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今注目されているデルタ変異株。弱毒説と強毒説があります。少なくとも7月までは弱毒説が主流でした。

英国でデルタ株が話題になりだした6/15、下記の記事が配信されました。
この記事によると、デルタ株は「風邪の重い症状」とされ、アルファ株の症状、 長く続くせき、発熱、嗅覚や味覚の異常は少ないとしています。6月時点では、デルタ株は弱毒性の変異株と認識されています。

私は、7/9に下の記事を書きました。この時期に英国ではデルタ株が95%を占めており、感染力が強いことから、新規感染者が急増し始めました。しかし、死亡者は全く増えず、毎日数人レベルに低下していました。
7月上旬では、デルタ株は弱毒性の変異株という結果が出ています。

英国は 7/19 にほとんどのコロナ規制を終了すると発表しました。この発表を行った 7/7 は、新規感染者が 31,985人/日 と急増していました。死亡者数は、33人でわずかに上昇傾向を見せていました。
この時点でも、デルタ株は弱毒性と判断できます。

Screenshot from 2021-09-06 22-03-27 (コピー)

Screenshot from 2021-09-06 22-03-42 (コピー)

英国保健省が定期的に発表している SARS-CoV-2 variants of concern and
variants under investigation in England Technical briefingという報告書があります。この報告書のTable4には、アルファ株とデルタ株に感染した人を50歳以下と50歳以上に分けて感染者数と、死亡者数が書かれています。

https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1005517/Technical_Briefing_19.pdf

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Tbale4は、7/19までの変異株の死亡率を示しています。
アルファ株の死亡率: <50 0.1% 50≧ 4.8% All 1.1%
デルタ株の死亡率:  <50 0.0% 50≧ 1.8% All 0.2%
このように、7月までデルタ株はアルファ株に比較して弱毒だったことが判ります。

補足情報として、日本のデルタ株に関する動画があります。0:28から3:00まで、変異株毎の病原性に言及した部分です。

この動画では、中等症患者を受け入れる病院の情報として、
 ▶武漢株は急速に悪化し重症化しやすい
 ▶イギリス(アルファ)株は風邪症状で肺炎まで
 ▶デルタ株は風症状で肺炎にならない
「変異するたびに弱毒化しているように見える」
との報告があります。

皆さんご存知、鹿先生も「デルタ株は弱毒性」だと明言されています。

ここまで見てきた7月までの全てのデータはデルタ株は弱毒性であることを示しています。

(次回記事について)
7月にはイギリスで、デルタ株が90%を超えてきました。同時にワクチン2回接種者が感染するブレークスルー感染の件数も増えてきました。
8月になると、デルタ株感染者に重症者、死亡者が増えてきました。
弱毒のはずのデルタ株で、なぜ重症者や死亡者が出るのか?
次回は、デルタ株で重症者が出る仮説について紹介します。