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ロサンゼルスでの出来事

先日、voicy「海外安全チャンネル・りょーあん」で「#065 ロサンゼルスで安全に過ごすには?」というタイトルの放送があったが、ロサンゼルスというと、ひとつ忘れられない出来事がある。voicyのコメント欄に投稿したのだが、制限文字数に阻まれて少ししか書けず不完全燃焼に終わったので、こちらの記事として書いておく。

2017年11月、ハリウッドにあるチャイニーズ・シアターに行った時のこと。劇場前にある有名人の手形などが刻まれたセメントタイルを、夫とふたりで見に行った。しかしこの日、その場所にはレッドカーペットが敷かれており、該当の場所は立入禁止となっていた。

チャイニーズシアター

縄は張られていたが右脇からわずかに見ることが出来たので、少しだけ見て建物から離れようとした。すると、後ろの方から男性の呼び止める声がした。振り返るとひげを生やした小太りの男性が、いくつかのソース類載せたトレイを手に、少し離れた場所に立っていた。「何故呼び止める?」っと思ったら、なんと、私のバッグにバジルソースがべっちょり付いているではないか。

これかー、よく聞く「ケチャップ泥棒」は!これはこの場をさっさと離れるに限ると思い無言で歩き始めたのに、その男性が「Lady,Lady,Lady」としつこく呼び止めようとする。もー、知らんがね、あなたのことなんか!と思ったが、大量のペーパーナプキンを差し出していたので、手を伸ばしてペーパーをひったくり、足早にその場を離れた。

バッグの中の貴重品を確認した後、ひったくったペーパーナプキンといつも持っているウエットティッシュを何枚も使ってソースをふき取ろうとしたが、油っぽい大量の液体は完全に取り去ることが出来ない。仕方なく諦めて歩こうとしたら、夫が「コートの後ろにもついてる」と言う。脱いでみたら、点々といくつかの油染みの跡が。古くて捨てようかと思ってたダークグリーンのコートだからまぁいいかと思ったが、ガーリック臭は抜けないし、ちょっと不愉快だった。

プンプンしながら次の目的地に向かって歩き始めた時、夫の後ろ姿を見たら、夫のバッグとコットンパンツにも点々と緑の液体が付着してるではないか。私のバッグに向かってかけたソースが、隣にいた夫にもかかってしまったのだろう。コットンパンツは、お尻から足首までとなかなか広範囲に付いている上に、明るいベージュだから濃い緑がかなり目立つ。ウエットティッシュで拭き取ってもあまり色が落ちず、結局ホテルに戻るまでそのままとなった。

夫のコットンパンツについたバジルソースの跡

宿泊しているホテルのコインランドリーは外の離れたところにしかなく、ロスの夜にそんなところに出かける勇気はない。仕方なく、夫のコットンパンツと私のグリーンのコートを石鹸で洗い、しばらく干した後、アイロンで乾かした。3時間ぐらいかかった。

ちなみにソースをかけられた現場は、下の写真の奥にある尖ったブースの辺り。小さな子どもたちも結構いたし、ショルダーバッグは太いストラップを短くして斜め掛けにし、脇に挟むようにして持っていたので大丈夫と思ってたのだが、恐るべし、ロサンゼルス。

チャイニーズシアター

というようなことを、当時facebookに投稿したら、日頃学会で海外を飛び回っている友達から「冷静ですね」とのコメントを貰った。そうか、冷静なのか。対応が冷静だったのだとしたら、毎日、犯罪物のアメリカドラマを見ているお陰なのかもしれない。液体かけられて注意をそらされたら、それはスリの合図だ。ぼんやり見ているものでも、案外役立つものだなと思った。

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