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2021年8月の記事一覧

【競馬コラム】亀田温心とかいうキラキラネーム界のホープ

いわゆる「キラキラネーム」が好きではない。一般的な感覚から遠くかけ離れた名を授かった子どもを見ると気の毒に思うし、正直アホな親に育てられたんだろうなという偏見すら持っている。 若い世代の著名人にも、読むのに困るような人物はなかなか見当たらず、やはり成功を収めるにはまともな環境で育つことが重要なのだと再認識していたのだが..3年前に中央競馬界にこの男がデビューして以降、その考えは少し改なければならないということを思い知らされた。 亀田温心である。温かい心と書いて「ハート」と

「九州産」の枠を超えた名馬ヨカヨカ・幸英明さんにとっても格別の勝利

白毛の女王ソダシの力走に沸いた北の大地・札幌。そこから遠く離れた九州の地でも、同じ3歳牝馬が場内を盛大に盛り上げた。熊本県産のヨカヨカが北九州記念を制覇。九州産馬としては05年アイビスサマーダッシュのテイエムチュラサン以来、そして熊本県産馬としては史上初のJRA平地重賞勝利という歴史的な偉業を成し遂げた。 すでに九州産馬の枠を越えた活躍を見せる「名馬」である。 普通なら小倉の九州産限定戦でデビューを迎えるところを、この馬は6月の阪神で早々に出撃。キャロットFのダイワメジャ

ゴールドシップと「華麗なる一族」の巡り会い、エドノフェリーチェに秋の飛躍を願って

いつもなら週末はブログで見どころを書いているのだが、明日はさほどネタがなかったりするもので、代わりに一頭のゴールドシップ産駒を取り上げたい。 エドノフェリーチェである。 デビューから一貫して芝の2000m以上を使われている、超正統派のゴールドシップ産駒。なかなか速い上がりを使えず、位置取りが悪くなると差し届かないという意味でも正統派と言えちゃったりする。 ところが、この男との出会いが運命を変えた..かもしれない。ご存知ユーバーレーベンでオークスを制した「ゴールドシップ使

「ゴールドシップ産駒の一番星」に見た黄金色の夢

父譲りの不器用さと逞しい末脚に見た夢は、黄金色のようにまばゆかった。 2年前の札幌2歳Sで、最後方からの追い込み2着に入ったサトノゴールド。序盤はまるでレースについて行けず、完敗も覚悟した矢先にエンジンが点火。豪快な末脚で大外から猛然と追い上げ、同じゴールドシップ産駒ブラックホールとの見事なワンツーフィニッシュを決めたのだった。 新馬戦の勝利に続く重賞2着と、順調すぎるステップアップ。期待と不安が入り交じる中で迎えた種牡馬ゴールドシップに希望を灯すと同時に、早期の賞金加算

長谷川浩大調教師とホッコータルマエの「知られざる新馬戦」から始まる物語

今週のレパードSではホッコーハナミチを全力で応援したい。 現役時代に大好きだったホッコータルマエの初年度産駒。幸さんとのコンビで喜びも悔しさもたくさん共有してきた。ベルシャザールに差された13年のJCダートでは鞍上のバタバタ追いが散々ネタにされ、中京に舞台を移した翌年のチャンピオンズCでは見事リベンジに成功。ドバイにも3年続けて遠征するなど、数々の思い出を残してくれた。 種牡馬としても毎年100頭以上の種付けをこなす人気者に。初年度からこのホッコーハナミチや、牝馬ながら古