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開運力で転職を成功に導けるのか!#19

「この物語は「失敗を繰り返した後に成功を価値とる」と言ったいわゆる成功物語ではありません。いろいろな人間関係に出会って翻弄された結果、自己が成長していく過程を書いたノンフィクションです。

母の死を経て16回の転職後に起業し25年間、経営者として生きて還暦を迎え開運アドバイサーとして生きて行く道を選んだ物語となっています。   苦しい時、何かの判断に役立つことを願っております。興味のある方は是非最後までお付き合いをお願いしたいと思っております。」  <み~さん>

第二章 16回の転職 
<自信>


一年ぶりに横浜に戻ってきておりました。               後先なしで帰ってきましたから働く所など決めていはいませんでした。

そんな時、心配していた姉が付き合っていたすし職人の方に相談したところ小料理屋を紹介してくれました。

一年も働いて洗物か鯉料理位しかできなかった私は自信なんて全くなく仕事場を選ぶ余裕など1ミリもありませんでしたのですぐさま紹介された「浜名」に行きました。

この店はカウンター7席、テーブルが2つ、二階が十畳の座敷になっている小さい店でした。同業者の職人からも「浜名」の料理は美味しいものをだすと評判の店だったので彼は姉に推薦したようです。

マスターと呼ばれている店主の腕がよかったのです。彼は中卒でそこから修行をして21歳の時に4歳年上のマスターの奥さんと知り合って店を出し6年目だと聞いていました。


橋幸男に似た男性とちょっと冷たそうな大原麗子似の二人が黄色い日産のキャラバンを洗っていた。その周りには2歳と5歳の女の子遊んでいました。


「あの~澤田さんに紹介されました・・」
「ああ、健ちゃんから聞いている、ちゃんとできるのか?」とマスターが怪訝そうな顔つきで私を見た。

その横で彼の奥さんが何となく様子を窺っている感じで見ていた。
「はい、頑張ります」と言うと                   「じゃあ、これに着替えてこい」と白衣を渡され私は二階に行き着替えてきました。すると「今日は洗い物をやってくれ」と言われたのです。

店も小さいし洗い場もカウンターの隅にあり、旅館の洗い場の1/4程度、狭いし小さいのだ。カウンターの奥には業務用の大きい冷蔵庫がデ~んあり存在感は一番ありました。

まあ、独りでやるような作りでした。                 こんな狭い場所で私は何をやるのだろうとその時は思いましたが、    この店に働く事によって私の腕は飛躍的に上がることになるのです。

私を雇ったのは将来もう一店舗を持ちたいと言うマスターの夢がありその理由からだと後から聞く事になるのです。マスターと私は週に2,3度南部市場に行って魚を注文してきます。

そして店に戻り「魚料理の下ごしらえ」をします。これがとても嬉しかったのです。見たこともない魚に会えそれをいじれるのは諏訪にいた頃は考えられませんでしたから「幸せ!」を感じました。

だから毎日働くの楽しくてたまりませんせんでしたし、総ての料理を触らせてくれたので充実してのは間違いなかったのです。

しかし、ムカッとすることも多かったです。それは小料理屋ですから、飲むと性質の悪い人も多く、綺麗なママさんにチョッカイ出すものも多く、  それを見ているとどんどん身内的になるんですね~、

「ここはキャバレーじゃないぞ!」とつい大声を出したり、       「酒飲見比べしないか?」と挑まれたりしました。

相手がお客さんですから負ければいいものを勝ちに行ってしまい、    喧嘩になったりしました。

当初は諏訪にいる気分が抜けていなかったのか、気が短い男だったのです。その都度、マスターは上手くとりなすのを見て商売はこのようにしなければならないと感じました。

恥ずかしい話、今でいう鬼滅の刃の伊之助のように一直線だったようで、 問題をおこしてばかりいたのです。

それがマスターの若い頃もそうだったと聞いていましたから憎めなかったのでしょう。一年が経ち成人式を迎え、給与も10万円になりました。    私もマスターの料理を覚え一通りのメニューをこなすことができるようになったので念願の2店舗目を出したいと動き出しました。

なんと寿司屋をやると言い出します。理由は小料理屋より寿司屋は儲かるというのです。まあ、私が口出すことではないのですが、本当にやるのか?なんて思っていた矢先、知人のすし職人が店を出す事になったのです。

その知人が人不足で小僧が欲しいらしく、その小僧の仕事を私がやることになったのです。つまり、偵察です。マスターは私にスパイの役目をさせたのです。

ひと月ほど手伝って知る限りの事をマスターに伝え、マスターはそれをもとに研究し店を出すことにこぎ着けました。

その関係でマスター新店舗の寿司店に移り、私が小料理屋の料理を任されることになったのです。大抜擢で嬉しかったのは当然でした。

自信も少しは出てきましたし、これまで毎日毎日を一生懸命に過ごしていたご褒美だと思い、怖かったですが腹を括ったのです。          それに店の女将さんも優しく面倒をよく見てくれたので恩返しのつもりで頑張ることになりました。

この頃が一番やりがいがあった頃かもしれません。

続く

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