第二次二次キャラ聖杯戦争161話『 狂い咲く人間の証明』感想

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 ツイッターで遡ったら前回(157話『157 聖‐judgement‐罰/聖‐testament‐譜/末‐apocalypsis‐世』)の感想を書いたのが10月。エアマスターとアポクリファ把握したいなあとか作者さんが長らくツイッターに不在だからなあとかごちゃごちゃ考えてたらこんなに遅くなり、結局この2作は未把握のまま読むこととなりました。色々とすみません。

 この話を語る上でまずすごいと思うのは、アンデルセン&ヴラドの登場話(009話『アレクサンド・アンデルセン&ランサー』)の存在ですね。あまりにも161話が完璧に決まっていて、このヴラド決戦の全てが最初から定まったプロットのように思えてしまうのですが、実際には候補話はコンペ形式だったわけで、必ずしもこの2組が揃って選ばれるとは限らなかったわけですよね。ところがこのお話はアーカードが現界している前提で書かれているわけで、これは作者の◆holyBRftF6さんは大きな賭けに勝ったのではないかと思います。

 さて本編、足立&フジキド退場話もそうでしたが◆WRYYYsmO4Y氏は短文を重ねながら雰囲気を作っていくのがすごく上手いなあと思いました。れんげが「大人の会話」から遠ざけられて、ジョンスとアンデルセンが休戦して、対決に向けて全てのお膳立てが整っていくテンポがたまらないです。

 そしてついに始まった対決。最初の舌戦から死の河の発動、『領土』によって塗りつぶされる『領土』、捨て身で死の河を渡るヴラド、カッツェの奇襲、そして極刑王の因果逆転による決着までハイスピードで展開されて、終始圧倒されながら読んでいました。本文に>それはきっと偶然でなく、必然の物語。とあるように、また本スレの感想でも言われていたように、ヴラドの本質が『人間』である以上、この戦いの帰結は聖杯戦争が始まった時から決まっていたんですよね。

 アーカードが主人の下に帰還するラストは、初代アニロワのセイバーの最期を彷彿とさせるもので感慨深い。また安いプライドに全てを懸け、あるいはまた子供たちを守る者として、それぞれの聖杯戦争を全うしたジョンスとアンデルセンの姿もまた鮮烈なものでした。

 先延ばし先延ばしになってしまったのですが、この企画をここまで読んできた甲斐は十分すぎるほどあったと思います。実にいいお話を読ませて頂きました。

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