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【要約】医療応用を目指した化学修飾グラフェン系材料の毒性学

トクタム・ネザカティら、Arch Toxicol.
2014 Nov.

元記事はこちら。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25234085/

概 要

 本総説は、化学修飾されたグラフェンおよび酸化グラフェン(GO)の概要と、それらが生体系に存在する場合の毒性学への影響について述べることを目的としている。
グラフェンは、機械的強度や高い表面積体積比に加え、光学的特性、熱伝導性、導電性などのユニークな物理化学的特性を有することから、最も有望なナノ材料の1つである。グラフェンをベースにしたナノ材料は、神経再生のための高分子導管、標的薬物送達のためのキャリア、光熱療法によるがん治療など、バイオメディカル分野で過去5年間に大きな注目を集めてきた

グラフェン系ナノ材料のin vitroおよびin vivo生物学的研究は、バイオメディカル用途に使用した場合の相対的毒性および生体適合性の理解に役立つものである。
表面電荷、濃度、形状、サイズ、構造欠陥、化学官能基などの重要な材料特性を調査したいくつかの研究は、その安全性プロファイルに関連し、細胞毒性および遺伝毒性に影響を及ぼすものである。
本総説では、グラフェンをベースとしたナノ材料に関する最新の研究を紹介し、さまざまな環境条件下での相互作用を決定する、グラフェン特有の特性について概説している。
グラフェン技術の出現により、エレクトロニクス、バイオテクノロジー、ナノメディシンの分野で、さまざまな衰弱した疾患の診断や治療に役立つ、将来有望な新しい応用の可能性が数多く生まれている。

図1 グラフェン
図1: グラフェンは2次元的な構造をもつ...

図2: グラフェンを化学気相成長法でボトムアップ的に作製する。

図3. トップダウン法によるグラフェンの作製...

図4...化学的気相成長法による製造方法の模式図

図. 5 グラフェンの毒性:その概要

図. 6 グラフェンの分布...


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