開運力で転職を成功に導けるのか!#21


「この物語は「失敗を繰り返した後に成功を価値とる」と言ったいわゆる成功物語ではありません。いろいろな人間関係に出会って翻弄された結果、自己が成長していく過程を書いたノンフィクションです。母の死を経て16回の転職後に起業し25年間、経営者として生きて還暦を迎え開運アドバイサーとして生きて行く道を選んだ物語となっています。苦しい時、何かの判断に役立つことを願っております。興味のある方は是非最後までお付き合いをお願いしたいと思っております。               <み~さん>

第二章 16回の転職

「からまわり」

2月の末、浜名を辞めた私は燻っていました。             それを知った姉は手が足りないという理由から義理の兄の店「青柳」で手伝いをするようにと命令されたのでタダ働きか?と思った。

そのわけは、昨年姉に頼まれ40万円を貸したのですがまだ返してもらっていない、だから店は相当に苦しいのかと思っていました。         そんな姉が羽振りがいいのか?最近、タクシーで家まで来て2,3時間滞在してまたそのタクシーに乗って帰ることをしていたので「タクシー代もったいなのでは」と聞いたことがありました。

すると「運転手に貸しがある」から問題ないと説明された。その時は深入りもせず気にも留めないでいました。                 「青柳」は喫茶店であるがバイトを始めると何か「いかがわしいことをしている店ではないか」と感じた。奥に小部屋ありビンゴピンボールゲームの機械がありました。ビンゴというと、パーディゲームを思い浮かべるのが普通ですが、これは賭博の機械でした。

ゲームの結果により、現金を這い出す事をしていたようです。私は夕方まで働いていました。たまにガラが悪い客が来てはコーヒーも飲まずに奥に行き、小さい窓から現金の出し入れしているのを見たことがありました。

そんな時は私は見て見ぬふりをしていましたが違法じゃないか?なんて思っていました。ある日こと店長が休んで私が店の夜番に入ることになりました。夜中の1時ころだったか、やはり40代のガラが悪い男が入ってきて5000円で奥のゲームをやる準備です。

すでに店長からゲームに来る客が来たらスイッチを押すように説明されていましたので、お金を頂いてスイッチを押し、ゲームが出来るようにしました。何分か経つとまた小窓から5000円が出てきてスイッチを押すことになりました。たぶんパチンコのようなものなのでしょうと私は想像しました。

すると小部屋から「ちくしょう!全然出ない!と叫ぶ声がしました。そして小窓が開き「おまけして、やらしてくんない」といわれたので「できません!」ときっぱり言いました。すると私が若いので脅せばゲームができると思ったのか小部屋から出てきて私に凄んで脅かしてきます。

こちらも負けてなるかと思い「出来ない」と断り続けるとさらに声が大きくなると「お前の仕事が終わった頃に店の前に出てきたら刺すからな」と捨て台詞を吐いて出て行きました。

そのあとも見るからに怖そうな絶対にやくざだなと思える男が来たりしていましたが先程の男とは違ってお金が無くなったのかあっさり帰って行きました。朝8時に店長がきてこの件を話すとやくざ風にみえたのは刑事だったようです。もう一人はチンピラで何するか分からない奴だからと言って姉に電話してその旨を話したようです。

店長がガードするように言われたらしく駅まで送ってくれたのです。そんなやばい奴だったと思うとぞっとしました。するとその後に姉から連絡がありもうバイトに来ないでいいといわれたのだ。

人の縁によって人生は流れていくんだなあと思いました。

私は旅に出たくなりました。別にどこに行くとか当てはなかったのですが兎に角、北陸に向かいました。長い時間をかけて金沢までたどり着きました。北陸は暗い印象があって、その時の自分の心象にあっているとおもったのでしょうか・・・。初めて足を踏み入れた土地でしたが、金沢は良い町でした。

街をぶらぶらしていると「浜名」と同じような割烹・小料理屋があちこちであり、もう一度板前をやってやれというやる気が湧いてきました。これも何かの縁だなと思いました。北陸の魚はどんなものかと宿泊して体験することにしました。北陸の海の近いところの温泉を地図で探し向かいました。

海岸に沿って走る高速道路は車も少なく快調に走り片山津温泉につきました。旅館案内所へ行き、美味しい料理を出す旅館を予約してもらいました。ついでに、板前を募集いてる旅館があれば紹介してほしいと相談しました。ま~無鉄砲でしたね~、若い時からそんな行動力だけはあったようでした。

すると「ちょっとまって、聞いてみるから」と電話をかけだしました、きっと板前が足りないと聞いていたのでしょう。              「時間がかかるから」といい、もし募集がある旅館があれば予約した旅館に連絡するとので私は旅館に向かいました。

旅館でくつろぎはじめたころ「みたにあ」という老舗旅館から連絡がきました。そして面談をしたいとい打診がり30分後に板場に来るように言われたのです。電話を切るやいなや、身震いです、急に緊張が走りはじめ、やる気モードも全開です。何しろ自信があったので意気揚々と向かいました。

板長は私の年齢を聞いた。「何年やった?」「丸二年です」と言ったとたん目を丸くして驚いた様子がみえた。経験は丸二年だが、刺身、揚物、煮物、と一通り出来る自信があると答えると、あきれる態度、バカにした態度で値踏みをしはじめた感じがとても腹が立ってきました。

そばに居た板前になんやら目で合図しているようで「とりあえず、仮採用」になり明日から試用期間で雇う話をしてくれたのです。その場を立ち去ろうとしてドアを開けた瞬間に板前が「雇うんですか?」「威勢はあるが・・明日、恥をかかしてやるから・・・」なんて板長が他の板前に言っているのを小耳にはさみました。

朝9時にここに来るように言われ部屋に戻りいろいろ考えました。南湖荘の親父のようだと思いました。きっと5年もしないと刺身等触らせないと思っている口でしょう。若気の至りっていうやつで普通に考えればそう思われる社会と判っていなかった頃でした。

「恥をかかしてやる」の言葉に怖し気づいたと言うより、採用は初めからするつもりはなく、自ら板場を探す男に興味を持ったのでしょう。どこにでも調理師協会があって不足すると職人を回してくれるので本当に不足はしていないと思ったのもあります。一番腹がたったのは、板長の目つきだったので結局行きはしませんでした。私はそんな気がなくても、きっとどこかで私の横柄な態度が気に障ったのかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?