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24.緊急時対応の準備

息子がマルファン症候群と診断されるまでの過程を振り返って5年前の記録をしているのですが、少し10歳現在の今の話をさせてください。

胸痛の訴え

9月15日の夕食後、強い胸痛を訴えて床にうずくまってしまった息子…15分以上継続したと思います。

その時は、呼吸苦も訴えなかったので、様子をみることにしたのですが、とても焦り、救急受診の段取りの必要性を痛感しました。
マルファン症候群でなくとも、痩せ型の若い男性は気胸になりやすいので、今後可能性は出てきます。日頃受診している小児科専門病院に相談してみることにしました。


新しい主治医の先生

10月13日は、3ヶ月毎の循環器内科受診日。今回は検査はないので、私だけがいつも飲んでいるニューロタンの処方箋をもらいに行きました。(ニューロタンはβ遮断薬という種類の降圧剤で、大動脈基部の拡張を防ぐと言われているのです。)

そういえば主治医の先生が替わるとのことでしたが、すっかり忘れていました。あらわれたのは若手の先生。初めてだからと、現状と今後の方針を説明してくださいました。
息子の初受診からは5年が経過。小児科にかかるのは15歳までが基本なので、こちらの小児科専門病院とのお付き合いもそろそろ折り返し地点まで来ていました。
このところ大きなイベントやアクシデントもなく、まあこんなものか…と淡々と検査や診察を受けていたので、改めて丁寧に向き合っていただいて、ハッとしました。

安心なこと
●中学生になったら、検査や受診の頻度も減らしていける
●同病の子もたくさん受診している
●5年の経過をみると、心臓は特別悪くはなっていない

備えること
●胸への当たりの強いスポーツは大動脈解離のリスクがある
●前の主治医の先生の方針で病気のことは学校には伝えていないけれど、中学生になったら伝えていく
●成人科への移行も視野に入れて、次の病院を考えていく

などなどお話されて、漠然と抱えていた先への不安が晴れてホッとしました。

今後10代で起こりうる症状は側弯の進行と気胸なのですが、気胸の時の対応についても地域の医療事情を踏まえて、具体的に相談に乗っていただきました。

気胸と見られる呼吸困難と胸痛がある時は、救急車。今かかっている小児科専門病院は距離があるので、近くの総合病院へ。循環器の先生がいる小児科のある病院に紹介状を書いてくださるので、1度受診しておくことになりました。

隣町の総合病院へ
後日届いた紹介状。隣町の総合病院に電話で予約を入れて、11/2、本日、受診してきました。指定されたのは、ちょうど私が仕事を休みやすい曜日だったので、ホッとしました。受診と仕事の両立は難しいのです。
やることはわかっているし、今は症状も悪いわけではないのですが、新しい病院にかかる不安と緊張で弱気になる自分にビックリしました。
子どもを学校に迎えに行き、運転する道もなんだかとても心細い…。そんな気持ちは、もちろん子どもには隠していますが、胸がキュンキュンして、ちょっと針でつつかれたら、そこから涙が溢れ出そうなくらいだなぁと、思いました。
この気持ち、なんなのでしょう…。痛い検査をするわけでもなく、本人も苦しがっていないのに…。
身長、体重、血圧、レントゲン、心電図、心エコーを撮り終えて診察に。大動脈基部は拡張しているものの、成長なりのものとのこと。10歳7ヶ月で159cm、40kg。すでに14歳の姉の背を追い越し、私もあと4cmで追いつかれそうです。
緊急時の受診について先生と確認して、診察を終えました。
とりあえず安堵です。
リスクに対しては現実的に向き合って、具体的に備えるだけ。あとはそれ以上の心配はしない。たったそれだけのシンプルなこと。
それでも5年経っても、向き合うのはなぜか怖くて足がすくみ、泣きそうな気持ちになります。
医療機関で働いているにも関わらず、このヘタレぶり…。患者さんはこれだけ不安を抱えて受診しているのだということを、忘れずに仕事をしていこうと心に誓いました。

ごほうびにお茶しようと誘ったのに、息子にはふられてしまいました。友達とオンラインゲームをしたいらしいです。
私は食欲がわかずお昼ごはんは抜いたのですが、急におなかがすいて、1人お茶をしました。

これで1つ備えはできたので、また明日からは元気にお母さんをしていこうと思います。