自問自答_試着の旅 第13回「ドラマティックは突然に」
びっくりの試着(自分が普段手にとらないものを試着すること)をあきやさんが提案しているのは認識していましたが、デカい買い物をボロボロする割に、根が保守的な私は全然してきていませんでした。
更に各ブランドの2024SSの発表を少しだけ見て、ファッションを齧っていた程度の私は、素敵だと思う反面これらのブランドの服を着ることは無いんだろうと思っていました。
特に奇抜なショーをするブランドのことを。
これはJJF2年生の私の偏見ですが、奇抜な服を作るブランドであればあるほど、サイズ展開が少ないイメージがあります。そのため興味を示したところで……と卑屈に思っていました。
そんなリアルクローズと認識できないショー用の服は流し見するような私が、ANREALAGEのことを知ったのは、あきやさんのツイートでした。
インタビュー記事を何となく読み始めて、やっぱりパリコレに出るって大変なんだなあと思いつつ、面白いので読み進めていたところ、第3回でブランド創立者の森永さんが、ファッションとは無縁の人生を送っていた中で服作りに興味を持ったきっかけとなる、神田恵介さんのショーを見た感想でハッとしました。
ご自身が普段使われてる電車を使ったショーで、日常空間が服一つであっという間に「非日常」な空間に変わったことに感動したそうです。
これ、私がファッションに求める驚きと一緒だ、と思いました。
私はファッションコンセプトに「ドラマティック」を入れているのですが、もう少し具体化すると下記の認識を持って加えています。
これって要するに、これまでの日常を脱ぎ捨てて、未知の自分になる時の装いなんですよね。
過去の自分からの脱却と言っていますが、その人らしいことを前提として、視覚的な変化が見えるようなファッションに物凄く憧れがあります。
UNREALAGEは先述のきっかけから、非日常を念頭に置いており、ショーを重視しているブランドです。
これまで色や形で私定義のドラマティックなファッションを模索していましたが、そもそもブランドコンセプトが私の思うドラマティックを掲げているものに初めて出会いました。
それから過去のショーの動画を食い入るように見るようになりました。服を使ってはいるけど、重きを置いているのが服単体の造形ではなく、その服がある空間であることがありありと伝わってきます。
ショーはそもそも服の発表であると同時に、ブランドが考える世界観を提示するものと思いますが、UNREALAGEは重心が違うというか。
服を使った表現というのがしっくり来るというか。
現代美術の作品を見ているような気分になります。
私は何の知識もないものの美術館にいくタイプで、何に着想を得たのかは分からないけど、何を考えて制作したんだろうと物思いに耽ることが好きです。
とっても素敵であの空間を同じように生で見てみたいと思うけども、自分が着る想像はつかないし、恐らく高いんだろうな……と気になるブランドリストに加えるのみで留まっていました。
そんな折に、JJGオフ会で新作のPOP UPに行く機会が出来たのです。(ありがとうございます🙌)
社会科見学くらいのつもりで、UNREALAGEのリアルクローズはどんなものだろうと、あえてオンラインラインショップも覗かず来店しました。
そこで出会ってしまいました………
最高のパンツに……………………………👖
そもそも今年の冬に備えてジャケットのみ探していた私。
初めはブランドの特長でもあるパッチワークのアイテムだけ、さらっと試着させてもらって雰囲気を味わえたら良いなと思ってました。
実際に行ってみたら、不思議な曲線のMA-1や、同じ形で5〜6色展開があったり、私でも入りそうなサイズ展開で「何これ素敵!」「き、着れそう!」「こんな色もあるの!?」と驚きの連続で、いつの間にか社会科見学→ガチショッピングにシフトチェンジしました。
落ち着いて当初の予定通りパッチワークのジャケットと、店頭で出会ったMA-1を羽織らせてもらうことにしました。
先に、連れ立ってくれたJJGのスカート試着を待っている間に、店員さんとの雑談をしていた時のこと。
試着中のスカートは平胴で一定以上の身長がある方にしか向かない代物で、体に厚みとヒップがちゃんとあるタイプには似たデザインのパンツの方が向いている、という話になりました。
丁度パンツは店員さんが履いており、そこで初めて注目したのですが、なんて面白いデザインなんだと感動しました。
ビッグシルエットで作られたパンツの左右を前側に折ることで、画像の形で履くのですが、折られた部分と脚が通っている部分とのギャップでボンタンのようなシルエットになります。
ハイウエストになるように前側の真ん中あたりの履き口を引っ張るとシルエットがキュッと窄まって、
逆に下側に履き口を引っ張って浅履きにすると、ボンタンの計上がもっと横広がりになってまた変わり、
と生地の動き方やシワが絶妙で面白いんです😍
スカートは素敵だったものの、私はパンツ派だったため見るに留めていたのですが、向いてる体つきな上にパンツ自体の持つ無限の可能性にすっかり話を聞いているだけで虜に。
一つ上のサイズはもう在庫が無くて、ちょっとだけ心配でしたが、これはもういったれ精神でこちらも試着候補に加えてもらいました。
試着して分かったのですが、前側に折る位置にはボタンがついており、3つのボタンと2つのボタンホールで、留める位置を変えられます。
要するにウエストサイズの調節が出来るんです。
お腹がいっぱいで……という場合もトイレでサイズ調整出来ますし、先程のハイウエストなシルエットに、ローライズなシルエットに、と変える場合にも適切なサイズに調節できます。
ボタンを留める位置は一定にしておけば、脱ぎ履きする時にわざわざ留め直す必要はなく、可変も可能という親切設計😭
ボタンの他にリングベルトがあるので、そちらでもある程度は調節可能で、普段の脱ぎ履きはこちらを触る感じでした。
こちらはちょっとコツが要るのですが、後で聞いた話、履けば履くだけやりやすくなるとのこと。
いざ鏡の前に立つと、ユニークな形状とヒップラインの美しさに脱帽しました。
太めのパンツなのですが、独特の曲線が入ることで、何となく脚が細く見える不思議。
何なんだろう。
一体何なんだろう、この胸の高鳴りは。
そこで急に閃きます。
暫定制服に柄シャツ+黒パンツはありますが、何だかつまらないコーデと感じていたため、来年解決しようと思っていました。
でも解決策を考えるまでもなく、このパンツを合わせたら最高になれるはすだと。
私が試着したものは、昨日入ってきた唯一の在庫。
日頃白パンツを愛用しているため、一応同じ形の白は同じサイズと一つ上のサイズがあるということで、どちらも履かせてもらいましたが、白だとチノパン感が強くてカジュアル寄り、黒だと綿の艶があって少しキレイめで「黒一択」の思考に。
一応定番アイテムではあるとのことでしたが、完全に今欲しいモードに突入してしまいました。
しかし今年度の予算計画は崩壊済み。
探しているジャケットも緊急予算として捻出しているもの。
当たり前ですが、探してもいないパンツに割く予算はもうありません。
素敵なアウター達も試着後に、渋々ながら一旦退店しました。
(ちなみにスカートを履いたJJGの姿はめちゃくちゃ素敵でお似合いで、つい私の方がはしゃいでしまいました💕)
だがしかし、ここに………
見ての通り、買いました!!!!!!!
そして、試着していた新作ではなく既存の定番品の方を!!!!
どういうことかというと。
翌日、合わせたい服と靴を持って、開店と同時に来店したのですが、あの後売れてしまったとのことでした😂
それを聞いた時に、一旦買わなくて済むという安心感はもちろんあったのですが、落胆が大きく………😨
夜の間に猛烈に皮算用を何度も行ったところ、パンツの値段くらいならギリ補正用の余剰予算から出してもいけそうだということが判明しており、
合わせたいアイテムと本当に合うのであれば、買ってしまおうというところまで気持ちを持っていっていたせいです。
とはいえ、その内通常店舗でも販売されるだろうし、定番だから粘り強く待てば、すぐに買わなくてもいずれ再入荷されるはず。
それなのに何でこんなにがっかりしているんだろう😞
恐らく今は買うタイミングじゃないよって、示されているんだろうなとそのまま帰ろうと思ったのですが、ふとオンラインにある前の型のパンツのことを思い出しました。
新作が今回発売になったということは、
元の型はその内、販売されなくなってしまうのでは?
元の型も比較検討のために履いて、それでもやっぱり欲しければ、買う前提で来年度の予算計画を立てた方が良いのでは?
幸いにもPOP UPのある東京ミッドタウンと、フラッグシップ店の南青山は徒歩30分かからずの距離。
今日は元々入っていた予定があるものの、まだまだ時間はある。
ええい、いったれ〜〜〜〜〜〜!!!!🏃♀️💨
開店と同時にフラッグシップ店に突入すると、1点だけ私のサイズの在庫があるとのこと。
他にお客さんがいないのを良いことに、早速身につけてきたアイテムとの相性と、合わせたい別のトップス、靴、鞄一式、に取り替えての相性を何度も確認し、ガチの試着をさせてもらいました。
そこで分かったのは、既存の型の方が生地が少しだけ柔らかく、スタイルを変えて履いた時の変化が体感ですが大きいということ。
新作の方がハリのある素材のようで、試着した時の鏡では気にならなかったものの、写真ではボンタン感を強く感じていました。
何度も着て洗っていけば、もう少し柔らかくもなる気がしますが、私はせっかちな上に在宅勤務なので外着を着る回数が人よりずっと少ない。
好みの風合いになるまで一年位かかるかもしれない。
ボンタンは嫌いじゃないのですが、これまで候補に上がってこなかったくらいのアイテムなので、そうすると既存の型の方が良いのでは🤔????
あと、そもそも色んな履き方が出来る、2way、3wayのようなアイテムは結局のところ、気に入った一つの履き方しかしないというジレンマを繰り返して来ました。
これに関してはそうなる可能性が十分にあると思いますが、そもそも私が黒パンツに抱いていた不満は「何だかつまらない」ことでした。
合わせたい柄シャツと着た時に、どの履き方でも手持ちの黒パンツを含む、スタンダードな形のパンツとはどれとも被らない雰囲気で、どれかに固定したって良いじゃん🤔?
どの履き方でも自分が最高だと言える自信が持てる。これが一番重要なんだから。
他にもあれこれ考えましたが、持ってきたものの中で一番合わせたかったものには合うし、間違いなく手持ちの黒パンツの上位互換になるということと、
何よりこれを手に入れるまでの間に、履いてる人に遭遇したら絶対に嫉妬するだろうなというのが最終的な決め手になりました。
猛烈に共感したあきやさんのnoteも無意識にあったかもしれませんが、嫉妬の末に手に入れる過程を踏んでしまうと、入手が目的になってしまう自分の性質を分かっていたのが大きいです。
妄執の末に手に入れたアイテムは、手に入れた時点でその目的を達成してしまいます。
そうすると、折角手に入れたのに実際に履く前に満足してしまい、タンスの肥やしになってしまう可能性が高いのです。
自問自答ガールズになった私は、何か理由がない限り着ない服を買う余裕なんてないし、見知らぬ誰かへの対抗心やあのパンツへの執着ではなく、私はこうして夢中になったパンツを純粋に愛していきたい。
そして、その服を着た自分も愛したい。
結果、今の購入がベストだと踏み切るに至りました🛍️
今後も着られることが嬉し過ぎて試着したまま履いて、待ち合わせしていた友人達に会って早々に自慢しちゃいました🥰
(褒め言葉のカツアゲ気味になったのは申し訳ない💦)
無事購入できて嬉しい……!本当に嬉しい☺️✨💞
そう思えた買い物はなんて充実感なんだろう!!!
自問自答ファッションに出会うまでここまでの満足感を抱いて買い物が出来たことがあっただろうか。いやない(反語)
満足度の高い買い物が出来るようになったのは成長ではありますが…………!!!!!
本当に今年はこれ以上服飾費を積めないので、マジで試着に行くのも、情報収集用のインスタ見るのもやめようと思います!!!!!!
自問自答ファッション購入編は一旦お休み!!!!!!!!!!!!!!!!!!
3年日記を挫折しているので、改めてログを残すことへの再チャレンジと、手持ちを愛することに集中しようと思います。