六三八デザイン室株式会社
はじめましての方もそうじゃない方も、ここにいらしてくれてありがとうございます。牧本恵美と申します。
このたび六三八デザイン室という会社を立てることになりました。名前の由来は番地。ここから生まれる私の分身がどうぞたくさんの人のお役に立てますようにと願いを込めました。
そもそも今いる会社は、嫁ぎ先の商売を新しい事業も加えて夫婦で法人化したもの。今年で13年目になるでしょうか。考えなしの取締役で、大変頼りない部門責任者でありながらなんとか続けてこられました。
リフォーム
その中で、2020年、友人の依頼によりマンションの一室のリノベーションを請け負いました。
楽しかった。
もちろんかなりむつかしかったです。間取り計画なんて小学生のころ方眼ノートにいっぱい描いたっていうくらいのものだし、建築に関する知識もない。請負契約書を作ったときは心臓がつぶれるかと思いました。
何がすごいって友人がすごくないですか?リフォームの会社でもない、個人でやった事もないそんな人に頼みます?ただセンスを理解してくれそうだというそれだけで。
それまでは、トイレ空間のデザインをいくつかさせていただいていたのですが、建物全体を、そこに作られる生活をデザインするということに興味を持ちました。特に住居。ひとがくらす空間。
テキスタイルデザイン
それとは別に、プライベートでは布を作ることにはまってました。
こちらは趣味というか、高校生のころから自分の着る服を作ったり「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」みたいな「気に入るものがなければ作ればいい」精神で育ってきたもんですから、生地から自分の好きなようにできるってなに!天国サービス!と、おもしろくなっちゃったんですね。
ちょうどいい感じに高齢出産した三男に、入園に必要な巾着袋を全部布から作ってみて「専用」のおもしろさを実感しました。
その後、スモックや布団カバーなんかもサンプルという言い訳をして作成。散財しました。
ちなみに縫ったのは全部義姉です。ありがとう。
グラフィックデザイン
ごく近しい友人やそのつてから頼まれて名刺やチラシを作ったりもしてました。名刺は持つ人のひととなりを、チラシはその活動の思いを届けるために、依頼者をグッとグーっと深堀りして考えて、精製して、磨いていくという作業。
まるでフィルターのような、モニターのような、ヘッドフォンのような。本人と届けたい人の間に入って、伝えるを手助けする道具になれるような気分になれました。
布のデザインで「専用」の面白さに気づいてしまったばかりに、調子に乗って高校生長男に専用ロゴの入ったお弁当袋を作りました。Tシャツ好きの長男は、この柄のTシャツが欲しいと…この親孝行者め。
自分の名前をデザインしたロゴのTシャツを着る男子高校生。
ちなみに次男は、自分が描いた微生物のイラストを私が配置デザインした生地を使ったマスクをして毎日学校に通ってます。なにこの兄弟。
ここからが本題
びっくりしちゃいましたか?今までの長い文章、前置きです。
こうして、いろんなデザイン系のいろいろを全部まとめて受ける場所を作った方がよかろうということで法人を立てることになりました。
ただ、いままで利益度外視の楽しさのみで仕事をしてきただけに、会社ができても売り上げはない。でも経費は決まっていく。やっていけるイメージが全然持てませんでした。
そんなとき。
昨日、2021年2月15日。大学時代の同級生とのビデオ通話。彼は尊敬する友人の一人で、大阪で人一倍自分が楽しみながら、周りに楽しみを振りまいている人です。また、私のことをよく知っていて理解してくれる(と思っている)ひと。
こんな状況でどうすりゃいいんじゃろうか。と包み隠さず話すと、たくさん答えが返ってきました。
全部つながってた
あれもこれもやりたいって手を付けたものの、そもそもデキる人間じゃない私の許容範囲を超えてるんじゃないだろうか。そう思っていたけれど、なんだ、全部つながっていました。
一番やりたいのはリフォーム。
そして、そこに付加価値を付けられるものがテキスタイルデザインであり、グラフィックデザインだったのだ!
急に言い切りましたが、それだけ衝撃だったのです。
布のデザインやってるのは強い。壁紙をオリジナルで作ることもできるし、カーテンやソファとリンクさせることもできる。
施工ができるのは強い。イメージや世界観のすり合わせという、とても時間のかかる大事な作業を省けるし、スツールや天板に壁紙を貼りたい、といった細かい依頼を外注に出さず現場で納めることができる。
グラフィックデザインができれば、ファミリーのロゴや柄を取り入れることができる。壁紙がこっそりと苗字をあしらった柄だったらどうですか?しかも、それがカーテンや家具とリンクしていたら?洗面スペースのタイルにロゴが隠れていたら?
ファミリーロゴ入りでさらにパーソナルカラーのダイニングチェアやハンガーなんてどうでしょう?
既製品で探したら絶対にできない、「お揃い」や「デザインリンク」が楽しめる、そんな我が家ってよくないですか?
いろいろやっていたことがひとつにまとまって、さらに、会社にすれば?と言ってくれるパートナーがいた。同級生曰く「恵美ちゃんにはもう、80%くらい揃ってるよ」私、超超恵まれた環境にいました。
価値
もちろんお金はかかります。コストを抑えた建材を大量に仕入れられる大きな会社にはかなわない。
もちろん時間もかかります。ある程度固まったプランから選んで作るシステマチックな会社にはかなわない。
もちろん労力もかかります。主役は依頼者。私は道具。あくまでも中身は主役のものです。イメージを固める労力って並大抵のものではない。
でも、そこに価値を見出してくれる人はいるはずです。
なんにも知らない私にポンと依頼してくれた友人たちのように。
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