#10 而今

11月1日(土) 

 今日はENJOY KYOTO ISSUE 7が世に出る日です。つまりENJOY KYOTOも満1歳を迎えたということです。なんだかんだありましたが、結局はあっという間だったという気がします。はじめはなにもかもが試行錯誤なので、やっぱりいい意味でも悪い意味でも、濃密だった一年目と思います。でもじつは問題はここから始まるのだとぼくはある意味で覚悟を新たにしなきゃと思っています。 

 それはまあ、ある程度ENJOY KYOTOの編集作業というのはこうゆうものかと、ちょっとわかってきてからが本当の勝負だぜ、というのが経験則としてイヤというほど身に染みてわかっているからなんですね。たとえば普段通りの作業の中で気が緩んだり、手慣れというかまあこうゆうもんだろみたいな感覚で決めつけたり、ああこれは出来ないタイプのやつだと諦めが早くなったり、そういうことが出てくるのが2年目だったりするからです。

 街は生きているし、その生きている街で人は生きている。だからこそ、ぜんぶが新しいことだという気持ち、わかったつもりになれることなんてひとつもない、ということを忘れちゃいけないと思います。それは禅とかお茶を今号で取材してあらためて思ったことでもあるんです。「一期一会」とか「而今」とか、そういうことだなあと思うんですよ。 

 京都は古いものが残っている街だから、過去ばっかり振り返っているように外の人は思うかもしれないけど、むしろその時代の栄華を身近に感じられるからこそ、「現在」という一瞬を感じられるように思うんです。千年の街にとって、この一年なんてまさに一瞬のことですから、「而今」という考えがすごく身近に思えるんですよ。いまを真剣に生きなきゃなあと思えるんです。なんということのない今日だって、千年のその一部なのだから。

それではみなさん今日もお元気で。I hope you enjoy Kyoto!

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