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拝啓、TSUTAYAさん

サブスクサービスの普及により実店舗型レンタルショップ需要減の影響で、足繁く通っていた地元のTSUTAYAもついに閉店するらしい
母にこの連絡を受けてから、なんかずっと寂しい

地元に居た頃から超絶インドアの引きこもりだった私にとって、唯一思い入れのある場所だからかもしれない
地元の中で唯一 自分の娯楽のために通えるお店だったので、TSUTAYAの会員証更新を免許更新と同じくらい大切にしていた
TSUTAYAで見たいもの、聴きたいものを大量に借りて、返却期限を気にしながら家で作品を楽しむ
あのルーティンを愛していた

地元を出てから帰省しても、行きたい場所といえばTSUTAYAだった
一生かけても摂取しきれないほどのエンタメを抱えた店が地元にもちゃんとある
サブカルが高じていろいろ拗らせた私に刺さる作品も当たり前のように置いてある
そういう安心をプレゼントしてくれたお店でもあった

作品の探し方が下手すぎて同じコーナーを何周もした日
幼い頃うっかり18禁コーナーに迷い込んで「?」という顔で突っ立っていたあの頃
ホラー映画コーナーが怖すぎて俯きながら早歩きで通り過ぎた日
旧作アルバムレンタル10枚で1000円というヤバすぎる値段に浮かれ母と「何借りる?」と相談した日
学校終わりの放課後、返却日が迫った映画を急いで鑑賞して制服のまま返しにいった日

全てしっかりと覚えている

そんな愛すべき地元のTSUTAYAが無くなった跡地は、なんと釣具屋に生まれ変わるらしい
なんでだよ。
マジで。
どういう世代交代なんだよ
田舎ってこういうことが頻繁にあるから怖いよ

でも私がおばあちゃんになった時
TSUTAYAの面影がなくなった釣具屋(その時にはもう別の店だろう)を指さして、
「むかし、ここはTSUTAYAだったんだよ。」
って言えるな
しかも孫がいたら
「つたやってなに?植物園?」
みたいなやり取りができる可能性も出てきたな
釣具屋のことは許そうと思う

見出し画像は地元TSUTAYAでしか見かけなかったひよこガチャの景品です

このキーホルダーと、まだ手元にある青と黄色のツートンカラーの会員証

一生大切にするから
いつでも戻ってこいよ

敬具

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