋本くんは20回ものテイクを重ねてしまった。「もういい!次!」と言われてもおかしくないところ、監督さんは橋本くんが出来るまで付き合ってくれたそう。とても恵まれているなと思うし大きな愛を感じる。ありがたいことです。

「決算!忠臣蔵」の撮影後に今作品の主演・堤真一さんとのW主演の舞台「良い子はみんなご褒美がもらえる」が控えていた橋本くん。「撮影が終わってからの稽古中でも堤さんの顔を見るたびに失敗を思い出してしまった」と話していた。

舞台稽古では堤さんから厳しくされていたようだったけど、

初日の公演が終わった後、「橋本、ちょっと来て」って呼ばれて、「冒頭の長ゼリフ、めちゃくちゃ良かったよ」って…。それを聞いたときは、思わず泣きそうになりました。  堤さんからもらえた初めての褒め言葉だったので、本当にうれしかったです。

と話していたことがとても印象深かった。

舞台初日の橋本くんを思い出すと、あんなに汗をかいてる姿は初めて見たな…と感じた記憶がある。映画の現場での失敗やお稽古で褒められなかった苦い経験をしてきた故の緊張だったみたいだ。堤さんとのW主演の緊張とプレッシャーだとばかり思ってた。支えてあげられなくてごめんね…と思ったりもするけどきっとこれは私たちにはどうすることも出来なかっただろう。橋本くんが己と戦い、前に進もうとしている証拠。


根っこで「自分を信じきれない」人間が、いろんな人たちの愛ある指導を受けながら努力を重ね前に進んでいる。その過程を応援できることをとても幸せに感じる。


映画「決算!忠臣蔵」で得たものや学んだことをまた、次へ。

俳優・橋本良亮くんの今後に期待しています。