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2023冬

秋らしくなってきたころ、今年の冬は、編み物をしようとわくわくしていた。

編み物が得意な友人から、英文パターンの話を聞いて、それならできるかも!と教則本のようなものを購入。
まもなく、わたしの頭の中は、他のことでいっぱいになり、本を読む気も起こらなくなっていた。
いつものことだし、気が向けばそのうち突然始めるかもね、とか思たりして。

寒さでくしゃみが止まらなくなったころ、わたしは編み物をしていた。
編み物なのか?と疑問はあるが、かぎ針と毛糸を使っているので、ほぼ編み物で確定。

毎年冬になると、靴下の中にウールの5本指ソックスを履く。ウールなので、よく歩けばすぐに穴が空く。
いつもはそのままにして、冬が終わるころには大破する。

少し前、インスタがオススメしてきた中に、セーターの補修方法があった。これは使えそうかもと、すぐに消えそうな記憶に教え込んだ。

記憶を頼りに、細いウールの糸とレース用のかぎ針ととじ針を使って、小さな穴を埋めていく。見た目は良くないけど、しっかりと穴はふさがり、履き心地も違和感ない。
これはいい。

日に日に穴は増え、補修したところも再び擦り切れる、いたちごっこ。けど、一度始めたからには、冬が終わるまで、大破させるわけにはいかない、という使命感というか意地というか、とにかくやめられない。

ここまで来ると、出来るだけ歩きたくないとか、相性の悪い靴はどれかとか、角質が分厚くなっていると負荷がかかるとか、破れないための作戦まで練り始める。

毎回、穴の大きさも形も違うので、うまくいったり、いかなっかったり、いつの間にか夢中になっている。大きな作品を作るよりも、こういう細々としたことに夢中になるのは、昔から変わらない。
近ごろの悩みである、「適性とは?」の答えになるような、ならないような。
とても狭き門のような気はするけど、突拍子もないところへ飛んで行くよりも、もっと身近なところに答えはあるかもしれない。

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