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XSR900 素人レビュー

新型 XSR900(2022) が納車されましたので、素人レビューをしていきたい思います。

当初はトゥゲッターに残すつもりでしたが、NOTEの方が都合が良かったのでこちらに投稿する形にさせていただきました。Twitterの文章に加筆修正させたものを書かせていただきます。


・まず自分自信、色々なレビュー動画を身漁って思うところが沢山ありすぎたので、今回文章でまとめてみました。素人意見ですので間違いがあるかとは思います。指摘や訂正をしていただけると助かります。

・色々なYouTuberやモトブロガーが「乗り易い」の一言で纏めていますが、個人的には乗り易いというより「動かしやすい」表現の方が正しい気がしてなりません。特に車体の操作に関しては物凄く扱い安いです。



○まず動かしやすさを語る上で欠かせないと思ったのがクラッチです。アシスト&スリッパークラッチが付いてるせいだとは思いますが、クラッチレバーが軽い。程度はおろしたてのR3と変わらないくらい。クラッチレバーは軽ければ軽いほど、操作に対する弊害が少なくなってくるものなので、繊細なクラッチワークを必要とする大型でこの軽さは秀逸と言わざるをえないです。惜しむとしたら、クラッチレバーが少し遠いか...


○次に発進です。これは6軸IMUのおかげだとは思いますが、多少ラフにクラッチミートをしても、アンチウイリーが働いてフロントが浮くような挙動は一切ありませんでした。スタートは凄くスムーズです。

そしてアクセルの付きについてです。前の型は、少しでもアクセルの入力があろう物なら「ドンっ」とトルクが出て、バイクを前に弾き飛ばすようなパワーがでていました。今回はつきが円やか。エンジン音をしっかり聞けば、セーブされた出力がてるようになってるみたいで、走り出しがしやすいようになってます。

○その走り出しの軽快感を下支えしているのが、軽量ホイール。これは凄い軽いのが伝わってきます。チェーンロックを回すときに金属同士が当たったのですが、乾いた甲高い金属音がして、どれだけ軽く造ってくるかが伝わります。

この軽いホイールのせいかもわかりませんが、ブレーキを当てた時に、かなり軽いタッチでタイヤを制御できます。レースやってたわけでもないですが、感動するほどにタイヤをコントロール出来ている感覚になります。
さらにその軽いバネ下を制御するブレーキです。

○ブレーキマスターは前後共にブレンボマスター。
特筆すべきはフロントのマスターです。R7にも採用されているブレンボの量産品マスターですが、コレのブレーキタッチ感がとても素晴らしい。
下手な素人が、ブレーキを握ると、ブレーキの先で何が起きてるかを感じ取れるように制御する事ができる。

今まで、強弱程度しかわからなかったのですが、パットが軽く触れているのか、そこそこ触れているのか、ガッツリかかっているのか...ブレーキのリアクションの分解能がかなり上がった気がします。
いままでコーナーのアプローチでフロントを残したまま倒しこむのが恐かったのですが、フロントを多少残しても制御しきれるリアクションが伝わってくるので、ブレーキングへの安心感が段違いです。ワインディングだけでなく、街中でも感じれる程度に楽しく走ることができました。

○足回りに関しては、乗り味に関わってくる部分なのですが、柔らかめの印象。こと峠道に関して言えば、程よく柔らかく、粘りがあるけど、もう少し硬さがあってもいいかな?と思います。

乗り味は、比較対象をMT-09としますが、09の乗り味を「ヒラヒラした切れ味のあるコーナリング」とするのであれば、XSRは「乗り手の意思通りに曲がるコーナリング」になると思います。

MT-09に関してはバイクが意思を持って曲がっていくレベルでパタパタ倒れますが、XSRは某YSPの人の言葉を借りれば「後ろがワンテンポ遅れる」感じ。すこしマイナスな印象を与える表現で自分は好きではないので...別の言い方をするのであれば「ロングノーズの車と同じく前が回って後ろが着いてくる」

という感じに思えます。MT-09は右に倒せば前後のタイヤがリンクして右に回る。XSRは前が回って後ろがついてくる。
国産車メインで乗っていた人はMTみたいなヒラヒラする乗り味が好きかもしれませんが、そもそもロングホイールベースのD社B社の車両に乗っている方なら、違和感ないかもしれません。

コーナリングの入力でいうと、MTは「1の入力で対10倒し込める」バイク、XSRは「1は1、10倒したいなら10の入力を求められる」バイク。良くも悪くも、とても従順で素直。素直が故に安心感が生まれます。というかMT09が割とピーキー志向なだけかもしれない。

XSRは安定志向に振ってるのか、各入力に対してとても従順で、乗り手の技量をモロに反映しやすいバイクかと思います。ヤマハの謳っていた、乗り慣れた名馬の表現がしっくりくるバイクです。

○取り回しについてですが、ハンドルは殆どきれません。極太鳩胸フレームと倒立フォーク...なぜ我々はこの組み合わせでハンドル切れ角を求めたのか...謎に迫る旅に出たいくらいです。マジでハンドル切れません。

そのハンドルが切れないにもかかわらず、装備重量193kgの軽さは伊達じゃない。皆さんご存知ですか?cb400sbが204kg。400ccのバイクとほぼ変わらない。なんならr25とは30キロしかかわらない。軽いです。お前マジで大型か?と思うほど。本当に軽いですありがとうござい(ry

なので、軽いが故に取り回しはすんごいラク。これが230キロ声の古い大型だったら、匙投げるレベル。
その位、ハンドルのきれなさは軽さで補ってる感じ。


○ライポシに関しては言えば、ツーリング用の楽な姿勢を維持するって意味では丁度良いです。が、ワインディングを楽しむのであれば、SSの姿勢を自然に出来る人ならハンドル位置高くて前が詰まる感じに。座る場所を一番後にして前傾とると肘が出っ張る。正直きつい。

個人的には今すぐにでもスワローテイルか、前の型のXSRオプションのクラブマンバーハンドル欲しい。姿勢が立ちすぎて動かし図らさすら感じる。だからといってセパハン化したくない...
いわゆる峠を攻める走りをするのであれば、セパハンか、ソレに準ずるカスタムが必要不可欠。個人的には多少の快適性を犠牲にしてでも、クラブマンバーハンドル欲しい。切実。

○賛否両論あるバーエンドミラー。
色んな人が言ってますが「見やすい。けど視線の移動量多くて危ない。」個人的にはこれはダウト。
正直、視線の移動量気にするほど車間詰めてはしっとんのか?われぇ!という感じ。後ろを目視するのにガッツリ横向くと思うんですが、その動線の中間点にあるように見えるので、この位置は悪くないむしろ、これいいじゃん!と思う。
ツーリングで嫁ちゃんを先導するにあたり、後ろをちょくちょく見る人間なので、ミラーでこれだけ後ろを広く確認できるのはぜんぜんあり。視線移動量?気にするほどの速度と車間で走らなけりゃいいじゃん?で済む話。

最初の5分は違和感有りましたが、馴れればこの位置のミラーはとてもいい。快適。SSでバーエンドミラーはダサいと思ってたけど、こんだけ視界確保できるならやるわ。凄く良い。

○ここからは、前のXSRをレンタルした事があるので、乗り比べで語りますが...
快適性求めるなら乗り換えは是といっていいでしょう。スッゴく快適。元々コンパクトな車両が、さらにコンパクトになって取り回しがしやすくなった。
コーナリングの柔らかさは前の型に分があって、ジムカーナやるならあちらが強い。


ただ、バイクがガッツリ走れるサーキットにいけば、新型の方がコーナーの限界値がかなり上がってて楽しいかも。これにカウルつけて、フロントの車高少し落とせばR9ってレベルでパワーもコーナリングも楽しい。見た目が...という方は前の型で十分だとおもいます。
しっかり前に過重かけて、肩から入り込んでいく所謂「ヤマハハンドリング」をツアラー向きの車両で色濃く感じれるので、コレをもう少しスポーツに振った車両は是非乗ってみたい。

これでもう少し荷物のっけて、楽な姿勢でツアラー欲しい!というのであれば...
自分個人としては、トレーサー9GTかっちゃえよ!ありゃすごいよ?!?!

○Z900RSと比べてみて。
直接のライバルと評されるZ900RSと比べますが、z900はエンジンがそもそも高回転型なので、回して遊べるところがないというのもあり、乗った印象としても割と消化不良になりぎみ。一番美味しいところは、下のギアで高速道路走るときにしか使えないかなぁという印象。あとハンドルめちゃめちゃ高い。

狙ってる層が層なので快適よりだと思うんだけど、割とワインディングを楽しみたい層からするとZは合わなかったなぁ。
Z900と、XSR900選ぶ理由はデザインだけでいいきがします。ネオクラ系としてメーカーライバル作るならZなんだけど、直接のライバルって実はXSR700だったりすると思ってます。

XSR700の良いところは、素性がそもそもいいのと、下道でもしっかり使えるパワーバンド、250cc並みの軽さ、薄さによる高次元のコーナリングワークとフィール。つるしで走ると限界値低いけど、サスのセッティング決まればワインディングならリッター狩りできる。軽さは最大の武器を地でいくバイクなので

Zと比べるにしても、「目指したジャンルが違いすぎて、比べるに値しないかな」という印象。同じ80年代なんだろうけど、かたやZ1の近代化改修のような復刻。最新の技術で作ったレトロ漂う復刻版、それかZ900RS
かたや80年代のヤマハレーサーレプリカのモデリングを現代に生かした、オマージュかつ最新のモデルにレトロな味付けをしたXSR900。
同じジャンルで180度違う生まれ方をしたので、ここの二つはライバルにはならなさそう。カタナの方が直接的なライバルになりそうな気がするけど果たして...


○あとは忘れていたのがドライブモード!
前XSRのパワーモード1は凶悪すぎて封印している、なんて人もいるとおもいます。アレは凶暴凶悪というより、サスセッティングの狙い目の速度域より、エンジン出力が高いのでチグハグ感あって、怖さに繋がるかんじ。確かにアレは怖い。

今回のは普段から250ccでも「峠は遊んでなんぼ!」という人達の視点からすれば、リッタークラスならこうでなきゃ!と思えるほどの許容値。ぜんぜん恐くない。アクセルのツキがまろやか。オニ加速はあるけど、リアがしっかり粘るから挙動の乱れなくスムーズに加速する。

自分は最初からモード1のフルパワーで楽しかったです。むしろコレだけでいいじゃん?
確かに中型あがりでモード1は怖いかもしれないけど、コレが怖いならなぜ900買った?700にしとけ!そこに求める物は全部有るぞ!XSR700はすごくいいぞ!R7なんてもっとだ!

かなり主観の詰まったレビューですが、本当に良いバイクです。楽しいし、なにより扱いやすい。1000キロ走ったところでまたレビューしたいかなとは思ってます。

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