「雲海の舟」坂口寛敏+柳井嗣雄 二人展 宇フォーラム美術館
国立にある宇フォーラムで開催中の「雲海の舟」坂口寛敏+柳井嗣雄二人展に行ってきた。お二人とは1989年から参加した「白州・夏・フェスティバル」の美術部門でご一緒した。坂口さんは、農場の車検切れのダットラ(日産だったかも)を小川を越えた森の中に引き入れ、土と苔を塗りたくられたトラックの上方には沢から引いたホースが螺旋状に吊利下げられ、ぽたりぽたりと水が滴るように穴が開けられている。苔むして朽ち果てるまで設置し続けると話していた。柳井さんのものは一見石ころのような、あるいは大きい鬼灯のようなファイバーワークの立体物がいくつも林の中の地面から生えでたように並ぶ作品。風雨にさらされながら設置し続けやがて土に還っていくというもの。二人とも共通することは、どちらも身体性と密接に関わるドローイングの延長としての作品が、あるときは平面に、ある時は立体に、フィールドワークやパフォーマンス等々に展開されていく幅の広い作家だということ。
今回の展覧会タイトルは「雲海の舟」。展示の打ち合わせの折、柳井さんが舟と言う言葉を出し坂口さんは雲海という言葉でつないだと言う。「壁」は垂直に起立し「雲海」は水平に広がる垂直と水平が交わる場。少しゆっくりとこの場所に佇んでいれば、倍音が聞こえてくる、そんな展覧会だった。
・● 3月7日(木)~24日(日) 「雲海の舟」坂口寛敏+柳井嗣雄 二人展
13:00~18: 00 月火水曜日休館
・イベント
3/9(土) 17:00~ 対談: 坂口寛敏+柳井嗣夫
3/16(土) 18:00~ 徳田ガン(舞踏)
3/23(土) 18:00~小林嵯峨(舞踏)
https://u-forum-museum.com/custom19.html
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