刑法条文・理論攻略法18

刑法条文・理論攻略法18
【クレジットカード欺罪2=自己使用のカード使用】
1、支払意思も能力もないのに自己名義のクレジットカードを使用して店舗で商品を購入→1項詐欺か2項詐欺か
≪1項詐欺説≫
【裁判例】
 加盟店を非欺罔者、処分者、被害者とし、客体を商品とする1項詐欺罪が成立。
 根拠は、詐欺罪は、個別財産に対する罪なので、加盟店が欺罔されなければ交付しなかった言える財物自体が加盟店の損害となる。→財物を客体とする1項詐欺財が成立する。
事案は、横浜市内で、支払意思も能力もない被告人が自己のカードを使って電気製品を購入した。
判決/東京高等裁判所(控訴審)
【裁判年月日】 昭和59年11月19日
【事件番号】 昭和59年(う)第1404号
【事件名】 詐欺被告事件
【判示事項】 〔東京高等裁判所(刑事)判決時報〕
クレジット会社に対する後日の代金等の支払の意思、能力がないのにクレジットカードを利用して物品を購入した場合と販売店に対する欺罔行為の存否
≪2項詐欺説≫
 加盟店=被欺罔者・処分者、信販会社=被害者という三角詐欺と構成した上で、客体を信販会社が加盟店に料金を立て替え払いをすることで、カード使用者が代金債務を免れるとする2項詐欺罪が成立する。着手時期は、カードを利用した時点
既遂時点は①信販会社が加盟店に立て替え代金を支払った時点とする②行為者が商品を得て信販会社に代金支払義務を負担させた時点。
以上

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