観劇記録:演劇ユニットcoicoi『匚(はこ)』

noteお久しぶりです。鰀目冬流(なつめとおる)です。

今日(もう昨日)観に行った公演の感想をツイートしようと思ったら、サクっと呟くのが憚られる、もはや呟きではないボリュームになってきたので、こちらにまとめました。
今後、再演があるのかわかりませんが、ネタバレにも若干の配慮ということで。。






演劇ユニットcoicoi『匚(はこ)』
3作品のオムニバス公演。6/19(日)10:30回を観てきました。

各作品ともホラー要素が強かったのですが、方向性としては下記の通り全部ベクトルが違っていて
 『九相八卦』 →妖怪・物の怪
 『囮』→霊障
 『Neoplasm』→生物的脅威

いずれも、日本製ホラー特有の
「じわじわ来る」「救いのない」怖さがしっかりとあり、
通しで観るのにちょっと体力が要るラインナップでした。

それぞれの感想!


1.劇団カタオモイ『九相八卦』
岡大演劇部出身の3人、素敵な役者たち。また揃って観れるのが嬉しく。
その期待に応えてくれる内容でした。

・無邪気ゆえに怖い(久永さん)
・無表情ゆえに怖い、が…(櫻井さん)
・不遇かつありのままにグロい(松尾さん)
各人の上記要素にプラス、「それぞれの願い」が同じ空間で展開するが…

「知らなかったじゃ済まされない」
「依存していて知らせない」
「とばっちりで普通に死ぬことさえ叶わない」
掛け合ってはいるのに、何一つ届かない・報われない様子がぞわぞわしました。

2.演劇ユニットcoicoi『囮』
書いた通り、まず荒井さんがゲスゲスしてて良かったです(結局"良"太郎やないかい)
怒鳴る声量がこわい(ホラーそこ?)

矢鳴さんと皆さんの全体野球でつくる
『ハマるとなんとも言えない感動と怖さが混じったものが届く』
空間的なそれを感じながら、世間知らずを騙す詐欺師の話が軽妙に進んで行くが…

そこまでの「世間知らずな人」から「すべてわかってた人」に変貌する織田さん。空気かわっちゃったやん。
あの瞬間、もうなんか最初からオセロの四隅とられてましたみたいな感覚になりました。

そしてこだまさん、とっても振り回され型主人公でした。
起きる事と人に巻き込まれて影響を受け続ける、という役割で、縁の下でまわしてる人。
この本の「周りすべてが異質であると気付かせる」ための、いないと成立しない役。
観客が共感する対象だから、これも主人公なんだよなぁ、など考えながら観ていました。
(この解釈はおそらく役者目線だと当たり前のことだよなとは思いつつ、改めて実感した出来事だったので文にしてみた次第)

しかし、森田さん(腹立つのに人間味がなくてこの人もまた怖かった)が知り合いにめっちゃ似てる…
(これは全く劇の内容と関係無!)

3.河合穂高『Neoplasm』
冒頭から検死のシーン。
遺体と臓器と異物を、まさかそんな方法で(寝袋と野菜と弁当箱…)わかりやすく現すのか!と、度"肝"を抜かれました(文字通り)

そんな衝撃からあれよあれよと30分間の三村真澄無双、三村さんオンステージ…とにかく圧倒的でした。
大まかに4つのシーンでしたが(検死、プレゼン、WEB会議、非験者への説明)、いずれも得心がいく表現力で、演技に"誠実さ"さえ感じました。
会話と動きから「景色」がみえる。いやー、すごいものをみた。
三村さんに執刀されたい(マテ

プレゼンパートの説明もすんなり入ってくるから、こういう「伝える」を心得ている人のセリフは、あまり頭で考えずに聞いても入ってくるんだよなぁと思ったので、参考にしたいなと。
(ちゃんと喋れているようでもすんなりとは伝わらない説明モノローグってあるもんなぁ…)
舞台関係なく仕事とか日常でも、伝わるって大事。

…と。
勢いでここまで書きましたが、チケット3,000円なので、1作品1,000円で楽しめて(感想もこんだけ書けて)しまった。よかったね俺。

こんな感じで、遡りながらも公演を観た感想とかしたためていけたらと実は前々から思っているので、ちょっとずつ執筆していきたい所存です。
今日はここまで!

#匚
#はこ
#演劇ユニットcoicoi
#河合穂高
#劇団カタオモイ

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