#11 リアリズムからすこし離れてみる

11月3日(祝)

30年ほど前にダウンタウンが出始めた頃、横山やすしさんが彼らの漫才を見て「チンピラの立ち話」と一喝したんです。やっさんはこういうスタイルが次代を制するとまではわからなかったけど少なくともダウンタウンの芸の本質を見抜いてひと言で表してるんです。そこはやっぱりすごいなと思うんですよ。ほぼ同じころに上岡龍太郎さんも「次の時代のテレビは素人が芸をするかプロが私生活を見せるかのどっちかでしょ」と見切っていました。

ネットが普及していまやプロも素人も境が無くなったいま、ダウンタウンの出現や上岡さんの言葉は、ほぼ預言めいた響きを感じます。ぼくがダウンタウンを始めて知ったのはもう紳助がやってたハイヤングKYOTOの代役で公開録音をいまはなくなった新京極ビブレで寛平さんとやってた時なんです。ああこれはすごいなあと思いました。彼らの素人芸は意識的なもので立派な芸だったから。徹底したリアリズムの追求でしたね。 

 でも、ぼくなんかはやすきよの漫才でも笑えるし、古典落語だって大好きです。プロによる一流の芸はどこかでリアリズムから離れてしまうところはあるにはあるんだけど、でもリアリズムばかりがいいというわけでもないと思っています。だからENJOY KYOTOのウェブサイトを本格的に動かしていくにあたって、どこかで素人投稿サイトみたいなものからは距離を置きたいなあ(これは批判ではなく時代的にいまはそっちが流行っているから)という気持ちがあります。プロがきちんと本物の芸を見せてくれる、そういう場であってほしいなあと思うんです。

 SNSとかUSTREAMとかYouTubeとかで素人が素人のまま出てくるリアリティもまあ悪くはないんだけど、案外これからは、たとえ素人参加型の企画であったとしても、プロの編集者の手がきちんと入っているかどうかが大事になってくる気がしています。    

それではみなさん今日もお元気で。I hope you enjoy Kyoto!

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