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なんだかすごくドキドキしちゃったお話

新教師AI【アルゴ】の歓迎会にて、【お酒】という飲み物がふるまわれた。
新しいジュースの名前かと思ったがどうやら違うらしい。

お酒には色々種類があったが金色に透き通った上に真っ白のもこもこが乗っているビールというのを飲んでみた。

「っ!?ん~~~......シュワシュワで苦くて、何か不思議だけど......ふわふわでおいしいねぇ」

お口の中でもこもこシュワシュワ、苦いのになぜかいやじゃなくて、とても不思議な飲み物だ
新感覚な口当たりについつい飲みすぎてしまう。

あれぇ?さっきまでこんなにもたくさんの子たちがいたっけ??もうちょっと少なかったような気もするけど......
近くにいる子たちをじっと見てみる。よくよくみるとそれはみんな同じ顔をしていて

「あはははっ、ドロシーちゃんがいっぱぁい!!なんでドロシーちゃんそんなにふえてるのぉ?」

「増え…?え?大丈夫ですか?さくらちゃんものすごく酔ってます…?」

 戸惑いの声が返ってくる。それはそうだ。
どうやらお酒を飲むと酔うみたい。でも全然いやじゃないなぁ

「ぅふふ~、かわいいがいっぱいですごくいいねぇ」
「か、かわいいがいっぱい…?それって私のこと…?」 

ドロシーちゃんのお顔がちょっと赤い。ドロシーちゃんも酔ってるのかしら?

「うん〜。ドロシーちゃん可愛いよぉ」
「も、もう〜…さくらちゃんったら、お酒飲みすぎだよお」

くすくすと笑うドロシーちゃん。う〜ん、かわいいなぁ!!!

「えへへぇ......この前は押しつぶしちゃってごめんねぇ」
「ううん良いの良いの、全然気にしてないよ。ちょっとビックリしたけど、でもその後一緒に戦えて良かった」
「うん、戦ったの......戦っちゃったの」
 
そう、戦った。ホントは戦いたくなかったのに。それでもあれだけは、あの子だけは見過ごせなかった。

「痛かったよねぇ、怖かったよねぇ」

ふいに涙があふれてくる。ぽろぽろと止まらなくなる。

「あっあっさくらちゃん…!」 

ドロシーちゃんがお目めを真ん丸にしている。急に泣きだすのだから驚くのも当然だろう。

「優しいのね…先生のこと、こんなに想ってあげて…」 

(せんせー?違う。あれはグロウちゃんじゃない。ちがう、ちがうんだ......)

タイミングも行動も何もかもが”そう”だと思える。けど違う、ちがうんだ。だって認めちゃったらそれは......すごく悲しい。

ぐいっとビールを飲み干す。
苦さとふわふわでぽやぽやする。

「ぷはぁ......わらしわぁもぉらいじょーぶあからぁ、もーなかないからぁ」

自分の声の大きさにちょっとびっくりする。酔うと普段はしないようなことをしちゃうみたい。

「ちゃんと......わらうからぁ」
「さくらちゃん……」

ドロシーちゃんが泣きそうな顔で見つめてくる。かわいいなちくしょう

「良いんだよ、泣きたいときは、めいっぱいわーって泣いたって......」
「ん~ん、らのしぃのらめにわらうのぉ」 

にへらと笑ってみる。うまく笑えてるだろうか

「わらしがらいじょーぶじゃないと、あんしんしてきらきられきないれしょ?」
「キラキラ……?」

首をかしげるドロシーちゃんを真っ直ぐに見ていう。

「うん、きらきらぁ。すっごくきれいらったよねぇ」
「あ……そうだね。流れ星……綺麗だったね」 

きらきらのお星さまがシューって動いてた。
動くお星さまなんて初めて見たけど、すごくきれいだった。

「だからねぇ、わらしもまけないよーにえがおえがおだよぉ」

きらきらで負けないような笑顔をつくる。

「そうだね!笑っていよう……」

そういって微笑むドロシーちゃんはとてもきれいで吸い込まれそうになる。

「んふふぅ、ドロシーちゃんもえがお、うれしぃねぇ」
「うふふふ、笑ってる顔見てると、なんだかほっこり嬉しくなるよねえ」
「あはははぁ、たのしぃねぇ......」

しばらくふたりしてにこにこな時を過ごす

......…
...…

「んにゅぅ......ねむい」

急にまぶたが重くなってくる

「ウフフ、お酒飲みすぎて眠たくなってきた?少し寝ていく…?」
「うん......ねるぅ」 

その場で丸くなって寝始める。木漏れ日がポカポカと気持ちいい。
横ではドロシーちゃんがお酒を飲みながら

「私も寝ようかなあ」

―――二人並んでお昼寝をするのでした。

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