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【競馬】2022クラシック候補TOP5を語る~牡馬編~

先週の牝馬編に続いて今週は牡馬編です。

牡馬路線も簡単に振り返っておきますけれど、実質ラストクロップのディープインパクト産駒の明暗が分かれてしまっているなというのが第一印象ですね。POG1番人気のコマンドラインは順当に新馬→サウジアラビアRCと連勝しホープフルSに駒を進めようとしている一方、同じく前評判の高かったコリエンテスは初勝利に3戦を要した挙げ句、葉牡丹賞で大敗を喫し完全に脱落。リアルスティールらの弟ディーンズリスターに至ってはまだデビューもできていません。
代わって台頭を果たしたのが、牝馬戦線と同じく新種牡馬の産駒たち。ドレフォン産駒のジオグリフ、キタサンブラック産駒のイクイノックスが重賞を制し、各媒体での評価も上昇中。さあ来年の春に笑うのは誰でしょう。早速いってみよう。

記事の内容は2021年12月15日時点のものです

■ 5位 サトノヘリオス

締め切り直前のエリカ賞を制したサトノヘリオスが急遽ランクイン。正直それまではほぼノーマークだったんですけど、平均ペースを好位から押し切った内容はなかなかに濃かった。未勝利戦に続いてのレコード勝ちというのは話半分くらいに聞いときますけど、それでもどこかで賞金を加算して皐月賞に照準を合わせられるのは間違いない。
この馬はPOG検討段階で「サトノ×友道康夫厩舎の初コンビ」として話題になっていたが、きっちり走らせてきたなあ。さすがである。同厩舎には他にも期待の良血馬たちが揃っているが、現時点では頭ひとつリードした印象。

■ 4位 ジャスティンロック

牡馬・牝馬ともに勝ち上がり馬が出て、ABCマート軍も完全に軌道に乗った。中でも期待が集まるのがラジニケ杯京都2歳Sを勝ったジャスティンロック。ちなみに新馬→黄菊賞を連勝したのはジャスティンパレス。ややこい。
前走は先行勢がしぶとく粘り込みを図るところを、一頭だけ外から長く脚を使い差し切り勝ち。典型的な持久力タイプで適性は明らかに皐月賞寄りだが、こういう勝ち方ができる馬を無視するわけにはいかない。
ちなみにこの馬の生産者は、あのホクトベガの故郷でもある酒井牧場さん。三代母にタケノファルコンの名がある通り、この馬も同じ一族にあたる。しかも母父アッミラーレも同じ牧場の出身。もう酒井牧場の結晶ともいうべき血統の持ち主で、こういう馬がクラシック戦線を沸かしてくれたら最高に痛快じゃないですか。

■ 3位 コマンドライン

おっと、こんなところにコマンドライン。推すなら推す、下げるなら下げるで白黒はっきりつければいいのに中途半端ですよねw ただ純粋に順序をつけていったらこうなった。
どちらかといえば「完成度」の馬だと思ってます。なおかつ2戦目にアイビーSや東スポ杯2歳Sではなくマイル戦のサウジアラビアRCを使ったことからも、陣営も短めの距離適性を思い描いているのかも。現状、ホープフルSまでは不動の中心かと。来年も威張り続けられるかはこの馬の成長力がどこまで残されているか次第。十分に太刀打ちできる可能性もあるし、昨年のダノンザキッドみたいに失脚していくかもしれないし。
それでもランク外とせず高く評価したのは、持ってるポテンシャルは非凡だから。軽い馬場への適応力と瞬発力の裏付けは取れており、国枝栄調教師の悲願を叶える資質は持ち合わせている。

■ 2位 キラーアビリティ

とにかく荒削りである。そこがキラーアビリティの魅力。新馬戦は全く見どころのない競馬で5着に終わるも、2戦目の小倉で未勝利戦を圧勝。続く萩Sで連勝が期待されたが、ダノンスコーピオンとの叩き合いでわずかに及ばず2着に敗れた。
燃えやすい気性が現状の課題だろうか。前述の萩Sでは序盤から折り合いに手こずり早めに動く形になった分だけ敗れたが、それでも着差はわずか。今後のメンタル面の進境次第ではもっと高いパフォーマンスを発揮できると前向きな感覚を残す敗戦だった。賞金加算に失敗したという意味では痛手ではあったが、幸い次走のホープフルSはフルゲート割れで問題なく出走できそう。新コンビを組む予定だった福永祐一が香港で落馬負傷したため、ジョッキーは再調整が必要となったが..
何より、あの小倉でのラスト10.8秒が残したインパクトが強烈だった。どうにか非凡な才能が花開くことを期待している。

■ 1位 イクイノックス

はい、やはり来年の主役はこの馬。イクイノックスです。それほどまでに東スポ杯2歳Sの勝ちっぷりは強烈だった。当日は完全に内有利の馬場状態ながら、まるで力が違うと言わんばかりの豪快な差し切り勝ち。相手も揃っていたにもかかわらず、一枚も二枚も能力が抜きん出ていた。
新潟での新馬戦が平均ペースを好位から押し切っての圧勝で、どちらかといえば消耗戦に強いタイプかと見せかけて極上の瞬発力。レース直後に漂った「あっこれやべえヤツや」感は、シンザン記念でアーモンドアイを見た時と同じレベルの戦慄だった。
こうなったらあとは「無事であること」が最大の課題。レース後はけっこう疲れも残っていたと聞くし、ホープフルSも回避し来年に備えることとなった。どこ使いますかね? 近年の王道なら共同通信杯、右回りを経験させるなら弥生賞..うーんでもレース間隔を考えるとそれはないか。いっそのこと皐月賞直行でもおもしろい。問題なく勝負になると思いますよ。
しかしキタサンブラックも初年度からとんでもない馬を出しましたね。しかも母父がキングヘイローというのもまた味わい深いものがある。

以上でTOP5が出揃いました。こんな感じです。

1位:イクイノックス
2位:キラーアビリティ
3位:コマンドライン
4位:ジャスティンロック
5位:サトノヘリオス

おいおい、あの馬が出てへんやないかと各方面からツッコミを入れられそうですので主なランク外の馬についても簡単に触れておきましょう。

まずはジオグリフですよね。この馬に対する評価には競馬ファンとしての威信がかかっている。もちろん札幌2歳Sの勝ち馬ですから水準級には強いと思ってます。ただ、あの4馬身差圧勝を見て怪物だのクラシック有力候補だの言われているのを見てるとちょっと短絡的すぎませんかと。ハイペースで各馬の脚が削られバタバタになってるところを、一番強い馬が後方でじっくり構えてたらそりゃああなりますよ。見た目の派手さに騙されてはいけない。
暮れのG1はコマンドラインとの兼ね合いもあって朝日杯FSに回ることになったが、果たしてどうでしょうね。差しが決まる展開や馬場になればいいですけど、マイルのスペシャリストも揃った中でそう簡単なレースになるとは思いません。

迷ったのはダノンスコーピオン。デビュー前から抜群の動きを見せ評判になり、期待通りに新馬戦→萩Sと連勝。キラーアビリティとの一騎打ちを制したのは高く評価すべきなのだが、どうもこの馬はスロー専の気配が漂ってる気がして..レースレベルが上がると限界が訪れそうで。あとは朝日杯を使われたことからも距離はマイル寄りに落ち着くのかな。

意外といけそうなのはドウデュース。新馬戦もアイビーSも圧倒的な雰囲気はないながらも勝ち切る渋さがいい。こちらも早い段階で朝日杯を選択した通り距離はマイルから2000mくらいが限度と見られているのかもしれないが、ハーツクライ産駒はそれくらいの方がいいよ。本当ならトゥデイイズザデイで上を目指したかった武豊も当面はこの馬が3歳戦線のメインパートナーとなりそう。

フィデルはラジニケ杯京都2歳Sの内容が乏しく脱落。ホープフルSに特攻するらしいですけど、こういう流れはあまり良くないと思う。

ちなみに我がPOG指名馬はここに全く出てきておりません。レッドベルアームとダンテスヴューが東スポ杯でまとめて蹴散らされたのがトラウマになってるせいでイクイノックスが1位になったのかもw

ちなみに昨年の牡馬編TOP5はこんな感じでした。

<参考:2021年度のTOP5牡馬編>
1位:オーソクレース
2位:シャフリヤール
3位:エフフォーリア
4位:ワンダフルタウン
5位:ランドオブリバティ

これ、我ながらなかなかいいところ突いてると思うんですよ。朝日杯が始まる前の段階で、シャフリヤールとエフフォーリアを高く評価できた。そりゃ共同通信杯も毎日杯も日本ダービーも当たりますわ。血眼になって2歳戦を見てるおかげです。「POGは馬券に役立つ説」を改めてここで気合を込めて伝えたい。


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