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長崎ばってん、江戸べらぼう

こんにちは!今日は大晦日です。2020年は皆さんにとってどのような1年だったでしょうか?おそらく、殆どの人にとって最悪と言っても過言ではないような1年だったと思います…例にもれず、私も最悪の1年でした…😢

ただ、私にとって今年は人生初の県外での生活!しかも大学という特性から今住んでいる福岡の人だけならず、日本中の人と接する機会が大きく増えました。住み始めておよそ3ヶ月。短いながらも私個人が長崎の人以外の人と関わって1番気になったのが

言葉の違い

これは県外に出た人ならおそらく誰しもが感じたことではないでしょうか? 意外に思われるかもしれませんが、実は福岡と長崎でも結構違います。そして、特に地方の若い人なんかは自分の方言にコンプレックスを感じている人も多いと思います。

ただ、方言というのは良き日本の文化。なので、今回は標準語と方言、そして方言の中でも長崎弁にフォーカスを当てて色々紹介していこうと思います。


1. 標準語と方言

まず、結論から言うと、おそらく日常会話で標準語を使っている人は日本中探してもどこにもいません。というか、使っている人がいたら違和感しか無いと思います。ここで「じゃあ東京の人とかが話している言葉、あれは何?」と思った方も多いと思いますが、実はあれも方言です。多分ピンときていない人も多いと思うので、例を紹介したいと思います。


標準語                東京(首都圏)方言
〜らない(ex. わからない)   →  〜んない(わかんない)
〜じゃないか        →  〜じゃん
片付ける          →  かたす
〜ない(ex. わからない)    →  〜ねー(わからねー)
塩辛い         →  しょっぱい


どうでしょう。他にも雰囲気を「ふいんき」、原因を「げーいん」と読むのも首都圏の方言が発祥という説もあります。これを見たらお気づきかと思いますが日本において訛ってないと言えるのはニュースキャスターか政治家くらいなものです。ましてや一般人が一般人に対して訛っていると馬鹿にするのは非常にナンセンスなことではないでしょうか?

では、なぜ東京方言は訛ってないと思われるのでしょうか?答えはシンプルに「テレビやラジオで皆が聞き慣れているから」です。言ってしまえばニュースを除くテレビやラジオは方言丸出しで話しているのです。それを私達は「ああ、これが標準語か…」と勝手に勘違いしているのです。これは関西弁でも同じようなことが起きています。関西弁も私達はテレビでよく耳にします。なので実際、関西弁を「なまってる」と馬鹿にする人はほぼいません。

つまり、自分の母方言を馬鹿にされないようにするためには、「みんなに聞いてもらって慣れてもらう」しかないのです。しかし、実際は…

方言をバカにされる方言を使わない全国に浸透しない
さらにバカにされる


という使わなければ使わない程、さらに自分の母方言が「訛った方言」になってしまうというパラドックスのような状態になっています。なのでもし馬鹿にされたくないのなら逆に方言を使って全国の人達に知ってもらうしかないのです!


2. 長崎弁

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ここまでは標準語と方言について話してきましたが、ここからは方言の自慢できるところを紹介していこうと思います。ただ、方言はそれぞれ違う良さがあり、全部は把握できていないというのと私は生粋の長崎っ子なので今回は長崎弁の自慢できるところを紹介していきます!そして長崎弁と言っても諫早、佐世保、五島など様々あるのですが、今回は私の母方言でもある、旧天領エリア(長崎市中心部、浦上地区)の方言を紹介していきます。


長崎弁は今でこそ、博多弁の派生版みたいな扱いを受けていますが、題名にも「長崎ばってん、江戸べらぼう」とあるように江戸時代では江戸言葉と並んで代表的なお国言葉でした。そして、長崎弁の最大の特徴といえば、外来語(特にポルトガル・スペイン語)由来の言葉の多さです!長崎はしばらく教会領だったこともあり外来語が盛んに取り入れられました。例えば…

標準語     外国語       長崎弁
石鹸  →     jabón(🇪🇸)   →   しゃぼん
長椅子 →     banco(🇵🇹)  →    ばんこ
硝子   →  vidro(🇵🇹)   →  びーどろ
カボチャ →     abóbora(🇵🇹)  → ぼーふら


ここで紹介したのはほんの一部です!さらに中国語やオランダ語由来のものがあったり、前回紹介した「長崎発祥」と関連して、まず長崎弁として外来語が使われ、それが全国に広まった結果、そのまま標準語になった言葉もたくさんあります。


また、これらとは少し違いますが、長崎弁で西洋人のことを「オランダさん」と呼びますが「西洋人」という意味を指す単語が方言で存在するのも国際貿易港の長崎ならではです。

他にも、シーボルトがお滝さん宛に書いた手紙が長崎訛りの日本語だったり、アメリカ人のマクドナルドという人が作った初の和英辞典の日本語が長崎弁だったりと、当時の外国人にとっては日本語=長崎弁だったのです。


このように長崎弁は地方のダサい方言として片付けるにはもったいない、日本語だけでなく和華蘭西葡と5つもの言語が取り入れられたり、日本語を代表した方言だったりと他と比べても圧倒的に規模がでかいグローバルな方言なのです!


3. おわりに

今回は方言について紹介しました。私個人としては、方言というものがダサいものという位置づけではなく、世界の言語が違うというくらいの当たり前のものになればいいなと思っています。

そして、言語を学ぶことがその国の文化を学ぶことに繋がるように、方言からその地方の魅力を知ってもらうというのもアリじゃないかと思っています。実際、長崎の方言を紹介しましたが、長崎弁は国際貿易港としての長崎の魅力的な歴史を大いに反映しています。

確かに方言を馬鹿にするという風潮は昔に比べてかなり減ったとはいえ、まだまだ根強いので堂々と使うのは気が引けるという方もいるかもしれません。実際私も福岡の人からバカにされました。(表では「よく言われる笑」と、笑って流しましたが、心の中では「いや、ポルトガル語とかある時点でこっちのほうが断然カッコよくね?とか思ってました…笑)しかし、使わなければ浸透しないし、最悪の場合、無くなるということもあるかもしれません。

なので、地元の魅力を伝えるという意味でも、方言を守るという意味でも皆さん、自信を持ってどんどん方言を使っていきましょう!!



長い文章でしたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。私は今から年越し蕎麦でも買いに行こうと思います。 それでは、良いお年を!!!👋


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