見出し画像

自由な自分

支援員を始めた当初は送迎サービスがなく、利用者さんは各自で公共機関や保護者の送迎やタクシーや自転車などで通所していました。
バスを利用しているグループがバス内で色々あるらしく仲裁に入る事も
だいたいはたわいのない事で
〇〇さんがバスの席を占領してるからほかの乗客が迷惑している
そんな○○さんと同じ仲間と思われたら嫌
△△くんが最近一緒にすわってくれない
□□さんが他の人と話をしたら怒る…などなど
そんなクレーム?をバスで通所しているグループはよく揉めていましたが毎朝賑やかに登所され、帰りもみんなの支度が揃ったら賑やかに帰宅されていました。
バスを待つ間は事業所の職員の噂や、コンビニで買い食いをしたり、バスの便を一本遅らせて女性用のジムに通って体力作りをする利用者さんもおられました。
そのうち事業所も送迎サービスを始めることになりバスを利用している利用者さん達の送迎が始まり
きっと車内は賑やかになるだろうな〜と思っていたけど、実際誰も話をせず静かに乗られていました。
バス代もいらなくなったし、天候の心配もせずよかったね!と一瞬思ったのですが
そのうち事業所内でも利用者さん同士の会話があまりなくなったし話題も広がらなくなったなと感じるようになりました。
事業所からバス停までの距離とバスを待つ時間は利用者さん達の唯一の自分をだせる自由時間だったのでは?
震えのある利用者さんが小さな橋を渡るときは皆で見守りをしたり、その子が震えで足が動かず橋を渡らない時は誰かが事業所へ職員を呼びに行き、残りのメンバーは見守りをしてくれたり
内緒でお付き合いしている2人は事業所の職員や親の目の届かない時間をデートのように楽しんでいたし…喧嘩をしたり噂話をしたりそんな時間を送迎サービスを利用する事で奪ってしまったのでは?
便利になるのも良し悪しだと思います。
児童の世界に行くと下校時間には放課後等デイサービスの送迎車が何台も並び、先生達が子供を振り分けて送迎車に詰め込む
心の中でドナドナという曲が流れるような感じでした。
この子たちは中高生になっても放課後に友達と語らったり部活をしたり、寄り道したりもできないのか?それっていい事なのかな?その時にしかできない体験もあるのでは?
送迎サービスがある事で利用できる事業所の選択も広がったと思うので否定はしないけど
今でもバスで通っていたグループが送迎車の中で黙って座っていた姿を思い出してしまい、便利になった福祉サービスが自由に自分でいれる時間を奪ってしまったのかな?と思うのです

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?