長谷川浩大調教師とホッコータルマエの「知られざる新馬戦」から始まる物語
今週のレパードSではホッコーハナミチを全力で応援したい。
現役時代に大好きだったホッコータルマエの初年度産駒。幸さんとのコンビで喜びも悔しさもたくさん共有してきた。ベルシャザールに差された13年のJCダートでは鞍上のバタバタ追いが散々ネタにされ、中京に舞台を移した翌年のチャンピオンズCでは見事リベンジに成功。ドバイにも3年続けて遠征するなど、数々の思い出を残してくれた。
種牡馬としても毎年100頭以上の種付けをこなす人気者に。初年度からこのホッコーハナミチや、牝馬ながら古馬相手に2勝クラスを勝ち切ったレディバグなどを輩出し、まずまず順調なスタートを切った。ますます種牡馬としての価値を高めてもらうためにも、孝行息子たちには頑張ってもらいたい。
ホッコーハナミチは父もお世話になった西浦勝一調教師のもとデビューし、今年2月の定年に伴い長谷川浩大厩舎に転厩。レパードSに向けての追い切りも調教師自らが手綱を取り感触を確かめるなど、精力的にコミュニケーションを取ってくれている。
知る人ぞ知る話として、ホッコータルマエの新馬戦に騎乗していたのが騎手時代の長谷川調教師だった。2012年1月の新馬戦。単勝100倍を超える11番人気での出走で、スタート直後からレースについていけず11着に終わった内容は何の印象も残らないもので、とても後のダート王の姿には見えなかった。
長谷川騎手といえばデビュー直後こそ順調に数字を残していたものの、その後は勝ち鞍が伸び悩み、レースで騎乗できるのも勝機の薄い馬がほとんどだった。実際この年の9月に現役を引退し、調教助手へと転身することになるのだが、現役生活の晩年に手を差し伸べてくれていたのが西浦調教師だった。2010年にはアクアブルーフライやフミノヤマビコとのコンビで勝ち鞍を挙げるなど、厳しい状況を支えてくれた存在はさぞかしありがたかったことだろう。
当事者以外は誰の記憶にも残らなかったであろう、たった一度の出会いから9年。苦境の中にいた騎手は新鋭の調教師として新たなキャリアを歩み、完敗を喫した若駒はダート王への上り詰め人気の種牡馬へと出世した。時を経て、今度は二世を鍛える身として結成された「再コンビ」。父ホッコータルマエがダート界のトップを狙う足がかりを築いたレパードSで、親子制覇が成し遂げられれば最高の結末になる。
<あとがき>
今週はこのネタを書こうと思っていたら週ナカに各紙で取り上げられてましたね、ホッコータルマエと長谷川調教師のデビュー戦。
こうして実際にコメントも掲載されるとより実感がわいてくる。
イケメンやな! がんばれ。