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日比谷公園「Playground Becomes Dark Slowly」

 4/27から日比谷公園で「Playground Becomes Dark Slowly」をやっていましたが、体調がイマイチで、最終日近くに短時間のぞいてきました。昼間と夜の2回いってみました。命削って動いている気もしないではないですが、、、行きたかったので。。

 個人的にみたかったのが、大巻伸嗣の作品。先日国立新美術館でみた展示が本当に良くて、また観られるなら、と思い切って行ってきた。
 自然の中にあの壺が佇む様子は是非観たいし、昼も夜もきっと印象が違うだろう。
 どうしても長時間の外出は難しいので、昼と夜、2日に分けて訪ねたわけですが。

 お昼は都会のオアシスと私が呼んでいる日比谷公園の緑の中でアート作品たちがあって、一種遊具のようにも見える。花のハンモックは、子連れ家族たちやカップル達が寝転がって空を見上げたり、子供がジャングルジムみたいに登ったりしていて、すっかり公園に馴染んでいた。花とあるのは、ハンモックの下に花が植えられているところかと思う。
 アートはちょっと難しくて、美術館で観ると少し特別な世界のようにも思えるけれど、こういう日常と溶け込むアート、というのもアートのあり方の一つかと思う。何を意味してる、とかも考えずとも、楽しめば良いと思う。

花のハンモック


 大巻伸嗣の壺も、美術館で観た時は空間や影も相まって何か特別なエネルギーを発するかのようなものだったのが、自然の中(とはいえ公園なので人工ですが)に溶け込んで、美術館の時に感じた美しく魅力的でありつつも禍々しくも観えたものが優しく、それでいて力強く建っていた。
 透かし彫りの美しさも健在で、そこに描かれる虫や人、動物、植物などがランダムに描かれていつつ全体の調和が取れていて良い。地球ぽい。

 昼はとても爽やかで、自然と調和した素晴らしいものでした。来て良かった。久しぶりに清々しい気持ちになる。普段から好きな公園ではあるのだけれど、とても良い。

 花灯籠もせっかくなので体験してみた。

花と風船が結ばれており、それを池に流す

 今回あまり解説を読まなかったので、詳しく書けない。灯籠というとなんとなく鎮魂のような心持ちに私はなるのだけど、この花灯籠は何か明るい。海ではないので波はないのだけど、風によって灯籠たちは流れていく。風船が花を引っ張って流れていき、その波紋が少しづつ広がる。ささやかな変化を起こしながら進んでいく。

作者はすごいな、と。鑑賞者に解釈や捉え方をゆだねるってすごい勇気ではないだろうか。

 夜の部。コンテンポラリーダンスと、笙の音色と大巻伸嗣のコラボレーション。壺という静物とダンスという動的なものと、笙の音という興味深いコラボレーション。ダンサーの息遣いが聞こえるほど近くで観れた。振り付けも演奏も即興だろうか。

  写真だけみると若干の呪術感がなきにしもあらずですが、現地ではそんなことは全く思わず。とはいえ、アートは一種の祈りのようなものでもあるのかな、と写真を観て少し思った。
 動と静のコラボレーションと、一定のリズムではないコンテンポラリーダンスの展開の読めなさに戸惑いつつも、貴重な体験だった。
 「センスの哲学」でリズムに注目することができて、鑑賞が多少深まったのかな、とも思う。

 完全に無知な素人感想ですが、とても面白い体験でした。大巻伸嗣さんの作品は機会があれば是非一度観ていただきたいな、と個人的に思う。

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