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2010年代ベストアルバム

わたしの2010年代ベストアルバム

I’M JUST A DOG/The Birthday(2011)
愛の関係/GREAT3(2014)
Dance To You/サニーデイ・サービス(2016)
THE BAY/Suchmos(2015)
21/ADELE(2011)
The 1975/The 1975(2013)
AM/Arctic Monkeys(2013)
Sound&Color/ALABAMA SHAKES(2015)
Blond/Frank Ocean(2016)
順不同

2010年代を個人的に振り返れば、前半はトライアスロンに明け暮れ、中盤は鹿児島生活に集中し、後半は映画とドラマに夢中になるという我ながらスリリングで波乱万丈な10年間でありましたとさ。ということで、選んだアルバムの一枚一枚解説を始めることにいたしましょう。

I'M JUST A DOG/The Birthday(2011)
トライアスロンを始めた2011年。確か発売された6月ぐらいから戦いに赴くナーバスで奮い立たせる必要があったマインドのテーマソングだった。デビュー戦の道中でも車中爆音でかけてテンションを上げたのを覚えている。バンドとしては、イマイ氏が抜けてフジイケンジ(あのマイラバの!)氏が加入しての一枚目。チバもインタビューで言ってたけど、正に別のバンドになったデビュー作品。初々しさが緊張感からドライブ感を増し、それまでよりフットワークが軽くなった感が気持ちいい。一番好きなアルバムだし、『なぜか今日は』は一番好きな曲。

愛の関係/GREAT3 (2014)
ミッシェルと並んで10代からの僕の根幹を成すGREAT3の約10年にわたる休止から2012年活動再開を経ての二枚目。ベースがjanに入れ替わり、前作に見られた初々しさは後退したもののバンドとしての結束力・バランス・化学反応が絶妙で、片寄氏の危うく怪しげなメロディアスさが相変わらず堪らない。自分としては最も過小評価されてるバンドと言いたい。サウンドプロダクションも今聴いても間違いなく、10年代後半前夜の音の拘りが感じられる。『モナリザ』は屈指の美しい名曲。もう5年も経ったので早く次のアルバムが聴きたい。

Dance To You/サニーデイ・サービス(2016)
正直、再結成後のサニーデイにはあまり食指が進まずなくてちゃんと追いかけていなかったが、当アルバム発売前の何やら不穏な動きや情報からこのアルバムはヤバいぞというアンテナが働いた。そういう人は多かったと思う。概して再結成したバンドなどの音源は同窓会感が強くいわゆる時代とリンクしてシーンを象徴するようなアルバムを作ることは少ないと思ってたけど、曽我部はやってくれた。ここまで深く潜って、ドロドロと掘り下げたものを美しくも儚く痛々しさの残骸も決して隠そうとしない一枚。その後の活動を見ても、油が乗り切ったというかそれがデフォルトになって最先端を走っているのが素晴らしい。

THE BAY/Suchmos(2015)
音楽から離れていた僕をミッシェル以来の熱の入り具合で夢中にさせてくれ、カルチャーのミーハーに戻してくれた一枚。2015、2016年はずっと聴いていた。間違いなく、この10年で一番聴いたアルバム。もし、この9枚から一枚を選べと言われたらこのアルバムを僕は選ぶ。ありがとうとしか言いようがない。また、このテイストのアルバムをいつか聴きたいな。

21/ADELE(2011)
この10年振り返るに、女性アーティストで誰のものが一番かと考えた時に、レディガガでもなくビヨンセ・テイラースウィフト・リアーナでもなく、これしかないだろと即決の一枚。サウンドもメロディーも間違いなく自分好みのアルバム。ジャケの物憂げさもナイス。

The 1975/The 1975(2013)
2013年の春ぐらいだったろうか、『The City』と『SEX』のMVを何かの拍子で観て即ヤられてしまった。当時使用していたsony music unlimitedというサブスクでこれらの曲とあと『Chocolate』の入っているEPを聴きまくった。本来、1975のようなスタジアム感がありスケールのでかいサウンド・メロディのバンド(例えばU2とか)は苦手のはずなんだが、乙女のトキメキというか有無を言わせず僕を虜にさせた。今から思えば、ファッション的にもクリップからも見て取れる彼らのセンスなどがジャストだったのだろう。とはいえ、2019年も終わりを迎える今、こんなにも2010年代において個人的にもシーン的にも代表するバンドとなるとは思いもよらなんだ。2010年代のベストアルバムはSuchmosに譲るとしても、この10年、コンスタントに僕をエキサイトさせてくれたバンドはThe 1975となる。そして、年明け2月に発表される4thアルバムのタイミングからわかるように、2020年代も彼らから始まるのだ。

AM/Arctic Monkeys(2013)
1st、2ndで夢中になったバンドも3rd、4thでは熱も冷めてしまい距離が開いてしまっていたが、この5thアルバムはガツンと僕の心を突き刺した。重厚感と甘美さを兼ね備え、そして何とも渋い70年代のクラシックなビジュアルがアルバムの曲たちに彩りを添えている。これらの魅力によって、なんとも変えがたい存在の位置にアークティックモンキーズは上り詰めた。2013年の秋以降はこのアルバムと1975のアルバムばっか聴いていた想い出。

Sound&Color/ALABAMA SHAKES(2015)
このアルバムが発売された以降、すべてのロックンロールのアルバム群たちは比較対象としてアラバマシェイクスの2ndが纏わりつくこととなる。そんなサウンドプロダクションの基準となった一枚。今も尚これは更新されていない。音の配置、強弱、響き方、余韻、隙間の空気感、ボーカルのエモーショナルさを際立たせるミキシング。これを機に耳が変わった。奇しくもラップの台頭とともに完全にサウンドプロダクション優位な評価軸が出来上がった功績の一枚。2016年年末のライブ観れてよかった。

Blond/Frank Ocean(2016)
アラバマシェイクスがロックンロールの評価軸を作ったなら、フランクオーシャンはポップ・R&B・ソウル方面の基軸を作った。それまでその方面で夢中になることは少なかったのだが、フランクオーシャンが拓いた道は、僕にメロウさとセンチメンタル、チルでダルな甘美の夕暮れ時の郷愁から夜中の泣きたくなるような叫びの快楽を目覚めさせ、その延長線上にある音楽のモチベーションを作った。しかし、探せども探せどもフランクオーシャンの代わりとなる音楽はないということにその度気付かされるのである。唯一無縁の存在、そして甘い。

SNSの投稿から離れて半年以上になるのでアウトプットをほとんどしておらず、久々に書くとなると溢れるように書いちゃったな。
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あ、ついでにキリがいい10枚となるとあと一枚必要なんだけど、セレクトするならばMETA FIVEかな。誰も文句言わないでしょ、あのアルバムは。


ということで2010年代ベストアルバムについてはこれにておしまい。


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