【競馬】横山武史よ、競馬の神様は見ているぞ/有馬記念予想
今年の有馬記念ファン投票は有効投票数が300万票を越え、1位に輝いたエフフォーリアは歴代最多投票を獲得した。不思議とここ2年は投票数が爆上がり中。コロナ禍が競馬に何かをもたらしたのか、それとも「ウマ娘」効果によるものなのか、はたまた単に豪華な懸賞にみんな釣られたのかはわからないが、とにかく競馬に追い風が吹いているのは間違いない。
その熱意が届いたか、いいメンバーが集まったと思う。中でも先に強調しておきたいのが、メロディーレーンがファン投票上位馬の枠で出走権を獲得したこと。実績面ではまるで上位馬には及ばないが、極端に小さな馬体でOP入りを果たしたばかりか、中山2500mの舞台が似合うスタミナの塊でもある彼女を、グランプリの舞台に立たせるには「ファンの声」が欠かせなかった。そして、実際に4万票以上の支持を得て堂々24位にランクイン。上位馬の回避もあって、無事に出走権を獲得したのであった。
これぞ「ファン投票」の本質。例年であれば賞金順でも確実に出られるG1馬たちが上位人気に支持され、出走権の行方を左右するには至らないわけだが、今回のようなケースがあるからファン投票のシステムは意味を成すのだと思う。18年にも障害界の王者オジュウチョウサンが二刀流を目指して参戦した際にも同じケースがあったが、彼らに共通するのは「人の心を動かす力」だ。メロディーレーンの健闘を力強く祈る。
他にも、福島記念で痛烈な逃げ切りを決めた「令和のツインターボ」ことパンサラッサや、エリザベス女王杯で波乱の主役を演じたアカイイトも参戦。それぞれのレースを勝つまでは有馬記念を走るイメージなど持てなかったが、大仕事をやってのけたことで堂々とこの舞台に立つことに。特にアカイイトに関しては幸さんの有馬記念初騎乗もかかっていたこともあって、ぜひ出てきてほしいと強く願っていた。
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ただ馬券は全くもって別の話である。情で当たれば苦労はない。たまに当たるけど。
有馬記念といえば基本的にはインを通れる先行馬を買うのが鉄則。例外が発生するのはハイペースになった時だけ。それを徹底することでここ10年ほどめちゃくちゃ相性のいいレースになったのだが、昨年サラキアがスローペースにもめげず直線だけの競馬で2着に突っ込んできたことで「鉄則」が揺らいでしまった。
とはいえ1回の例外でスタンスを崩してしまうのも良くないので、引き続きこの作戦は継続。なので重要なのは展開だ。パンサラッサの大逃げは福島記念と同等のペースなら58秒台、さすがに後続は無視するだろうがタイトルホルダーはそこからつかず離れず単騎の2番手に収まりそう。3番手以下の馬群は平均やや遅めの流れで脚をタメながら、3角手前をメドにタイトルホルダーを追う形になるだろう。となると残り800mくらいからのロングスパート合戦。直線入り口で各馬の脚色にバラつきが出るようなことはなく、それだけに大外を回るのは避けたい。例年と同じく機動力重視で。
となるとエフフォーリアが強い。そもそもこの馬の真骨頂はどこにあるのかと、有馬記念を前に改めて考えることがあった。先行から速い上がりでまとめることもできるし、消耗戦でもへこたれずに伸びる。
「どっちも強い」ってのがたぶん正解なんだと思うけど、少なくとも中山2500mの舞台を考えるとそこまで負荷が強くないレースの方が好都合だと思う。みんながパンサラッサについていって2周目3角からバタバタ..なんてことになるとツラいけど、さすがにそれはないでしょう。
メンバー中、割とじっくり構える馬も多く、普通に流れに乗れば5番手くらいを取れそう。極端に外を回されることもなく、常にタイトルホルダーを視野に入れながらの追走になればスパートのタイミングが早くも遅くもなるまい。盤石に近い。
ただ、横山武史の油断騎乗が水を差した感があるのがどうしても気になって仕方がない。ああいうのは良くない。ミスですらない。気の緩み。完全に追うのをやめていたら即刻騎乗停止になっていたレベルの案件。かろうじて手を動かしてはいたのがペナルティ軽減の焦点になったんだろうとは思うが..競馬の神様は厳しい。ちゃんと見てるからね。
だんだん何が言いたいのかわからなくなってきたw つまり予期せぬ形で負けてしまいそうな気がするってことです。なのでエフフォーリアが負けるシナリオを考えると、やっぱり勝ちに行ったところを後ろからズドンとやられるパターンですわ。
脇役に徹するステラヴェローチェの不気味さ。菊花賞は2番人気ながら実質的な本命の立場で守りの競馬になってしまった分の負け。調教も良くなかったようだし、3000mで折り合い重視で消極的な乗り方になってしまった。
今回は往年の勢いを取り戻しつつある勝負師ミルコに鞍上をスイッチ。まして挑む立場ならまず腹を括った騎乗をしてくれるだろう。理想は道中エフフォーリアを鬼マーク。先に動いたところを一緒に動いて最後にひと差し。
エフフォーリアとは3戦して先着したことが一度もなく、内容も完敗続き。ただ、ふとしたきっかけで着順が入れ替わるのも競馬もおもしろさである。
負かすならクロノジェネシスでもいいんじゃないのという話だが、状態面の不安をどうしても拭い切れず..強いってことはよーくわかってる。でも大丈夫と確信に至ることができなかった。有終の美はもはや競馬界のデフォになりつつあるので、あっさりこの馬が勝っても驚きはない。
◎ ステラヴェローチェ
◯ クロノジェネシス
▲ エフフォーリア
☆ タイトルホルダー
△ ディープボンド
× アリストテレス
× シャドウディーヴァ
前述の通りタイトルホルダーが単騎2番手にすっぽりハマれば絶好の展開。あとは力が足りるかだが、真っ向勝負では分が悪そう。紛れれば圏内。
ディープボンドは消耗戦にしたいですよね、タイトルホルダーを最初に追いかけ始めるのはこの馬か。鞍上のイメージ通りに動ければ。ただ瞬発力勝負になると置いてかれるのでそのへんは覚悟の上で。
人気薄で気になるのは6枠のおじさん二人。アリストテレスの前走は突然の逃げで不完全燃焼。適距離で体調が良ければコントレイルに迫った脚が使える..かも。
シャドウディーヴァは府中牝馬Sが強烈。しかもジャパンCでも先行して大崩れせず、非常によくわからない成長曲線を描いている。中山2500mで好位抜け出しなどできるはずがないのだが、横山典弘という男は..
馬券は◎の単勝と、馬連で◎-◯▲が大本線。あと印へ。もうちょっと手を広げるかも。あともしかしたら◯の単勝も視野に入れながら。幸さんのアカイイトとゴールドシップ産駒ウインキートスは別で応援馬券を持っておく。
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大ブレイクを果たしたタケシは間違いなく2021年の競馬を引っ張った一人だ。しかし、やらかした過ちはあまりにも大きい。あと少し間違えば有馬記念の参戦も許されなかったレベル。ここで勝負の世界の厳しさを改めて学ぶのも、一つの経験ではないだろうか。
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