Extremely Loud and Incredibly Close
邦題、ものすごくうるさくてありえないほど近い
ずっと観たいと思っていて機会を逃し続けていた映画を観ました。
すごくよかったので記録。ネタバレを含みます。
9.11が題材ということもあり、人の死がテーマだと思っていたけれど、死よりも愛を感じる映画でした。
あの事件で父親を亡くした少年が、父親が遺したと思われる謎を解くためにNY中を駆け回り、沢山の人に会い、そして謎が解ける。けれどその答えは望んだものではなかった。
随所に色んな形の愛が詰まっていて、最後30分、声を出して泣いてしまいました。
特に2つのシーンが心に残っています。
1つは、鍵を本当に必要としていた遺品セールスの主催者にであった時、少年が秘密を打ち明けたシーン。
現実と向き合うのが怖くて、受け入れられなくて、ワールドドレードセンターから父親が掛けてきた電話に出られなかったこと。
留守電に切り替わると、そこにいるのか?と、家に少年がいることを知っていて、語りかけるようにメッセージが残る。メッセージが切れた直後、TV中継に映るビルが崩れ落ち、少年も膝から崩れ落ちた。
誰にも言えなくて、ずっと黙っていて、それをやっと人に言えた彼の気持ち、少しわかる気がして涙が止まらなかった。
生きていれば受け入れられない事ってやっぱりどうしてもあるし、どうしようもなく悲しい事、辛いことってやっぱりある。
悲しみのあまり、恐怖のあまり、向き合うのが怖くて、あまりにも酷いことをしたんじゃないかっていう経験、それは近すぎる人には話せない。
それを彼が、父親に花瓶を売っただけの、遺品セールスの主催者に話した後、許すよ、っていう一言が少年の心をどれだけ救っただろうか。
不思議なことに、関係ない人でも、自分を肯定されるとすごく楽になるのはどんな人も同じなんだろう。
長くなったのでもう1つのシーンは割愛。
とにかく母親の愛に涙しました。
正直夏に観たい、というよりかこの事件の季節が来るたびに思い出すんだろうな、という作品。
明日目が腫れるのではないかという不安と戦いつつおやすみなさい。
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