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剣盾S13シングル最終12位 ポリドヒド+ステルスロック展開

TNシキナミ 90勝43敗 最終12位(レート2117)

この構築の前身にあたる記事↓


・構築経緯

前期(S12、記事は上のもの)に軸にした「HD最遅スピードスワップポリゴン2」+「S調整HBくろいきりドヒドイデ」の組み合わせを続投しました。
S上昇を許さず、安定した切り返しができる点が、「相手の攻め手を捌いてからこちらのダイマックスを後切りで通す」という自分の得意なプレイスタイルに合っていました。
エースとしてポリドヒドと相性が良いアーゴヨンも変更はなしです。裏に、前期は単体として性能が高いと感じたポケモン3体(タスキ悪ウーラオス、アッキクレセリア、ラムランドロス)を採用していましたが、今回はもうひとつの軸としてアーゴヨンを活かすためのステルスロック展開を組み込んでみました。
ポリドヒド+ステルスロック要員のラグラージ+エース3体で、ポリドヒドが入った受け選出と、ラグラージ始動の攻め選出に二極化されているようにも見えますが、実際はそれぞれの相性が良く、2体ずつの組み合わせで強い動きがたくさん組み込めたので、型にはまらない柔軟な選出と立ち回りを実現できました。


・個別解説

ラグラージ

ラグラージ@たべのこし げきりゅう
わんぱく 207(252)-130-156(252↑)-x(↓)-111(4)-80
クイックターン まもる あくび ステルスロック

ステルスロックを撒けるポケモンの中で、あくびやクイックターンといった強い要素を複数持っている点に惹かれて採用しました。ほえるがなくなって起点にされやすい問題に関しては、裏の受けポケモンたちが解決してくれるので安心して動かすことができました。ラグラージ+アタッカー2体といった選出が一般的なように思いますが、ラグラージ+受けポケモン+アタッカーといった選出がこの構築の強い選出のひとつになっています。
すばやさを下げるかは悩みましたが、ブリザポスの存在が気になったのでなるべく先にあくびを押せるように下げないことにしました。


アーゴヨン

アーゴヨン@いのちのたま ビーストブースト
おくびょう 148-x(↓)-93-179(252)-94(4)-190(252↑)
りゅうせいぐん ヘドロウェーブ かえんほうしゃ わるだくみ

表軸、裏軸ともに中核を担う絶対的エースです。ミミッキュ、バンギラス、ヒードラン、ドラパルト、ポリゴン2あたりが苦手ですが、取り巻きである程度対応できるので、それらのポケモンが居たら出さないということはなく、ほとんどの試合で選出していました。ひかえめ個体も試しましたが、この構築においてはエースバーンやカミツルギより速いことと、ダイウォールができることが重要だったので、スタンダードな構成になっています。


ウオノラゴン

ウオノラゴン@こだわりスカーフ がんじょうあご
いじっぱり 165-156(252↑)-121(4)-x-100-127(252)
エラがみ げきりん けたぐり ねごと

アーゴヨンの苦手な相手に強い点と、積み技やダイマックスを使わずに一度の有利対面から簡単に数的有利を作ることができる点で、この構築と相性が良かったです。こだわりハチマキでも使用したことがあり、対受け回しが楽になってそちらも強かったです。カミツルギを採用して崩しに余裕ができたことや、エースバーンが厳しかったこと、受け2体と合わせて出した時にダイマックスが余ることなどから、最終的にはこだわりスカーフで使用しました。普段は取り巻きで削りを入れればいいと考えてようきにするのですが、今回は有利対面時にかける負荷を優先していじっぱりとしています。


カミツルギ

カミツルギ@きあいのタスキ ビーストブースト
ようき 135(4)-233(252)-151-x-51-177(252↑)
リーフブレード せいなるつるぎ ギガインパクト つるぎのまい

以前のタスキ枠だった悪ウーラオスはウオノラゴンと得意・苦手な相手が被り、使い勝手が悪く感じたため、攻めの補完が取れたカミツルギを採用しました。ウーラオスに比べて先発適正は落ちますが、ウオノラゴンやアーゴヨンの裏に控えさせた時に真価を発揮していました。技構成はこの4つで特に不自由を感じなかったのですが、運用目的が違えばつばめがえしやスマートホーンも採用圏内だったとは思います。


ポリゴン2

ポリゴン2@しんかのきせき トレース
なまいき 192(252)-x-111(4)-125-161(252↑)-58(↓) ※S個体値0
ほうでん れいとうビーム じこさいせい スピードスワップ

構築のスタートになった万能クッションです。多くの構築に採用されているサンダーに対して、後出ししてスピードスワップを入れるだけで好き放題されないのが非常に魅力的でした。2ウェポンは悩みましたが、範囲を取りつつ追加効果が強いこの2つとしています。


ドヒドイデ

ドヒドイデ@オボンのみ さいせいりょく
ずぶとい 157(252)-x(↓)-221(228↑)-73-162-59(28)
ねっとう じこさいせい くろいきり どくどく

ポリゴン2の苦手な格闘に対して投げるポケモンとして採用していますが、ダイサイコとダイナックルを持ったエースバーンや、こだわりハチマキを持ったウーラオスなどに簡単に貫通されてしまうので、受け切ることを目的にするよりは、Sアップを許さずに死に出しでアーゴヨンを着地させることを意識して動かしていました。持ち物はゴツゴツメットで使用していましたが、明確にそのおかげで拾った試合がなく(楽になった試合はある)、さいせいりょくと合わせてHP管理がしやすいオボンのみを試してみたところ使用感が良かったので最終日のみ変更しました。


・選出パターン

①ポリドヒド@1(ラグラージ以外)
積み技主体で崩しにくる相手に対してはスピードスワップ+くろいきりが刺さるのでポリドヒドをセットで選出します。アタッカーをなるべく盤面において、圧をかけて相手のダイマックスを先に切らせるのが強い動きでした。
ポリドヒドには基本的にダイマックスを切らないので、こちらのダイマックスはアタッカーに好きなタイミングで切ることができるのも良かったです。

②アタッカー2体+ポリゴン2orドヒドイデ
クッションが1体で足りる、もしくは受け2体で出しても崩されることが予想できる場合にはこのパターンで出します。
アタッカーの中ではアーゴヨンとウオノラゴンの同時選出が多かったです。

③ラグラージ+アタッカー+ポリゴン2
出し負けが少ないラグラージですが、一部の特殊アタッカー(くさむすびを持ったポケモン)などには仕事ができなかったり、みがわり持ちには起点にされてしまったりするので、その隙をポリゴン2のスピードスワップで解決します。当然ラグラージはポリゴン2よりも速いので、スピードスワップを入れた相手に後投げして先制あくびをしたり器用な動きもできます。

④ラグラージ+アタッカー2体
ラグラージの起点作成で先に展開することを意識した攻め寄りな選出です。
こちらの展開前に相手に有利対面を作られたりしてしまうと、ラグラージが削れている場合そのまま負けてしまうので、ラグラージの体力管理に気を付けていました。


主にはこの4パターンのどれかで選出します。
アタッカー3体で選出することや、ポリドヒド+ラグラージで選出することはなかったと思います。


・その他知っておいた方がいいこと

〇ポリゴン2のすばやさは58なので、ダイジェット1回で87、2回で116、3回で145(間違ってたらごめんなさい。教えてもらえれば直します。)
アタッカー3体ともすばやさは145より上になっているので特に困ることはないと思いますが、麻痺した時などにS関係の参考になるかもしれません。
S関係でいうと、ブースト状態のアーゴヨンと相手のすなかきポケモンなどの関係も把握しておくと役に立つことがあります。

〇アタッカーにウオノラゴンを選出している場合、ドヒドイデやラグラージにダイマックスを切ってダイストリームを打ってから倒される(もしくは引く)と裏から出したウオノラゴンがこだわりハチマキとスカーフを両立した状態になります。ウオノラゴン選出時にはダイマックスを自由に使えるので、普段は切らないようなリターンが少ない場面でも選択肢として頭の隅に置いておくとたまに使えます。
もちろんウオノラゴン自身にダイマックスを切って、ダイナックルやダイストリームを打っても同様の効果が得られます。

〇ポリゴン2がスピードスワップ以外の技を選ぶターンに相手のウーラオスなどの後投げが成立すると一気に崩されることが多いので、なるべく隙を見せない行動をしたり、裏目を把握してその後どうするかまで考えた選択が必要になります。スピードスワップが通った場合は大体ドヒドイデの後出しやエースでの切り返しが間に合うのでまだマシです。スピードスワップを打った後のポリゴン2が場に居座っていると、相手が交代してきた時にスピードスワップが打てなくなるのでそこにも気を付けます。

〇ダイマックスのタイミングが非常に重要で、アタッカーが場にいる時に
・相手が居座ってこちらのダイマックス技で有利に打ち合える
・相手が引いてこちらのダイマックス技で大きく削れる
・相手が引いてこちらのダイマックス技を透かしてくる
・相手がダイマックスを合わせてきて打ち合いになる  など
たくさんの択が発生します。
この中で自分が一番避けていたのは4番目に書いた「お互いにダイマックスを切って打ち合いになる」ことで、そうなりそうな時は多少無理してでも裏に引いて2ターン稼いでからダイウォールで相手のダイマックスを枯らすように心掛けていました。
ダイマックス同士の打ち合いを制するよりも、ダイマックスポケモンVS非ダイマックスポケモンで一方的に勝つ方が試合展開として安定感が得られると考えていて、8世代ではなるべく一貫してこのコンセプトに沿うようにしています。
こう書くと後切りダイマックスばかりを推奨しているようですが、今期の発見として初手ダイマックスを取り入れたことがありました。
自分が初手ダイマックスをする時の条件として、「相手が仮にダイマックスをしてきても余裕を持って打ち合いに勝てる有利対面」で、「こちらがダイマックスした時に打つ技が相手の構築に一貫している」ことを意識しており、この条件を満たした場合には1ターン目から勝負を仕掛けにいきます。
例としてはドラゴン技が一貫している相手に対して、先発でアーゴヨンとウーラオスの対面ができた場合など。

〇役割を果たしてHPが少なくなった受けポケモンは、相手のダイマックスに対して切ることもあれば、TODを意識して残数として残しておくこともあります。その試合がどのように決着するのかまで意識して、管理する必要があります。


長々と書いた上に、一部はこの構築の説明ではなくてどんな構築にも当てはまる当たり前の話だったり、自分の対戦観が入っていたりしますが、何かの参考になれば幸いです。


・苦手なポケモン

〇ドラパルト、カイリューなど受けが効かない型のドラゴン
構築にフェアリーやはがねを採用する枠がなかったので一貫しており、数値受けや先に展開することができないとかなり厳しいです。

〇ウーラオス、エースバーンなどポリゴン2に強いポケモン
ドヒドイデで受けられれば楽なのですが、崩されることの方が多いので、アーゴヨンのダイマックスで切り返したり、ウオノラゴンで圧をかけることを意識します。

〇ブリザポスなどドヒドイデで対処できない物理の積み
受けることができないのでラグラージで誤魔化すしかないです。

〇かえんだまランクルス
ウオノラゴン以外だと押すのが厳しく、裏にウオノラゴン受けがひっついた受けループのような形だとかなり苦戦します。
似た理由でエスパーの一貫が切れていないのでクレセリアやカプ・テテフも気になりますが、クレセリアはダイストリームで回復量を減らしてゴリ押ししたり色々やりようがあって、カプ・テテフは型次第ですがかなりきついといった感じです。

〇ナットレイ
アーゴヨンで焼くのが一番手っ取り早いのですが、アーゴヨンに強いポケモンがひっついているとかなり困ります。ただそういった場合はカミツルギで並びごと崩せることが多いので、ラグアゴツルギのような選出をします。


他にもきついポケモンはいますが、立ち回り次第である程度は対応できるようになっていると思います。


・おわりに

ここ数シーズンはなるべくシンプルに記事を書くようにしていたのですが(成績がパッとしなかったのもある)、今回は自分でもかなり納得のいく構築が組めて、結果もついてきたということで、丁寧に書こうとした結果、思った以上に長い記事になってしまいました。ここまで読んでくださった方は本当にありがとうございます。

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