さあ地獄の始まりだ
息子が生まれたのは産院の外では凄まじい暴風雨が吹き荒れる春の嵐の中だった。
3日間にも渡る難産の末のハラキリ。つまり帝王切開で息子誕生。
第1話で触れた通り、めちゃくちゃ泣く赤ちゃんで大型産院の看護師の間でも話題になっていたらしい。
産院を退院してからも「大丈夫か」と自宅に電話が掛かってきたほどだ。
自分で言うのもなんだけど、私は根性が有る。
看護師さんに「大丈夫です~」と明るく答え、極めて前向きに育児に取り組んだ。
世の中には産後鬱になる人も少なくないが、逆にアドレナリンが出て夢中で育児するパターンも有るんじゃないかな。それ位私は張り切っていた。
そんな私でも参ったよ。よく考えたら私はハラキリして退院し、1人で育児しているのだ。
私の予定では旦那も協力的で、夫婦でキャッキャしながら育児するつもりだったが、何故か旦那は何もしない。
買い物を頼んでも、頼んだものを買ってきてくれない。
紙に書いて渡しても買ってきてくれない。
繰り返すがハラキリ後だ。出産直後だ。
仕方なく私は、急遽NPO法人の子育てサポートさんに2週間だけ家事をお願いした。
その2週間を経過してからは完全ワンオペとなった。
手の掛からない赤ちゃんならまだ頑張れるのかもしれないが、息子は稀に見るほど手の掛かる赤ちゃんだ。
何しろずーっと泣いていて、その声は馬鹿デカく、神経がヒリヒリする不快なトーンだった。
普段穏やかな人も、息子の声を聞くとイライラが隠せなくなるほどだ。
ガンジーでも助走つけて・・・みたいなレベルだな。
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