#6 ゆるいつながりの復権

10月28日(火)

 ENJOYKYOTOの事務所は京都市内にあるとある5階建てビルの4階にあります。3階には映像の会社が、5階にはウェブの会社がそれぞれ入っていて、ご近所さんと言うことで仲良しで、夏なんかには屋上でビールを飲みながらお互い話をしたりもします。ところがそのビルは特殊な構造をしていて、エレベーターが4階には止まらないのです。 

 理由はよくわからないのですが、とにかくそうなっている。だからぼくら事務所の人間はもちろん、打ち合わせにやって来たお客さんや知り合いまで、みんないったん5階までエレベーターで上がって、そこからウェブ会社の人にちょっと気まずい感じで「どうも」と挨拶をしたあと、階段で4階に降りるという手筈になります。

 これもちろん不便なんですけど、わりとすぐに慣れてしまいます。以前インタビューのためにつじあやのさんが事務所に来られたときなどは、5階の会社の皆さん「あっ!」みたいな感じで驚いたりね。なんか友達の家に尋ねていったら家族の人に挨拶していくみたいな感じがね、けっこういいかもなあと思ったりしています。 

 そういえばこういう場所って、かつてはたくさんあったような気がします。女の子の家に電話をかけたら親が出るとか、もっとむかしは呼び出し電話なんてものもありましたよね。それから下宿なんて大家さんの家の上に田舎から出てきた赤の他人が住んでいるわけです。一家に一台テレビがなかった時代にはテレビを見るためにテレビのある家にお邪魔しちゃったり、いまだとそういうのってちょっと考えられません。 

 でも、じつは人というのはそういう寄りあいみたいなものを、本当は求めているんじゃないかなあと思うんです。いま若い人のあいだでシェアハウスとかシェアオフィスが浸透したり、SNSでゆるくつながっていたいという願望とかもそうですよね。そういう「ゆるいつながりの復権」みたいなものがあるんじゃないかと思っています。観光出来た街の人とゆるくつながって友だちになるっていうのも、そういうことなんじゃないかな。

 それではみなさん今日もお元気で。I hope you enjoy Kyoto!    

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