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20代女性の眼差し・学び時はいつ?

2月,学年末である。オバサン学生の私も後期試験がおわり,「ふっ」と一息つきながら,いや,つく間もなく,脇に避けて山積みになっていた仕事の片づけに着手した。やだな,仕事。

そんなところに春を知らせるメール1通。去年の春,「社会人の学び」をテーマに卒論を書きたいという学部4年生の女の子を某先生から紹介されて,卒論の相談にのった,というか,学食で長々と与太話をした。

その子が卒論を出して口述諮問も無事終わりました~っと,完成した卒論を送ってきてくれた。(ありがとう。おめでとう!)

読んでみると,仕事をしながら職場外で,留学準備や資格取得に向けて勉強し続けている20代女性10人のインタビューによる語りと,その分析があった。読んでると,なんか,ちょっと,せつなかった。

10人全員が(言葉や表現は違えども)同じことを言っている。「30代になると出産や育児で時間がなくなるだろうから,今のうちに学んでおかないと」という焦りの言葉の数々。

えぇ…? 30代は自己犠牲の時間なの?
同年代の男はそんなこと,思いもしないだろうにね。
でもね…と私の老婆心がつぶやく。

30代からの学びは楽しいよ。
「学校」というシステムじゃないから楽しい。

理由は,主に4つある。
(1) 人間て不思議と時間の制約があるほど集中する。
結果,時間当たりの充実感が上がる → モチベーションが上がる。
これのポジティブ・スパイラルを回せる。

(2) 最重要なのは絶対時間でなく予定管理上の裁量。
20代にはほとんど与えられないけれど,やがて,みるみる〈裁量〉=〈予定の予測可能性〉が上がる。自分がコントールするかどうかが大事。
尤も,子どもは急に熱を出すとか,予測不可能性を上げてくるから,こちらへの対応策は別途必要。ネットワーキングがものを言う。

(3) 何より自分だけのための集中時間はストレス解消に不可欠。
〈ケアする人〉は座っていても寝ていても,ことあらばすぐ立ち上がって応答できるように心身がスタンバイ状態。ここから解き放つ〈没入〉タイムを確保できないと持続不可能。

(4) 子どもが生まれると未知の人格と真正面から付き合うことになる。
それまで自分で積み上げてきた価値体系とか,バ~ンと見事に〈ちゃぶ台返し〉されちゃう。そのときこそ実は学習の好機なんじゃないのかな…。

とか思うよ,オバサンは。
優等生の女の子ほど,世間の言説に振り回されているかもしれない
けど,好きなことをのびのびとやるべき。
世の中も変わるべき。


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