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以前の有料記事を限定的に公開しています。明日にはまたマガジン限定に戻します。

この報告書は試験的に公開しています。
明日にはマガジン限定になります。
また無料公開するにはあまりにもったいないので文字を伏せたり説明を一部省いたりします。

もし内容的に良かった場合はチュートリアル的にまとめてみようか思います。



昨今の社外ECUはほぼ『セッティングのお助け機能』があります、
燃料は『目標空燃比』に対して長期学習したり、リアルタイムで書き替えるのがデフォです。Motechのように燃料マップそのものが無いなんてのもあります。処理能力が高いから可能であり、ヘタな中古車より高価なだけあるって感じです。

で、DIYに使用されるECUだとパワーFC、もしくはLINKが多いかと。
Adaptronicは使ったことがないのでわかりません(代理店さんが非常にフレンドリーなので取り扱いはしたい)

気になったのはパワーFCは燃料のセッティングを助けてくれるのですが、それには他メーカーのO2ワイドバンドコントローラーが必要です。
Linkもワイドバンドコントローラーが必要ではあります。

haltechは?
ワイドバンドコントローラーが必要なのは同じですがコントローラーをHaltech自身が出しています。
そして一部上位機種には『点火』もセッティングを助けてくれる機能があります。
Linkもできるのですが、社外のノックコントローラーが必要です。
Haltechは本体だけで点火マップの書き換えを助けてくれます。


この手のお助け機能はだいたい『オートチューン』などと呼ばれます。


Haltechも「オートチューンと呼んでもかまへんよ~」とは言うけれど
本来は『Long term trim』機能という長期学習機能のことです。


基準となるのがこちら(マップはシビックK20Aエンジン、本体に接続していません)

画像1

『Knock Threshold』というマップです。
ノッキングの閾値がdB単位で記入されています。

仕組みとしてはノックセンサー(純正OK)でこの閾値以下の音量であれば点火を進めるというものです。

使い方をめちゃくちゃ簡単に書きますと、
①設定のページで『Knock  Contorol』の『Long term trim』タブのチェックマークを入れる
②走行する
③車を安全な場所に停めて、エンジンを切り、もう一度アクセサリーの位置まで鍵を回す(エンジンはかけない)
④『Long term trim』タブの『Apply to Base table』をクリック
⑤点火マップが変更される

ポイントは2つありまして、
『勝手に書き換えてくれない』ことです。
現在の値との差を確認してそれを人間が反映させるか決めるのです。
そしてもう一つが『変更をすると戻せない』ことです。
通常は『Undo機能』で変更を戻せますが、『Long term trim』でマップに変化を与えた場合は戻せません。バックアップを取っておく必要があります。


ではこの最初から入っている閾値でやればいいんだな!


・・・・(´(x)`)ええ問題はありません。
ちゃんとセッティングは出ます。しかし詰めが甘く感じるはずですあがり。もっとセッティングを追い詰めたい。
しかし点火時期は簡単にエンジンを破損する可能性があるためあまりチャレンジしないほうが良いです。

では自分の車体に合った閾値はどうすればいいの?
その設定がHaltechは単体でできます。ありがたや(´・(ェ)・`)

で、ここでは純正のノックセンサーを使う前提で書きます。
社外のセンサーを使う場合はセンサーキャリブレーションが必要ですがここでは説明しません。

まずあなたのエンジンの閾値を決めるために計算が必要です。
計算機、計算アプリで以下の計算をしてください。

900÷(■■×■■■■×ボア径)

これで出た数値、例えば5.9641967484・・・・
ならば『6』です。小数点以下を四捨五入してください(この数値はシビックの閾値ではありません)

点火マップ、『Base ignition map』を開き、4速で車をゆっくり走らせている状態からアクセルをベタ踏みした時に読みこむ部分、そのセル4か所をアホみたいな数値にします。

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この青くなっているセルを・・・

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こうしましょう。

そして設定から『Knock Detection』を開きます。黒い画面、右側には閾値が書いてあるはずです。
黒い部分にカーソルを持っていくとカーソル位置の閾値が小さく表示されるはずです。
さきほど求めた『閾値』の2倍の高さを超えない最大数値の高さで右クリック。

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『Knock Freaquency』のところの数値が右クリックした数値になります(画像ではやってません)

画像5

走って4速に入れたら『Start spectrogram』を『ON』にします。

ここにノイズのグラフが出ます(今回は接続していないので画像はありません)
オレンジ・緑・そして赤の波形が表示されます。
赤がノッキングを意味しています。
その赤色が発生している一番低い部分でまた右クリックをして『Knock Freaquency』を変更します。

そうするとデフォルトで入っていた数値よりも閾値が上がります。
これで点火を進められますが、実際にノッキングの出る下限を閾値にしているので破損する値にはならないはずです。

ここから閾値のマップを作ることができます(今回は説明しません)

そうしたらベースマップでめちゃくちゃにしたセルの数値を元に戻し(わからなくなった場合は15でいいです)
実走行をしてスピードと負荷の低いところから始めましょう。

画像6

このマップに現在の点火と閾値範囲内で進められた数値の差が記録されていきます(これは何も記録されていない状態のマップです)

これを反映させていくことで点火マップもかなりいいところまで決められます。

完璧ではないですが吊るしよりも走るセッティングにできるはずです。

ターボならばあまり点火と燃料を詰めずブースト圧でパワーを稼ぐほうが今時です。
しかし下からのパンチを求めるならばきっちり詰めてブーストは燃料が足りる範囲の従来のやり方がいいでしょう。

NAならばターボのようなドーピングが無いので、壊さない範囲でしっかりマップを作ることが大切です。

しかし大事なのは『目標』です。
装着したパーツがノーマルでは動かないから・・・というセッティングではなく
『350馬力出したい!』とか『〇〇サーキットを1分切りたい!』という目標があってやるべきです。

ストリートで流す、年に数回サーキットを走る程度なら絶対に普段のタウンスピードでのスムーズさと耐久性を考えたほうがいいです。

セッティングして『壊さないようにアクセルを踏まない』おっかなびっくり仕様よりも
『踏んでも壊さない』ほうがアクセルを開けられる時間は長いので楽しいはずです。

長持ちさせるためにつけたパーツの本領を発揮できない、発揮させていないオーナーさんが多いです。
雑誌に取材されても
「耐久性を考えてブーストを下げた」とか「レブを低くして長持ちを考慮」
してるのを恥ずかしいと思わないことに疑問を持っています。

「ガンガン踏んでも大丈夫」でなければイジる意味も所有する意味も半減です。
改造したせいで耐久性が5割なくなるくせにさほど馬力も出てない、そんなに全開にしないような車ならばお金の無駄です。
今は昔なら一発狙いの破滅的馬力すら完全合法で耐久性も出せるのです。

それが昔のまま『壊れる』ならばあなたの車は何かがおかしくバランスを欠いている。

ノーマルの制御には理由があり、目的があります。
ならばノーマルの何かしらをキャンセルするにも理由と目的がほしいのです。
ただ『装着したパーツがノーマルでは動かない』という理由ではあまりに愚かな気がします。

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