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家を作る前に

設計家の悩み事

 これまでの投稿(Note)で、長い間家づくりの基本だったことの多くが、新築の住宅では軽視されていることに、疑問を提示しました。設計する側が当たり前に配慮するべきことが、価格競争などの理由で、無視するか、安易に代替え案を採用する傾向にあり、家の耐久性への不安や、住人の健康や子供の成長に問題があるのではと憂慮されます。その不安項目を簡単に箇条書きにまとめてみました。
 
1) 雨の多い高温多湿な気候の家とは。

2) 土に密着した家とは。

3) 日本人の家族関係に合致した、和やかに暮らすための基本的間取りとは。

4) 高気密・高断熱住宅の室内環境と家の耐久性への疑問。

5) 目に見えない世界の影響は。
 
 以上の項目について過去の投稿に照らして簡単にまとめてみます。
 
 1)については2021年3月13日の投稿 「雨と日本の家」で述べました。
庇の出(深さ)によって工事費が変わるため、できるだけ庇の出が浅いか、ない家が多くなっています。サッシや建材の進歩によって雨の対策は十分といえるか不安があります。また、空調の普及により室内の温度は調整できるでしょうが空気の質はどうでしょうか?
 
 2)については2022年4月11日の投稿 「健康に暮らす家」で述べました。
工事のしやすさ、湿気対策の必要性から基礎をベタ基礎にして家と地面を絶縁することが多くなりました。自動車の駐車スペースを確保するために庭でさえも土がなくなって、草むしりの面倒から解放されています。人間が健康に暮らすために、土に接することは不可欠と思ますがいかがでしょうか?
 
 3)については2021年3月16日の投稿 『本当に〇LDKでいいの?』、2022年4月11日の投稿 『和やかに暮らす家』で述べました。日本の家族関係は畳に障子、襖の日本家屋と働き方で形成されたものであり、個室主義の西洋住宅にはなじまないといえると思います。しかし、未だに今の生活に合った新しい日本人の住まいの形はできていません。
 
 4)については2022年5月3日の投稿 『最近の流行り-Ⅰ』、2022年5月6日の投稿 『最近の流行り-Ⅱ』で述べました。高気密、高断熱住宅は地球温暖化問題においてCO2排出量削減にかなう、エネルギー使用量の最小化を目的とした究極のエコ-ハウスです。経済的理由はあるものの、生活や人体の要求による住宅の変更でない以上、高気密、高断熱の今のやり方が人体にとって本当に合理的な方法なのか確認する手続きは必要だと思います。
 
 5)については2021年4月6日の投稿 『建築の神様?』で述べました。その後の見聞きによると、宇宙は人間の目や機械で捉えられるものは5%ほどで、見えない物質(Dark Matter 暗黒物質)が25%、見えないエネルギー(Dark Energy  暗黒エネルギー)でできているそうです。神様の場所はどこでしょうか?

 以上の昔は当たり前に行われていた常識がだんだん廃れてきたことの中で、本当にそれでいいか疑問に感じる五つの項目です。現在は科学の時代と言われ、エビデンスを求められますが、科学的研究が人知で解ることは5%程度だと宇宙の研究は示しています。

 森では葉が散ると、そのまま緩かに朽て土に戻ります。自然の反応は静かで精妙で空氣も清らかなままです。人の手を加えると腐っていやな匂いを発しますが何がいけないのでしょうか?

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