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その2 「祝宴のすべて 2023に起こった奇跡とジグザグな軌跡」

5、会場下見でリアルにこんにちは
祝宴当日まで数週間に迫ったある日、日程の合う人だけでT国ホテルに下見に行くことになった。メンバーは、ももさん、柚子さん、私。
まず近くのカフェで柚子さんと初対面。全身白のいでたちで現れた柚子さんは遠くからでもすぐわかった。
「やっと会えたー!」
オンライン上では何時間も一緒に過ごしていたのに実際に会う機会がなかったのだ。
そしてT国ホテルのロビーでももさんと待ち合わせ。いつもZOOMではお顔だけしか映ってなくて、どんな服着てるのかな?と思っていたももさんは思っていたよりも背が高くすらっとした人で、真っ黒なワンピースに身を包んでいた。
私は普段よく着ているカジュアルなグレーの着物を着ていった。
あとで気がついたのだが、3人、白、黒、グレーだ。くせもの感が強い。
ZOOMのオンライン配信をしてくれるIMさんともここで初めまして。爽やかだけどプロらしい抑えるところは抑えるといった雰囲気の男性だ。
Mさんはフリーランスで活躍されていて、柚子さんが手配してくれたのだけどこの合宿のことを説明したときも「スピ系とかでも全然大丈夫ですよ、それ系もいっぱい請け負ってるんで!」とカラッとしたもの。
そして今回の宴席の担当のT口さんとご対面。失礼があってはいかんと緊張する私。シンプルなタイトスカートのスーツで現れたT口さんは物腰柔らかな方だった。
まずは会場の光の間へ。別棟にあるため、長ーい通路をふかふかの絨毯を踏んで移動していくのは異次元に移行するみたいで楽しかった。
その間も柚子さんは会場の写真を自前のカメラでパシャパシャ。合宿参加者が対象の祝宴とはいえ全ての人が来るわけではなく、どうやって集客するのかも課題だったため、会場の雰囲気を伝える写真は重要なのだ。
光の間に着くと、専用のクロークや広い前室(ロビーみたいなところ)があり、オーロラのようなシャンデリアが天井に張り巡らされていて、私たちは「すごーいすごーい」と連発していた。写真を見た時も思っていたけど、宇宙の愛とエネルギーを司る宇宙銀行の頭取が降臨するのに相応しい場所だと確信した。
委員長であるももさんは超まじめに確認事項を一つ一つ確認。
私は当日司会を担当することになっていたので、会場内のレイアウトや音響など聞きたいことが山盛り。
そんな余裕のない私たちにT口さんは歩み寄り、寄り添ってくれた。
「オンラインで出会った同じ志の仲間の方々とこうやってリアルに集えるっていいですね」
実際ももさんと柚子さんとお会いするのがその日が初めてだということもお伝えしていた。
「今回の宴席の予定表を見て、マニマニーって何かな、楽しみですねって同じ部署の者に言われるんですよ」
T口さんは朗らかに話してくださったが、そこで私ははたと気がついた。
伝統のあるT国ホテルだ、そのブランドイメージを維持するために、たとえ料金を払ったとしても、おかしな団体には利用させることはしないだろう。もしや今回愛のマニマニーなんていう私たちみたいな得体の知れない、ポッとでの団体に貸す決断をしたのって実は結構な思い切りが必要だったのでは…。
T口さんが私たちを信用してくれたことに感謝の気持ちがあふれた。
しかもですよ、私たち偶然とはいえ三人、真っ白、真っ黒、グレーの格好で現れてツッコミどこも満載だったりするのに、それも「こういう画期的な活動されているだけあってみなさま個性的な服装でらして、私好みです」ってさらっと言ってくださって。
この方のためにも祝宴を成功させねばと強く思った。

下見の後カフェで実行委員の三人で話し合いをして、この時の三人の写真をLINEグループに投稿したら、その写真をみた椿さんが「三人が本当にいるんだと思ったらホッとして涙が出た」と言っていた。
私はえっそんなに!?と驚いたのだが、実は椿さんは頻繁なミーティングに加えて様々なデザイン作業に追われていて、フルタイムで働く傍ら子育てもしてさらに祝宴の作業をしていて、張り詰めていた部分があったのかも知れないなと振り返って思ったのだった。

6、マニー先に言ってよ!
宇宙銀行頭取のマニーは見た目こそ可愛らしいワンちゃんの姿をしているものの(ちなみになぜその姿を選んだかというと、「気分」なのだそうだ)、宇宙存在なだけあって、私たちとは大きく感覚が異なることもある。中でも、「その時によってちょいちょい言っていることがかわる」というのが時折私たちを悩ませたりもした。
たとえばこうだ。

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