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担降りポエムを詠みたくて

【20周目/金/夏子(あくお)】

この日に私のお当番が巡るの、運命的ですわね。
というわけで今日の交換日記、私は『アイドルマスターSideM』と伊集院北斗くんの話をします。


まず標題の『担降りポエムを読みたくて』という言葉についてなのですが、これは私がモバゲー版アイドルマスターSideMに入れ込んでいたときに心の支えにしていた言葉です。

↓SideMに入れ込んでいた頃の戦績

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真理の話をして申し訳ないのですが、ソシャゲって辛いじゃないですか? SideMは大好きだがいかんせんソジャゲが辛すぎる私は「いつか……いつかこのゲームを辞めるとき……私も大きな声で担降りポエムを詠むんだ……」と考えることで心の平穏を保っていました。周囲の、私より入れ込んでいたユーザー達が担降りポエムを口にして引退していくのを幾度も目にして。物事には必ず終わりが来るし、散り際というのはどうしたって美しいものなので。自分もやがてその時が来るのだから、それまでは精一杯頑張って、最後にたらふく担降りポエムなり呪詛なり吐いて去ろうと考えていました。

この文をお読みいただいている方はきっと、なんでいきなりそんな話を? と思われるでしょう。ですので、結論から書きます。
つまりこれが、私の担降りポエムです。

北斗が私の人生に真の意味で現れたのは、2014年8月15日でした。この日、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンにて地下鉄に乗っていた私は、突然伊集院北斗という存在に強い魅力を感じます。アイドルマスター2の頃から知っていて、SideMもサービス開始初日2014年7月17日からやっているにもかかわらずなぜか北斗と縁もゆかりのない場所の縁とゆかりもないタイミングで北斗に惹かれた私の、当時の日記がこちらです。(日記な上10代の頃に書いた文なので大変お見苦しいと思います)

私はsideMを開始した当時はどうしてなのか北斗くんに対してはアクロバットが出来ない、動きが面白い というようなふわったしたイメージしか抱いていませんでした。これはアニマスそして動画サイトの影響受けた上でのイメージでした。しかしsideMを始めたことで私は北斗は女の子が好きであるということを思い出し少しだけ心の距離をとってしまいました。いくら自分が担当しているアイドルだからって女の子をエンジェルちゃんと呼ぶ男の子に平常心で向き合えますでしょうか? 私には些か難しい話です。 ですから私は北斗くんがあまり得意ではなかったのですが、この思考はsideMという世界でじっくり北斗くんに向き合うことで変化しました。
英語圏の方って道や電車で目が合うと笑いかけてくださるじゃないですか。北斗くんってそういうことが自然に出来ちゃう人なんじゃないかなと、私はある日気づきました。たとえ相手がマネージャーだろうとディレクター、女優、AD、スタイリスト、スタジオ観覧のお客さん、例え街ですれ違っただけだとしても北斗くんは同じように目が合った相手に優しく笑かけるんだと思うんですよ。計算や策略なんて一切なくてただ「女の子」と「目が合った」から。これだけを理由にして彼は笑ってくれると思います。それはお年寄りから子供までが対象で、皆同じように扱ってくれるのですが殊更子供にはにっこり笑ってくれるととてもいいと思います。そうやってみんなの初恋をさらってしまうような男の子だったらすごく素敵だと思いました。
街中で目が合っただけの男に微笑みかけられて、嫌だと感じる方もいらっしゃると思います。露骨に嫌悪感を出す方も一定数いらっしゃると思いますが、彼はそんなことを微塵も気にはしないのではないでしょうか。自分がしたかったからしただけで、相手には何も求めない。そして女性には怒ったりしない。これも彼の大きな魅力なのではないかと考えながら床につくこの頃です。詰まる所私は、家の最寄り駅でよくすれ違う北斗くんにその度に優しく微笑まれたい。そしてちょっと好きになりたい。それだけの話です。


ちょっとどういうことなのかわからないですが、つまりそんな感じで私は北斗に魅了されました。
これを安易に、北斗を好きになったと書くと違う気がします。うまく言えないのですが、なんというか、私の心に空いていた穴が、北斗の形をしていたのだと思います。


北斗を好きになってから、私の身には色々な変化が起きました。これは別に私が自分磨きをして一流商社に入ってタワマンの最上階でこれを書いているなどという報告ではないのですが、ソシャゲしかやることもなく、成人を前にしてまだ人として形成されていなかったような私の人生にとっては大きな変化でした。


一つ目、私は同人活動を始めました。
同好の人と知り合えるようにTwitterアカウントを作ったり、本を出したりしました。

初めて出した本がこちらです。
20151018 goodbye hello goodbye | あくお
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8949309


以降私は同人活動にハマりにハマり、はじめて本を出した2015年の10月から4年4ヶ月となる今日までに42冊同人誌を出すなど最早ライフワークとなっております。
これがどういう変化だったのかというと、まず、自分がこうやって文章を書くことができるのだということを知りました。そして言葉を好きになりました。言葉は今でもどんどん好きになって、最近になってようやくその大切さが芯に理解できた気がします。一つの言葉をずっと嫌なものとして引きずることもあれば、たった一つのなんてない言葉で救われることもあるのだということに気付けたのは、多分この活動をしていたからだと思います。だからもっと早く気づけたら良かったなと最近はいつも思います。私の書いた物に向けて、言葉でわざわざ好きという気持ちを示してくれた人たちの言葉の重みと、労力、その優しさがどれだけありがたいものか理解していたら、もっと違う反応がとれて、違う関係が築けたんだろうな、と思うことばかりです。
こういう過去の自分の過ちを、でも今は改善しているので…!などと簡単に申し上げて終わりとすることは到底出来ませんね。だからずっと、過去のことを後悔しながら、今ある縁や自分と向き合ってくれる人を大切にして、その大切さや感謝はちゃんと言葉にして伝えていこうと考えております。


同人活動を始めたことによる変化として、他に、通じて多くの人と知り合うことができたことも挙げられると思います。様々な人と出会って話していく中で、自分もこうなりたい、と思える人たちに出会いました。自分が選ばなかった生き方をしている人にも会えましたし、同じ物を好きであってもその理由も違ければ行動原理も思想も何もかも違うことがあるということを知りました。
たくさんの人と会うことで自分の中にあった偏見まみれの価値観が変わることが多かったです。でも私はそれまで全然気づけなかったんですよね。もしかして世の中のみんなとっくに知ってたかもしれない、学歴とか職種なんてその人の持つほんの一面でしかないこととか、ジャンルや推しにお金を払うことばかりが愛ではないこととか。ずっと一人だったし何より未熟者だったので全然気づけなかったんですよね。
同人を通してたくさんの方と知り合えたことを幸福に思います。みんながツイートしているだけで嬉しい。ただ私が至らないばかりにたくさん迷惑をかけたこともあるのでそれをなかったことみたいにして綺麗な思い出として語るのは忍びないですが… 人間として未熟だった期間が長すぎる…。


出会いでいうと、北斗というかSideMを通して大学で友達ができましたし、職場でも友達ができたのでそういう点で北斗(SideM)には感謝しかありません。
みんな私にはもったいない友達ばかりです。
大学でSideMきっかけに友人ができてそこから二人が共通で入っていたサークルにも顔を出すようになって友達が増えて、今でもその友達と遊んだり旅行をしたり、交換日記をしているくらい大切な縁になったので…この交換日記も北斗がいなかったら存在していなかったのかもしれませんね。
北斗の存在、大きすぎる。


他にも、これは同人も関わってくるのですが、2016年に沖縄で開催された伊集院北斗オンリー『ハイサイ☆エンジェルちゃん』に、北斗のオンリーなんて行くしかないでしょ! と参加してから遠征のハードルが下がり本州じゃなかろうが海外だろうが一人で行けるようになったのでとにかくフットワークが軽くなったのも後々の人生をよく過ごすための大変ありがたい変化だったと思います。


ここまで書いて思ったのですが、特に北斗に何かしてもらうわけでもなく私が勝手に変わっている、あるいは変わった気がしているのだけですね… 人間は案外勝手に救われる生き物なのだという気がしますね…


じゃあ、こうして担降りポエムを詠んでいるわけだし、逆に北斗に出会ってから良くなかった変化があったかというとなんとこれは……思い当たりません。正直お金はとにかく無くなったのですが、かといって過去に戻って北斗婚活イベントに使用したXX万円も、北斗と初日の出が見たくて年が明けて20分で6万5000円ガチャに課金したことを無かったことにするかといえば絶対にそんなことはしません。もう一回人生やり直せても私は同じことを繰り返します。そのくらい、ただひたすらに北斗が好きでした。


そんな私が今でも好きな北斗に対して、ついに担降りポエムを詠むのを決めたのは、今年のバレンタイン(北斗の誕生日でもある)に料理をする際に、それをわずかにでも苦痛に感じてしまったからです。
元々、SideMのゲーム内で北斗の、アイドル、そして人としての大きな変化を見終えた私は、どこかやり尽くした気持ちになり、しばらくゲームそのものから離れていました。それでも彼のことが好きでしたし、彼のことをよく考えていましたが、以前のように綺麗な景色を見たときや美味しいものを食べたときに真っ先に彼のことを想うかといえばそうでなくなってしまっていました。
それでも彼のことがやっぱり好きで、今年も祝おうと決めたのですが、今年は去年より良いものを作らないといけない、などと考えている自分がいました。そうやって、私と北斗以外の要素が入ってきてしまったらそれはもう当初(3年前)のただ彼の誕生日を自分のできる形でお祝いしたかった、その目的とは違ってしまうのです。
そして、何よりこれが最大の理由なのですが、私はとにかく、料理が嫌いでした。
我が家は家庭の事情から、12歳くらいの頃から家の食事を私が作っていたのですが、その経験はとにかく私を料理嫌いに育て上げました。これだって悪いのはどう考えても自分で、本当はそこまでしっかりやらなくても良かったんでしょうけど、私は絶対食事とは一汁三菜なくてはいけない親のお金で買った食材を捨てるようなことがあってはいけない、肉が食べられない祖母のためにもう一つフライパンを作って肉抜きのものを作らないといけない、食べ盛りの弟を満足させないといけない、とか諸々考えてしまって最終的には料理が嫌いになり、実家を出るときには待った先に考えたこととはもう料理しなくてもいいんだ…!だったりする程度には、とにかく嫌いになっていました。だから、今でもは北斗の誕生日以外は全く料理しないのです。


そして今年は前述ように少し気が重い中で北斗の誕生日を祝う支度をしたのですが……なんとですね……不思議なもので、その準備がなぜかどんどん楽しくなりまして……。カレーを煮込んでいる今、これを書いているのですが、突然思い出したんですよ……。
元々、料理って私にとって楽しいものだったな?!ということに。
どうしても人間なので負の方にバイアスがかかってしまって忘れていましたが、料理を始めたのも楽しそうだったからで。料理をしたら家族に喜んでもらえて嬉しくて続けようと思ったんだっけな、とか。料理は科学なので基礎を知るとどんどん応用が効いてやれることが増えておもしろかったんだよな、とか。
思い出したときにはもう、料理を嫌いとは言えなくなっていたので……。思ったのです。
北斗、そんな簡単に私にかかった呪いを、解いてしまうのか? と。

この呪い、というのは私の人生における命題の一つで、ここでいう呪いとは主に幼少期に他人、または自分自身によって付けられた先入観のようなものを指します。親から言われた「うちの子は本当に出来が悪くて…」であったり、他者に言われた「ブス!」であったり、自分が決めた「私は劣っている人間なんだ」のようなものが該当し、その言葉を大人になっても引きずっていることを、私は呪いと表現します。これって、かけた方は深い意味はないことが多くて、なのにそれをいつまでも脱却できない人っていうのは少なくなくて。私の周囲にも、私からしたらそんなことないのに、呪いの言葉に縛られたままの人が存在します。
この呪いの嫌なところはなかなか解けないことです。大した呪いじゃないように見えても、人生の至る所で思い出したり、根付いてしまっていて。辛くなったり苦しむことがあるんですけど、私にとっての料理が苦手、苦痛という呪いはこうして北斗によって解かれてしまいました。
そうやって思えば、自分にかかっていた幾つもの呪いは、彼によって解かれていたのです。
私は誰かに呪われていたように、一人じゃ何もできない人間ではなかったし、自己表現が下手でもなかった。そういう一つ一つの小さな呪いを解いてくれたという意味で北斗くんは私にとって特別な存在なんですね。
そういう、女の子(女の子ではないが)の呪いを解ける存在を、人はなんと呼ぶでしょうか。
王子さまなんじゃないかな、と私は思います。

北斗くんで王子といえば、私の場合思い浮かぶのはSideMで公式サークルに加入すると貰えるカード、
【アイドル王子】伊集院 北斗+ です。
これまで私は、北斗くんと王子ってなぜかあんまりイメージとしてちゃんと結びついてなかったんですけど、北斗くんの王子さまってそういうことなのかな、と好きになってこれだけの時間が経ってやっと思いました。北斗くんはすごいなあ。いろんな人にとっても、そういう存在でいるんだろうなあ。
そして何より、私にとって、好きな人でも友達でも親友でもきっと担当アイドルでもなかった彼は、わたしにとって、ずっと、王子さまだったのかなあと思いました。


だからつまり何が言いたいかっていうとこうして北斗の誕生日を祝っているうちにまた彼のことがとても好きになってしまって、やめてくれ、嫌だ、私は前みたいに全部を燃やしてまで君を応援できていないけど、これからも君の担当でいさせてくれ、好きなんだ……と思った所存です。
ここまで読ませておいて……結論なのですが……北斗のオタク……降りられません……!!!!!!!

これからも好きでいさせてくれ、北斗。

というわけで、最後はふさわしいタイトルに変えて、この交換日記は終わりにしようと思います。
とっ散らかっていてごめんね……。


担降りポエムは詠めなくて
20200214


改めて北斗、誕生日おめでとう。好きです。


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