休息

日あたりのよい部屋。白い壁、白い天井。

窓ぎわのベッドで横になって目をとじる。

おおきな窓から差し込む日光がヴェールのようにベッドを包み込むのを感じる。
それはまるで天蓋のなかにいるかのような安心感。

太陽が高くのぼってわずか二時間程度、ぬけるような青空の日だけの、
特別な時間。
透明な空気を胸いっぱいにすいこめば、やわらかなあたたかさに体がみたされる。

ちいさな悩みや孤独が雪どけのように小さくなっていくのを感じるその時間に、やっと自分の居場所をみつけたような気持ちになる。

安心、温もり、歓迎、祝福。
幸福感に身体髪膚が満ちるのを待たずして、太陽は高層ビルの陰に隠れ白い部屋やベッドは影の色に変化し、天蓋もヴェールも何もかも無くなってしまうのだった。






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