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「ALMA」について

とっても久しぶりのnoteです。前回の投稿はちょうど一年前の12/28。
NFT紅白2022白組代表作品「L'Heure Bleue」についてでした。
今回はNFT紅白2023、紅組作品「ALMA」についてつらつらと。

突然ですが私は赤色を使うのが比較的苦手の部類に入ります。
色の重ね方や表現の仕方、思った通りの赤を出すまで非常に時間が掛かるので、普段あまり赤色をメインに使う作品は作っていません。
でも折角の機会なのでチャレンジしてみようと、改めて赤色に向き合ってみました。

赤のイメージといえば、情熱・愛あたりがパッと浮かびました。
でも自分の中に引っ掛かるものが思い浮かばず。
次いで思い浮かんだのが、ヒーロー(正義)の赤、そして対となる悪の赤です。
赤って正義の色にも悪の色にも使われる。色の側面自体の面白さもありますが、やはり正義と悪は表裏一体だなあと思うとなんとなく描きたいテーマが浮かびました。
そこで最初に描いたのがこちらです。

個人的には「正義」ですが見る人が見れば「悪」かなとか

ただこちらは趣味が全開すぎるので没。
またどこかで手直しして趣味絵として完成させられたらいいな。

更に更に自分の中の赤のイメージを掘り下げます。
思い浮かんだのは、秋の紅葉。鮮やかな赤。
赤って記憶の中ではとっても鮮明だなあと思いました。
この鮮明さは何だろう。ああ、強烈な記憶かな。記憶って命そのものだな。生きているといろんなものに触れる。触れて、記憶して、忘れて。人の命って記憶と密接なんだなー…などと考えながら筆を動かし始めました。

初期ラフ。安直すぎるので構図考え直し…
全体像より寄った方が描きたいものを表現できそうだなと

下の構図がピンと来たので、こちらに決定。
椿やリボンなどのアイテム、そして髑髏(しゃれこうべ)を描いて。この辺は後ほど。

「ALMA」

ALMAとはスペイン語で「魂」。
最初のラフを描き出したときは「記憶」がテーマでしたが、次のラフを描いたときに「命」の方をテーマに置きたいと考えました。
命における赤…命を燃やすとか…生命の炎…そもそも、人って皮膚と骨を除いたらほぼ赤色でできてないか…?血液や内臓(赤黒だったりピンクだったりするけど)、人を形成するもので赤って大切なんだな…。
それなら生と死を描くのはどうだろう。鮮明な赤、くすんだ髑髏。
赤いリボンはまるで血のように。赤い椿は懸命に咲く命のように。
それらが散っていくような、生と死を描く…そんな作品にしよう。

体から赤が消えるときはいつか?思い浮かんだのは火葬でした。
火葬場の煙突から昇って空に消えていく煙を思い描き、髪・リボンを天に向かって描きました。
そしてdescriptionは下記となります。

解き放たれた赤、魂よ。
命を縛るものなど、もうなにもない。
歌え、歌え、祝福の歌を。
叫べ、叫べ、祈りの言葉を。
これが私だったのだ。

人の魂の重さは21.3gと言われています。
人が亡くなった時に肉体から減少する重さだと言いますが、私は火葬場の煙突から昇っていく煙にようやくその魂が乗せられていくのだと考えていました。(※火葬の考えです)
肉体から赤が燃え、魂が解放されていく。そんな瞬間を描けたかな、と。

さて、作品に描いた髑髏。解釈はお任せしたいと思います。
女性の大切な誰かなのか、全く関係のない誰かなのか、はたまた女性自身なのか…。
少し拘ったところといえば、髑髏を掲げる女性の手に添えられた骨。己の頬に手を添える髑髏のようにも描きました。

全体のモチーフとしてはそんなイメージです。

余談①

2023年は6月頃から家のことでちょっとゴタゴタしてなかなか自分の心を描く作品を描く時間がありませんでした。
そんな中、家族の中から何度も出てきたのが数年前に亡くなった祖父の話でした。
豪傑で家系の人間に多大な影響を与えた祖父。祖母を愛し、祖母が亡くなったすぐ後を追うように亡くなりました。
火葬で昇る煙を見ながら、先述した魂のことを考えていました。
人が亡くなるのは悲しい。でもどうか安らかに。その気持ちをフと思い出したのです。

余談②

今回も線画自体はしっかり描き上げてるんですが、溶けるような色合いを出したくて最終的に少し線画を弱めています。
この線画も最初はもう少し描き込み少なかったですが(色に頼ろうとしてた)、自分らしくない、やっぱりちゃんと描くところは描こうと思ったので、納得の仕上がりです。

最終線画

余談③

作品の仕上がりが紅白期間ギリギリになってしまったので、list日は本当に悩みました…。
が、昨年の告知画像を見て決めました。

NFT紅白2022
NFT紅白2023

同日同時間listです。
勇気をもらいました🔥🔥

また、上記2枚…対になるような意識をしています。構図も何もかも違うけど、なんとなく。そう感じて頂けたら…なんて。
あとリボン(紐)。昨年も今年もリボン(紐)にはそれぞれの意味を込めています。もちろん彩りが良く躍動感を生み出せるという意味でも使いますが、ただ配置するだけ、というだけじゃ自分の中で納得できないので、巻きつけた位置なども拘っています。


そんな訳で本当に久しぶりのFND-793collectionの新作です。
6月に加筆修正を出したものと8月にオリジナルキャラ「くさめちゃん」を発表した以外では、完全に1年ぶりの新作となりました。
2024年はもっとたくさん自分と向き合えますように。
そんな願いも込めて。

12月29日の金曜日。21:00listです。どうぞよろしくお願いします!!!


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