【GP2022横浜Autumn30位・ウマ娘記念大会優勝】グッドスタッフ+7cmウマ娘解説

こんにちは。かざもです。

今回はGP横浜で使用したウマ娘の解説記事になります。

構築をシェアしたチームメイトの成績は
Day1 7-2 Day2 4-2 30位
Day1 2-3 Day2 ウマ娘記念大会7-0優勝
Day1 6-3
でした。


もくじ
⒈デッキリスト
⒉GP横浜Autumnの環境構図
⒊デッキ選択理由
⒋「ウマ娘」デッキの全体像
⒌カード単体解説
⒍各対面の考え方
⒎採用してもよかったカード
⒏採用から外したカード

⒈デッキリスト



1コスト 8枚
3《検証、開始》
2《あなたにささげる》
3《見習い魔女と長い夜》

2コスト 12枚
2《シーキングザパール》
3《スペシャルウィーク》
3《アグネスタキオン》
3《おどれ!さわげ!フェスれ!》
1《迫る熱に押されて》

3コスト 13枚
3《イクノディクタス》
3《マルゼンスキー》
2《ナリタトップロード》
2《ファインモーション》
3《ウオッカ》

4コスト 5枚
3《ダイワスカーレット》
2《雨の独奏、私の独創》

5コスト 3枚
2《ライスシャワー》
1《7センチの先へ》

8コスト 2枚
2《ナリタブライアン》

⒉GP横浜Autumnの環境構図

今大会の環境は「ウマ娘」「ドラゴン」の2強環境といえます。理由がいくつか挙げられます。

  • 「ウマ娘」「ドラゴン」ともに《ウオッカ》あるいは《ナリタブライアン》を基軸にした盤面展開や《ダークドラグーン・フォルテ》《オグリキャップ》などの大型疾走により他のクラスでは主導権を取り返すことのできない戦略が取れる。

  • 「ドラゴン」「ウマ娘」は他のクラスに比べて除去カードが優れており、対応力が高い。そのため、上記2デッキに対して再現性の高い勝ち筋を取れる戦略は大幅に限られる(※1)。

  • 特に「ウマ娘」はアグロ戦略に強く、「ドラゴン」はコントロール戦略に強い(※2)。他のクラスで「ウマ娘」「ドラゴン」両方相手に高い勝率を出せるデッキが組めない

  • 「ドラゴン」には《灼熱の嵐》があり、「ウオッカ」を絡めた強力な盤面を無理なく全処理できる。さらに《竜呼びの笛》から生成される《ヘルフレイムドラゴン》によって、《ナリタブライアン》を比較的容易に処理できる

  • 「ウマ娘」は《雨の独奏、私の独創》《イクノディクタス》《ライスシャワー》など、アドバンテージを稼いで戦況を有利にしながら疾走を防ぐクイック除去や守護フォロワーが多く採用でき、守護を縦置きしてからリーダーを攻撃することで攻勢を維持しつつ相手の疾走を拒否できるなど、「ドラゴン」に対してリーサルまでのターンを担保できる。

まとめると、「ドラゴン」「ウマ娘」にはそれぞれ互いにメイン戦略を拒否できる手段があるのに対して他のデッキには無いため、単なるデッキパワー以上に2強構図が助長されている。

(※1)筆者の想像する限り、《レオニダス》か《ヘヴンリーイージス》の安着程度しか考えられない。ただし、一般的には「ミッドレンジロイヤル」は「ドラゴン」「ウマ娘」両方に微不利、「コントロールビショップ」は「ドラゴン」に大きく不利である。
(※2)「ウマ娘」は《アグネスタキオン》《見習い魔女と長い夜》《マルゼンスキー》などで小物の処理が得意で、またあらゆるウマ娘フォロワーが出走できるため横向きフォロワーの処理にも事欠かない。以上から、「ウマ娘」はアグロ戦略に強いといえる。また、「ドラゴン」は《ダークドラグーン・フォルテ》や《竜巫女の儀式》《インペリアルドラグーン》などによりクイック構えで対応できないダメージ手段を持っており無理なくプレイできるため、コントロール戦略に強いといえる。

⒊デッキ選択理由

上記の理由から選択肢は「ドラゴン」「ウマ娘」の2強に「ミッドレンジロイヤル」と「イージスビショップ」を加えた4択になりました。しかし「ロイヤル」はチームメイトが試して「ドラゴン」に勝てず解散、「ビショップ」も筆者が試して「ドラゴン」に勝てず解散となりました。
したがって選択肢は「ドラゴン」「ウマ娘」の2択にせざるを得ないと考えました。
自分たちが「ドラゴン」でなく「ウマ娘」を選択した理由は、構築で差をつけられると考えたからです。「ドラゴン」は構築のテンプレ化が進む一方で、「ウマ娘」は研究を進める中で一般に出回っているリストより秀でた部分がいくつか見つかりました。

ポイント① ミラーマッチの勝ちパターン把握

「ウマ娘」の同型戦(ミラーマッチ)において、勝ちパターンがいくつかあることに気付きました。
(i) 《ウオッカ》絡みの盤面が除去しきれず、盤面がそのまま打点となって押し切り。
(ii) 盤面有利の状況から疾走打点を投げ続け、主導権を取り返される前にライフを削り切る。
(iii) 《ナリタブライアン》や《オグリキャップ》などのフィニッシャーを刺さる状況で投げて回答が返ってこない。
(iv) 《7センチの先へ》や《紡がれてゆく想い》などのビッグアクションによりゲームを壊す。

(i)は《ダイワスカーレット》+《ウオッカ》の組み合わせを入れている限り等しく訪れるチャンスであるから、(ii)(iii)(iv)の勝ちパターンをどれだけ拾えるかが肝要になってくると考えました。

(ii)について…疾走に寄せると再現性が低いことが分かりました。スペルで簡単に除去される《サイレンススズカ》や盤面に一切干渉できない《セイウンスカイ》に代表されるように、疾走でリーダーを攻撃している限り盤面勝負には負けやすく、相手側の(i)の勝ちパターンを防ぎつつ疾走で勝ち切るには継続的な攻めが必要です。打点や圧力になるカードが尽きると主導権を失うためデッキの上から引くカード次第で勝率が大きくブレることになりました。
我々はそれを嫌って、サーチ可能な《迫る熱に押されて》とフィニッシャーである《ナリタブライアン》および《ダイワスカーレット》の疾走付与以外は直接打点は採用していません。

(iii)について…「相手に刺さる」「回答が返ってこない」という条件付きですが、《ナリタブライアン》と《オグリキャップ》の2種は1枚でゲームを決定づける力があります。特に《ナリタブライアン》は相手から回答が返ってきたとしても時間を稼ぎつつアドバンテージに差をつけることができており、後述の《7センチの先へ》へと繋げるのに最適なカードです。

(iv)について…《7センチの先へ》《紡がれてゆく想い》両者とも打つことさえ出来ればほぼ勝ちにまで持っていけるサブプランを用意できるカードですが、その達成のために補助するカードがそれぞれ必要です。前者は《シーキングザパール》《ファインモーション》などの墓場を増やすカードがなければ現実的でなく、また後者は大量展開して効果的な高コストフォロワーを多く採用せねばならずデッキバランスが崩壊します。
我々は《シーキングザパール》《ファインモーション》による《雨の独奏、私の独創》の早期達成を評価して墓場増やしギミックが採用圏内であり、したがって《7センチの先へ》も無理なく使えるカードだと考え採用に至りました。

まとめると、
(i)盤面勝ちはお互いあり得る勝ちパターンで、
(ii)疾走の勝ちを追うと(i)盤面勝ちの基本路線が崩れることから(ii)疾走に貢献するカードを最低限まで絞って、
(i)盤面勝ちの延長線上にある(iii)ナリブや(iv)7センチの勝ちパターンを取れるようにした
のが我々の構築です。

ポイント② 対ドラゴン

対「ドラゴン」についても上記と同様の勝ちパターンが考えられます。

(i)盤面勝ちについて…《灼熱の嵐》の持ち物検査になります。《灼熱の嵐》による損失を少なくすること、《灼熱の嵐》後に素早く盤面を再展開して圧をかけること、《灼熱の嵐》前にできるだけリーダーを攻撃して体力を削っておくことが重要です。
(ii)疾走について…対「ドラゴン」は盤面形成が甘い代わりにゲーム決着までのスピードが速いので、直接打点は少なからず必要です。したがって、《ダイワスカーレット》や《ナリタブライアン》を起点に相手のリーダーを素早く詰めることを目指します。
(iii)フィニッシャーについて…《オグリキャップ》はフィニッシャーでありながら中盤でも《ダークドラグーン・フォルテ》の処理に付き合うことなくリーダーを攻め返す疾走打点にもなるところが利点ですが、走ったあとは手札を失っているため《神龍》や《竜の怒り》などで受けきられるとリソースゲーで負けてしまうところが難点です。《ナリタブライアン》は《ヘルフレイムドラゴン》には突破されてしまうもののオーラ付きの守護であることから負け筋回避しつつ盤面を打点に変換するという基本路線にしたがった運用ができます。
(iv)サブプランについて…《7センチの先へ》は墓場増やしギミックや守護フォロワーによってゲームを遅延できることから成立する可能性があり、勝ち筋になります。また、それに付随する《シーキングザパール》《ファインモーション》《雨の独奏、私の独創》が「ドラゴン」に対して効果的で、構築の正当性を上げています。

⒋「ウマ娘」デッキの全体像

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