【要約】神経組織工学用足場としてのPHBVマイクロスフェアは、神経細胞の増殖と軸索-デンドライトの分極をサポートする

Wenhui Chenら、Acta Biomater.
2012年2月

元記事はこちら。

PHBV microspheres as neural tissue engineering scaffold support neuronal cell growth and axon-dendrite polarization - PubMed

概　要

ポリ（3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート）（PHBV）ミクロスフェアは、分解が遅く、より効率的なドラッグデリバリー特性などの特性を持ち、神経組織工学にとって重要な利点がある。
我々はこれまでの研究で、PHBVマイクロスフェアが細胞の増殖や分化を改善することを明らかにしてきた。本研究では、これらの利点を神経組織工学に拡張するために、PHBVマイクロスフェアが神経細胞をサポートするかどうかを調べることを目的としました。
PHBVマイクロスフェアの神経組織工学用足場としての適性を、PC12細胞、皮質ニューロン（CN）、神経前駆細胞（NPC）を用いて検討し、様々な用途の神経細胞の種類に対応できるようにしました。
マイクロスフィアは、エマルジョン-溶媒-蒸発法を用いて作製した。DNA定量、細胞生存率アッセイ、および免疫蛍光染色が行われた。PHBVマイクロスフェア上のPC12培養は、2次元のコントロールと同程度の成長傾向を示した。このことは、さらに細胞拡散の染色によって検証された。また、CNはPHBVマイクロスフェア上でシグナル伝達経路の構成要素を発現し、軸索-樹状突起の分離がカバースリップ上よりも大きかった（軸索染色で4.1倍、樹状突起染色で2.3倍）。また、NPCはマイクロスフェアー上でニューロンに分化することが確認された。
この結果から、PHBVマイクロスフェアは、神経組織工学の足場として、様々な種類の神経細胞を支持し、より大きな軸索-樹状突起分離を促進することが示されました。

Copyright © 2011 Acta Materialia Inc.Elsevier Ltd.によって発行されました。All rights reserved.

類似論文

●PHBVマイクロスフェアー-PLGAマトリックス複合足場による骨組織工学。
Huang W, et al.バイオマテリアル。2010.PMID: 20199806
●PHBV/PLGAマイクロスフェア足場からの肝細胞成長因子放出のin vitro特性化。
Zhu XH, et al. J Biomed Mater Res A. 2009.PMID: 18431776
●骨組織工学のための選択的レーザー焼結によるCa-P/PHBVナノコンポジットスキャフォールドの最適な製造。
Duan B, et al.バイオファブリケーション.2011.PMID: 21245522
●軸索-デンドライト極性の形成：極性細胞および非極性細胞からの軸索の開始。
Hatanaka Y, et al. Dev Growth Differ.2012.PMID: 22524609 総説。
●軸索／デンドライトの極性形成における初期イベント。
Cheng PL, et al. Annu Rev Neurosci.2012.PMID: 22715881 総説。

引用元
●PHBV繊維を用いた生分解性PHAポリマーの開発とその利点：組織工学およびその他のバイオメディカル用途
Kaniuk Ł, et al. ACS Biomater Sci Eng. 2021.PMID: 34649426 無料PMC論文。
●バイオプラスチックの最近の進歩。アプリケーションと生分解性。
Narancic T, et al. Polymers (Basel).2020.PMID: 32326661 無料PMC論文。
●神経組織工学のためのスマートマテリアルとしての圧電スカフォールド。
Zaszczynska A, et al. Polymers (Basel).2020.PMID: 31936240 無料PMC論文。
●短鎖長ポリヒドロキシアルカノエート（SCL-PHA）の修飾と応用の可能性.
Wang S, et al. Polymers (Basel).2016.PMID: 30974550 無料PMC論文。
●マイクロゲル。組織再生のためのモジュラーで調整可能なコンストラクト。
ニューサムJP、ら、Acta Biomater。2019.PMID: 30769137 無料PMC論文。