旦那との出会い
私と旦那は、演劇活動を通じて知り合った。
演劇に関わっている人は個性的な人が多いけれど、その中でも旦那は特に変わっていた。
なんというか、
表情が無い、話し方に抑揚が無い、感情がこもっていないと言うか、掴み所がない。
旦那は戯曲を書いていたが、そのストーリーは全く理解出来ない。複雑怪奇な難解ストーリー。
周囲には「分からなくていいんだ」と言う人が多かったので、私も「そうなんだ」と思って演じていた。
今、思えば、アホだ。
変わった人を「すごい」と称賛する傾向のある世界で、旦那は確かに「すごい人」だった。
その「すごい人」から、ちょっと言い寄られたりして、私は完全に舞い上がった。
丁度、旦那は1人暮らしたった。
その頃私の実家は両親が離婚したあと、父親の愛人が家で暮らし始めたりして居場所を失っていた。
当然転がり込むわな。1人暮らしの旦那のところへ。
旦那もすんなり受け入れて、出会ってアッという間に同棲開始。
しかし旦那は、普通の会社に勤める正社員なのに生活リズムが整っておらず、よく遅刻や欠勤をしていた。
そんな旦那を応援する気持ちで、私は毎朝旦那を起こし、靴下を履かせてやり(ここ、私のアホなポイント)、会社に行くよう優し~く促した。
しかし応援していると成果が出るもので、旦那は正社員の仕事は辞めたものの、バイトで別の会社で就職し毎日しっかり通勤出来るようになった。
私もバイトの身の上だったし、若さもあり、正社員になることにこだわりはなかった。
暮らしていけるお金さえ稼げば大丈夫かな、と思っていた。
私達は同棲2年を経て結婚し、
結婚後に、旦那も私も正社員として就職し、毎日よく働いた。
旦那は仕事で会社に泊まり込むことも有ったし、
私も朝6:30に家を出て、夜10時頃に帰宅することザラだった。
本当に夫婦2人、よく働いた。
夢中になって働いて働いて、何も考えてなかったが、ある時ふと「子どもが欲しいな」と思いたった。私の祖父母が弱ってきたのを目の当たりにし、急に自分の命を継ぐものを求める気持ちになったのだと思う。
もちろん子どもが出来ても仕事は続けるつもりだった。
感情を表に出さず穏やかな旦那は、きっと育児にも協力的で、子どもに対しても優しいはずだと思ったし、周りからも「いいパパになりそう~」と言われていた。
ところが出産してから私の地獄が始まった。
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