インターネットで炎上したら

決して謝らないでください！

インターネットはきわめて民主的で平等なプラットフォームです。誰かがリンゴを買ってきたとしましょう。リンゴについて深い愛と体系的な知識を持ち、普段からリンゴを取り扱う人がいます。「リンゴだ！」彼はそう言ってリンゴについて語ります。その隣にはリンゴについてまったく無関心かつ無知で、リンゴなんて食べたことのない人がいます。「リンゴだ！」彼もそう言ってリンゴについて語ります。前者は後者を内心馬鹿にしています。前者は後者とは話そうとしません。しかし後者はどうでしょう？後者は、自分にはすぐれた洞察力と理解力があるため、前者が持っているものなんてすぐに手に入るだろう、自分はその努力をしていないだけだと思っています。つまり後者は後者で前者のことを内心馬鹿にしているのです！
インターネットにおいて、持てる人も持てない人も、努力した人も怠惰な人も、同じ一票を持ちます。もちろん影響力には違いがあれど、少なくとも誰かの家のポストに手紙を入れたり、通りから拡声器でリビングの窓越しに主張を届けたり、あるいはその窓に石を投げ込んだりする自由を持ちます。それは狼藉だと捉える人もいれば、それはインターネット的自由だと捉える人もいます。後者が正解です！インターネットは学士以上の資格を持つ人たちだけのための会員制クラブではありません。インターネットとはすべての人に発言権を与える寛容なプラットフォームだからです！

決して謝らないでください！

あなたがリンゴについて、あなた自身は適切だと思うが世間はそう思わない発言をしたとします。みんなあなたの家に石を投げます！あなたが普段から「私は賢い人だ！」「リンゴについて私より知っている人はいない！」などと言っていたなら尚更です！二階の寝室の窓まで割られることでしょう。
そんな時に、あなたが玄関から出てきて謝ったらどうなるでしょう？「申し訳ありません！私は不適切な発言によってリンゴとリンゴに関わる皆さんを傷付けました！」
人々はこう思うでしょう。「そら見たことか！あいつは普段あんなに立派なことを言っていたのに、実はただのペテン師だったんだ！」彼らは普段からあなたに苛立っていたのです！インターネットにおいては皆が平等のはずなのに、立派なフリをして立派なことを言ったり、結果としてたくさんのフォロワーを抱えたりすることについて、皆あなたに苛立っていたのです！ここに第一の落差が潜んでいます。そして、そんなペテン師が遂に罪を認めて謝った！こんなに気持ちのよいことはありません！ズルをして自分より高い場所にいた人間が、今や地に伏して謝っている！この自分に！ここに第二の落差が生まれます！偽物が非を認め、降りてきて、そして謝る。その時、偽物はもはや彼ら民衆よりも低いところにいるのです。

決して謝らないでください！

謝らなければよいのです！そもそも、あなたの普段のマッチョイズム的発言を撤回しなければよいのです！インターネットで何かに怒っている人は、インターネットでまた他の何かにも怒っています。あなたよりも善良で誠実な誰かが非を認め、怒れる民衆と石つぶての待つ地上へとヤコブの梯子を降りるのを黙って見ていればよいのです！そうすれば、彼はあなたの代わりに石を受け入れ、彼らはあなたへの怒りなんて忘れます！あなたは引き続き有料noteを売ったりして気持ちよく過ごすことができます。

決して謝らないでください！

民衆に期待しないでください！インターネットと同様に、怒りはすべての人に開かれた民主的で平等な感情です。特別な教育を受けていなくても、空気と水からでも怒りを作ることができます。
決して謝らないでください！何か過ちを犯したとき、ただあなたは黙っていればよいのです。そうすれば、愚かな正直者があなたの受けるべき石つぶてをその背中にたっぷりと受けれくれるでしょう。嘘でバズとファンを生みましょう。彼らを農場に囲い込んで決して安くない草を食ませましょう。最後は毛皮を剥ぎ、解体して出荷しましょう！

インターネットに期待しないでください！
ここでは正しい人が苦しみ、正しくない人が楽をします。楽をしましょう！