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【艦これ】煙幕タッチの命中率検証(煙幕システム利用時における長門改二の特殊砲撃)


はじめに

この記事は、煙幕システム利用時における長門改二旗艦の特殊砲撃(長陸奥タッチ)に関する私自身の検証結果をまとめた記事になります。
個人で短期間に集められるサンプル数に限りがある点にご留意の上でお読みください。

要点

海域6-2-B、無疲労、煙幕多重度を3、命中項一定の長門改二と陸奥改二を用いて、電探の有無と徹甲弾の有無を変更した場合の特殊砲撃(長陸奥タッチ)の命中率への影響を検証した。
この結果、煙幕システムを利用する戦闘において、特殊砲撃(長陸奥タッチ)の命中率について以下の示唆を得た。

  •  命中率は、徹甲あり電探あり>徹甲なし電探あり>その他(徹甲なし電探なし・徹甲あり電探なし) の順である。

  •  徹甲あり電探なしで、特殊砲撃(長陸奥タッチ)と通常攻撃(単発)の命中率に差がないことから、徹甲弾単体で命中率への寄与は小さいと考えられる。

検証内容

検証設計

回避項のある程度高い敵艦が出現し、打点が低く電探持ちもいない、海域6-2-Bを出撃先に選定した。
関心事である電探の有無と徹甲弾の有無を除く要素を一定にする編成を組む方針とした。
サンプル数は各装備パターンごとに特殊砲撃扱いの攻撃を100回試行することを目安とした。

電探による影響の有無と徹甲弾による影響の有無を調査するために、装備のパターンは以下の4パターンとした。

  •  徹甲なし電探なし

  •  徹甲あり電探なし

  •  徹甲なし電探あり

  •  徹甲あり電探あり

上記装備の種類以外の命中への影響を排除するため、作戦室において梯形陣を選択した場合の命中項は186に統一した。
徹甲弾は一式徹甲弾改、電探は15m二重測距儀改+21号電探改二+熟練射撃指揮所に統一した。なお、この電探は索敵5以上の電探(水上電探)であるから、特殊砲撃(長陸奥タッチ)の攻撃力補正を受ける条件を満たす。
利用した長門改二と陸奥改二の装備パターンは以下の通り。なお、出撃中の陸奥改二のレベルアップの影響を考慮した。

徹甲なし電探なし、徹甲あり電探なし、徹甲あり電探あり
徹甲無し電探あり

作戦室へのリンクはこちら

Cond値の影響を排除するため、出撃時における長門改二と陸奥改二のCond値は30~49とした。(7/14追記:その後、戦闘突入時Cond-3の影響を受けている、Cond30~32のサンプルを集計から除外しました。)
煙幕多重度の変動の影響を排除するため、煙幕多重度3の発動率が100%となるように発煙装置を随伴艦に装備した。
海域6-2-Bへのルート固定を行った。(戦艦級+空母級≧5)

検証結果に直接影響を与えない随伴艦については以下の通りとした。

  •  自由枠1枠は発煙装置と増設バルジを利用可能な駆逐艦をローテした。

  •  戦艦・空母枠は発煙装置を搭載可能な戦艦級である扶桑型改二を1枠、制空と触接用の鳳翔改二で1枠、敗北防止のための電探1艦爆3を積んだ空母(大鳳またはSaratoga)で1枠とした。

出撃結果のデータは74ENより赤仮砲撃戦形式で出力し、集計に用いた。

集計結果

(7/14追記:Cond30~32のサンプルを集計から除外し、集計結果・検定結果を差し替えました。)
集計結果は以下の通り。

全サンプル(7/14差し替え)

徹甲弾補正が適用される敵艦である、重巡リ級flagshipが防御艦となったサンプルを除外した場合の集計結果は以下の通り。

重巡リ級flagshipが防御艦となったサンプルを除外(7/14差し替え)

また、いくつかの集計結果の有意差を確認するため、仮説検定を行った結果は以下の通り。

検定結果(7/14差し替え)

以上のデータを格納したスプレッドシートはこちら
Cond30~32のサンプルを集計結果から除外するため、スプレッドシートを修正しました。修正したスプレッドシートはこちら

集計結果の解釈

煙幕システムを利用する戦闘において、特殊砲撃(長陸奥タッチ)の命中率について以下の示唆1)2)を得た。

1)命中率は、徹甲あり電探あり>徹甲なし電探あり>その他(徹甲なし電探なし・徹甲あり電探なし) の順である。

徹甲あり電探あり>徹甲なし電探ありは、仮説検定の結果(両者の命中率は有意に異なる)から示される。
徹甲なし電探あり>その他(徹甲なし電探なし・徹甲あり電探なし)は、徹甲なし電探ありの誤差下限が、徹甲なし電探なし・徹甲あり電探なしのどちらの誤差上限よりも大きいことから示される。
徹甲なし電探なし・徹甲あり電探なしは、仮説検定の結果(両者の命中率が異なることは有意でない)から、両者の差異を論じることができない。

2)徹甲あり電探なしで、特殊砲撃(長陸奥タッチ)と通常攻撃(単発)の命中率に差がないことから、徹甲弾単体で命中率への寄与は小さいと考えられる。

これは、徹甲あり電探なしの場合における特殊砲撃と単発攻撃の仮説検定の結果(両者の命中率が異なることは有意でない)から推察される。

検証結果の解釈を踏まえた考察

特殊砲撃(長陸奥タッチ)は、徹甲弾および索敵5以上の電探(水上電探)において攻撃倍率に補正がかかることが確認されている。
この補正がかかる場合において、検証結果を踏まえると、電探を装備している場合は、攻撃倍率だけでなく命中率にも補正がかかるものと推察される。

本検証で考慮できていない事項の例

  •  索敵値4以下の電探を用いた場合の命中率
    (攻撃倍率に補正がかかる条件を満たさないが、命中率は上がるか?)

  • 長門改二以外の特殊砲撃における命中率
    (攻撃補正の挙動は似ている可能性がありますが、この結果がそのままやまむさタッチに当てはまることをこの検証結果からは示せない)

  • 煙幕システム無しの場合における特殊砲撃の命中率との比較
    (このデータってあるんでしょうか?)

運用上の考察

以下、例によって統計学に基づく考察ではなく艦隊運用上の私見です。
なお、当方は宗教上の理由でイベント海域におけるタッチエアプなので肌感覚ではなく想像で補っている部分が多分にあることはご容赦ください。山風タッチの実装はよ。

この煙幕タッチってメリットだけ取り上げると、一見すると良さそうに思えるかもしれません。

  •  電探と徹甲弾を積んでれば煙幕の上からタッチで一方的に殴れる、先制雷撃も閉幕雷撃もこわくない(かも)

  • タッチ使うなら徹甲弾と電探を普通は積むから実質無料

ただやっぱり注意点はあって、ざっと思いつくだけでも以下のようなデメリットがあります。

  •  タッチ以外の砲撃戦ほぼ全てと、開幕雷撃・閉幕雷撃全ての手数を投げ捨てることになる
    (昼戦で煙幕システムの影響なしに打点を出せる手数が基地航空隊、支援艦隊、開幕航空戦、タッチだけ)

  •  上記の関係で、敵潜水艦の排除手段が限られる
    (基地東海、対潜支援、爆雷攻撃が煙幕をすり抜けることを祈る)

  •  上記の関係で、夜戦にそこそこ入ることが想定されるが、敵連合艦隊の場合に敵第二艦隊を排除する(夜戦で敵第一艦隊と戦闘する)ことが運ゲーじみてくる

  • 道中戦闘で煙幕システムを利用できない
    (煙幕システムの利用は1出撃で1回だけ。道中をやり過ごすのに便利な煙幕システムを縛ることになる)

つまり、デメリットを上回るメリットを享受できるシチュエーションでないと有効ではありません。
具体的には、

  •  敵が通常艦隊、もしくは基地と支援と開幕航空戦で半壊する

  •  道中よわよわ

  •  敵潜水艦がいない

あたりを満たしている必要があります。けっこう厳しくないですかね。そして満たしたとしてもそんな海域はそもそもタッチ不要説がありそう。

あと、既にいくつか試されていそうな通常海域5-5については、ゲージを破壊する(タッチを当て逃げする)だけなら使えそうですが、敵潜水艦がいる関係でS勝利狙いは運ゲーになるので使いにくいかと思います。

なお「対潜攻撃を行う艦に電探積めば煙幕システムの影響下でもあたるんじゃ?」と思われる方もいるかもしれませんが、残念ながら味方艦からの対潜攻撃において電探の影響はない(もしくはごく小さい)ことがymcさんの検証によって示されています。煙幕での対潜攻撃は運ゲーです。

おわりに

なんか楽しそうなので山風タッチ実装待ちの身分ですがデータ取ってみました。いかがでしたか?
タッチを使う方は煙幕に頼らず頑張りましょう。タッチを使わない方は一緒に頑張りましょう。
データの収集と解釈には注意しておりますが、誤りがあればご指摘いただければと存じます。
その他、なにかございましたら、わたしのTwitter(@about6833)までご連絡ください。

更新履歴

2024/07/14:新規作成
2024/07/14:誤字脱字を修正
2024/07/14:戦闘突入時Cond-3の影響を受けている、Cond30~32のサンプルを集計から除外しました。これに伴い、集計結果・検定結果・スプレッドシートのリンクを修正しました。なお、結論・考察への影響はありません。(松毬さん、ご指摘ありがとうございました。)

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