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交渉成立

苦手でも営業すれば成果が出ました。

営業は、上手な人しかできない、というものではなく、下手でもやり方次第でなんとかなりました。

手を動かす人の特徴は、営業ができない。
営業上手な人は、黙々と手を動かして物を作るよりも、人とコミュニケーションを取る方が得意。

わたしは、典型的な物作り人間です。
今回のビジネスパートナーを仮にA子とします。
A子は、わたしに負けず劣らずの物作り人間です。
わたしとA子が二人寄ったところでどうにもなりません。
物がどんどん出来上がっていくだけです。

そこで、思いついたのは、この度新しくオフィスを構えたB子のことでした。

こういう事をするとトラブルの元になることがあります。だからビジネスは相手を選ばなければなりません。
わたしは今までビジネスでは、結構だまされてきた方だと思います。

わたしは、ビジネスであってもビジネスでなくても
お互いの善意を前提として人と接してきました。
しかし、損得でしか人付き合いをしない人が案外たくさんいました。

このタイプの人とビジネスをすることになると、わたしは他愛なく泥水を飲まされました。

今回は、相手を厳選しました。だから多分大丈夫。

というより今回のビジネスは、あの二人は儲かるけれど、わたしは儲からないのです。

わたしは、仕組みを作っただけなので今は儲かりません。この仕組みが上手く当たればわたしにも儲けは入ってきますが、当たらなければトントン又は少しのマイナス。

かつて、わたし以上に営業が苦手なA子は営業が苦手すぎる余り、A子は自分の家族に負担を掛けてしまいました。

A子は、自分の身内相手に営業するのは意味のないことであることは分かっているはずなのです。にもかかわらず身内を動員したということは、

「自分のビジネスなのだから、営業は各自でしてください。こちらは、場所をお貸しするだけです。」

という大抵の間貸しビジネスのスタンスはA子には取れないと思いました。

A子のビジネスは、小さな子供さんを持つママさんに向いたものです。だから、それに沿ったお店を選ぶのが良かったのでしょうが、大人しいA子は知らない所に飛び込みで行くよりも、知り合いの店を訪ねる方が楽だったのだろうと思います。

しかし、子供を連れたママさんが来ないうちの店でA子がビジネスを展開するのは厳しかったです。


わたしとA子は、A子の妹を通じて知り合いました。フリーランスであるA子の妹は、フリーランスになりたての頃、うちの店を使ってくれました。(その事業はポシャリました。)

彼女は、もともと貿易会社に勤めていて、そのときのつながりを足掛かりにしてフリーランスになったような人なので、実行力は素晴らしく発達していました。

そんな実行力ある妹でも、最初のビジネスでは家族を巻き込んでの集客でした。そのときに うちの店を訪れたのが姉のA子でした。


 B子は結婚をきっかけに退職しました。B子は会社勤めは結婚するまでと決めていて、結婚後は自分の仕事を新たな形で展開しようと思っていました。

 B子は結婚後間もなく妊娠しました。妊娠中なので思うように自分の事業展開ができないが、セーブしながらでも前進したいというB子の意思を聞いてレンタルルームの定期利用を契約しました。

B子のビジネスは大当たりしました。予約のお客は後を絶たず、常に満席で、産休に入ってからでも問い合わせがたくさんありました。

短い産休を終えてB子は復活しましたが、5か月後くらいに二人目の妊娠が発覚しました。もともと子供を預けるところを探すのに苦労していたので、もうこれ以上は無理だと思ったのでしょう。気持ちを残しながらB子は辞めました。

それから月日が流れ、二人目の子供は2歳になりました。そろそろ保育園へ行けるので、B子は自分のビジネスを新たな土地で開拓し始めました。

わたしがB子の新たなオフィスにA子のビジネスを展開させてほしいとお願いをしようと思ったのは

・B子はオフィスを持ったばかりで、ビジネスはまだ軌道に乗っていない。
・B子はしゃかりきにならない人である。
・私がB子に対して職業人としての尊敬の念を持っている。

以上です。

B子はそろそろ始動し始める段階であり、とは言え子供がまだ小さいので十分な仕事時間が取れないので、空いたスペースを賃貸して、そこから売り上げが発生すると受託手数料が入るのでA子とB子、どちらもが win win の関係になれれば良いと思いました。


オフィスの掲示板には、すでに契約したのであろうテナントが宣伝広告用にチラシを置いていました。チラシを手に取って見てみると、やはり小さなお子様を持つママさんと幼児対象のビジネスでした。

B子が展開するビジネスの内容とオフィスの立地条件に加え、手がかかる子供を育てている最中なのでフル稼働ができないから、場所が空いているに違いない。

と、多くの事業家が目をつけていた物件だったのでしょう。

わたしやA子よりも良いテナントが入る可能性があったかも知れません。しかし、B子にとって良いテナントとはどんなテナントなのか?

B子の今の状況とは

・B子のご主人は実入りの良い仕事をしているので暮らしに余裕がある。
・B子は家事全般が苦手なので時間的な余裕がない。
・4歳と2歳の子供がいる今は超しんどい。

それに加えて、B子は自分のオフィスを構えるのは初めてなので、自分の本業でないテナントとの契約等の知識はありません。それでなくても今は毎日がワチャワチャの生活なので本業以外のことにまで気を揉む余裕はないはずです。

わたしやA子に貸すよりも、もっともっとガンガン稼ぐ力があるテナントもいるでしょう。しかし、たくさん稼ぐテナントよりも、今のB子にとって良いテナントは、B子の状況に合う条件のテナントと言えるでしょう。

子供はあっという間に大きくなります。数年後には学校へ行くようになります。そうなれば状況が変わるでしょうから、いろいろな事は後から見直していくこととすれば良いかと思っています。最初の契約が永遠に続くと考えるとお互いに疲れます。

B子に、この人に貸してよかった。この人と良いご縁ができた。と思ってもらえるテナントになれれば最高です。

B子のオフィスに出店の交渉が成立したのは

下手でも営業はしなければならない。ということの表れです。



B子は集客が上手なのかと聞かれると、答えは「???」です。
B子もA子同様おとなしい、物静かな人柄です。それでも、彼女のビジネスは常に予約はいっぱいでした。

B子は、わたしやA子がしない何かをしているはずです。

わたしはうちの店でのB子の仕事を見てきているので、職業人としてのB子は大いに評価しています。

それと、B子のビジネスは、今の世の中に求められています。

・世の中に求められる事業内容。
・職業人として十分な知識と配慮に長けている。
・人が集まりやすい場所を確保。

この3つ以外の何かをB子は実行しています。今回、B子とビジネスをするにあたって、それが何であるのかをA子と共に学びたいと思っています。

いや、いや。A子は学ばない。多分学ばないで黙々と手を動かすのだろうな。






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