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女 ひとり 家を買う〜リフォーム奮闘編〜④ 余談・税金の話

 取り立てる時は能動的だけど、還付は受動的。
 それが税金。
 年貢の受け取り側にいたい人生だった。

 今回の記事は短めです。


 
 耐震補強の補助金を受けるにあたり必要となる『納税証明書』(有料)を二通り発行するついでに、『不動産取得税軽減措置申請書』を取りに行くことにした。漢字が多すぎるので簡単に言うと「不動産を手に入れた事に対する税金をいくらか控除してやろう」な書類の事だ。
 そもそも不動産を購入する際に既に色々結構な額の税金がかかっているというのに、購入後に更に支払う税金が存在するのである。やばない?やばない?なお翌年からはこの税金は固定資産税くんに変身して永遠にやってきます。ヤッホー、ボク固定資産税くん。
 くにへ かえるんだな おまえにも かぞくがいるだろう……。


 さて。役所で一通目の納税証明書を受け取った私は、不動産取得税の納税通知書を持って二通目の納税証明書の通り道だった税事務所へと向かった。地方の役所への申請じゃないんすよ。めんどい。
 車を停めて駐車場から見る税事務所は、常に目分量で生きてる私の性格とは最も縁遠い所にありそうな場所に思えた。事務所が既に真面目そうだし、中めっちゃ静か。私とか仕事中、ちょっと暇だったら海の中の昆布の真似とかしてるのに。
 担当の人が怖かったら嫌だなぁと思いつつ窓口から声をかけると、朗らかな雰囲気の女性が出てきた。


「お忙しい所すみません。不動産取得税の軽減措置についてお伺いしたいのですが」
「はいはい、こちらへどうぞ!」

 良い人だった。好き。
 ちゃんと机と椅子がある半個室へ連れて行ってくれた。好き。

 すすめてもらった椅子に座り、私は通知書を出すと自身が購入した不動産について説明をした。
  


 ここで先に記述した「不動産を手に入れた事に対する税金をいくらか控除してやろう」制度について補足しておく。
 この制度の対象となるのは
 
まず、家屋
 ・新築
 ・耐震基準を満たした中古戸建て
 ・規程内の築年数の中古戸建て
 ・床面積が50〜240平米(240平米以上の豪邸を買うような人は全額払え的な)

 で、土地(住居用)は200平米を限度として家屋の2倍の面積までが対象となる。

 控除額については自治体によって違いがあるみたいなので、気になる方はお住まいの自治体でお調べください。
 
 この中で私の物件は
 
 耐震…✖️
 築年数…○
 建物の面積…○
 敷地…200平米分のみ控除

 という状態だった。
 ダメじゃん、と思われたかもしれないが安心してほしい。私は耐震補強込みのリフォームをするのだ!みんなから徴収され巡り巡って行政に割り当てられた耐震用の予算を使ってなァ!!
 あ!補助金ですが、諦めてた設計費用も全額出ました!うぉぉぉ!物件引き渡し前の段階で残りの枠が2件だったから完全に諦めてた!設計費用30万浮いた!!

 まぁ、そんなこんなで。

 耐震工事が終了し業者さんから受け取った証明書を添付すれば、全ての基準を満たしたとして私は無事還付を受ける事が出来るのである。

 物件引き渡しから6ヶ月以内なら。


「……申請期限が今月末で、工事もまだなんですが間に合いますかね?」
「う……う〜ん……難しいです…、ね…」


 担当の方は、難しそうな顔をした。

 パラディンの呪いが、ここでも発動する。条件は正確には「本来基準を満たしてない中古戸建ては不動産取得後半年以内に耐震工事を完了させ入居する」なんだけども。
 かと言って、パラディンのせいだけでもない。随分前の記事に書いたけど、耐震補助の申請をしたのが2021年の中で一番早い締め切り月だったこと。ギルド長が入院して状況を把握できてなかったこと。諸々の積み重ねだ。リフォームに入るまでに半年以上かかるなんて、誰も予想していなかっただろう。

 私は納税額が少ないから焦ってないけど、人によってはヤベー額になってもおかしくないやつではある。業者がうっかり忘れてた、とかで数十万の還付がなくなるとか膝から崩れ落ちるレベル。「多分間に合わないだろうな、これ」とドッグラン設置と伐採した木々の撤去代とでトントンにさせるつもりで良かった。

「一応申請書をお渡ししておきますので、もし間に合いそうでしたら提出ください……」
「はい……」

 書類一式を受け取り、持参したクリアファイルに入れる。物件を購入してから、プライベートでクリアファイルをよく使う。オリジナルクリアファイルを作るべきなのか。
 ちなみにTwitterの方では報告していますが、私の現在のスマホケースはこちらです。


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 会社で「視線を感じるスマホケース」と言われてしまった。

 必要書類を持って駐車場には戻った私は、今度は別の役所へと向かった。ギルド長曰く、納税証明書がもう一通必要なのである。

 忙しい。

 先に結論から言うと、この二通目の納税証明書については後日ギルド長から「すみません!お伝えし間違ってました!必要なのは別のものでした!あと、名寄せ帳(その年の元旦時点での不動産の持ち主は誰?みたいな証明みたいなもの)もお願いします!」と連絡があった。

 もう!ギルド長!もう!

 というわけで改めて言われた書類を用意して渡したら「あーっ!💦すみません!名寄せ帳は前の持ち主さんから変更がなければこちらで登記を用意する旨のお伝えをし忘れてましたぁーー!!!」

 もう!!
 ギルド!!
 長!!!
 もう!!!!
 
「こ、このご迷惑は値引きと働きで代えさせていただきますので……」

 許す❤️

 ていうかギルド長大丈夫なのか…。先日言ってた後遺症ではないのか……。お大事に…ギルド長……。

 結局二度程無駄足を踏んだ私だったが、その日(雨風が凄かった)はついに内装リフォームの方の見積もりを受け取る予定になっていた。

「こちら、最初の分に先日追加された分を合算したものになります」
「希望全部を盛り盛りにしたやつですね」
「ええ、ここから予算内まで削って頂くことになります。やはり離れの解体が大きいですね」
「しかし今やらないと今後逆に費用が嵩みます」
「それはそうですが」

 当初は食糧庫とか倉庫とか考えてはいたが、他にやりたい事が出来たのだ。

 私は雨風の中(今思えば屋内へ入るべきだった)、ギルド長から見積もりの束を受け取った。

 そして。

 ……うん。

 …………うん。


 うん?


 ルフィに攻撃が通じなかった時の、ワンピースのエネルみたいな顔になったのであった。



⑤へ続く。次回『電卓と睨めっこをする』


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