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【中小企業診断士】令和2年度二次試験再現答案_事例Ⅲ

こんにちは、げんきです。

4日間にわたってお届けする、令和2年度中小企業診断士二次試験の再現答案。本日は事例Ⅲ(生産管理)です。

大手製造業に勤める私は、生産管理を本務としておりいわば主戦場。
一方で本業の知識が頭によぎってしまうのか、どうにも点数は伸び悩んでしまい結果としては、56点という不合格得点でした。

再現答案を掲載するにあたり、時間制限のない中で落ち着いて再考してみましたので、その振り返りも併せてお読みいただければ幸いです。

事例Ⅰ・Ⅱはこちらをご参照ください↓

問題文はこちらから↓

第1問

C 社の(a)強みと(b)弱みを、それぞれ 40 字以内で述べよ。

再現答案

(a)強みは、溶接・研磨技術が高い事、設計技術者を確保し設計・製作・据付の一貫対応力。
(b)弱みは、納期遅延が多く、付加価値の高いモニュメント製品の受注に応じきれていない事。

注意した点

・40文字と字数制限が厳しいので、C社の強み・弱みを端的に表す内容をコンパクトに詰め込むことを意識
・強みは、他社にはないC社独自の内容を盛り込むことを意識しました。
・弱みは、現状の良くない事象とそれによる結果(機会の逸失)といった組み立てで解答。

振り返り

・「弱み」については、設問要求通り「弱み」を解答すべきであった。例えば、「低水準な生産管理体制」や「契約プロセスの標準化不備」など
・「強み」は、注意した点に記載の通り、「C社独自の内容」をもっと書くべきだった。例えば、「特殊加工に応じられている」や「モニュメント製品が受注できる」など。
・ただし、「弱み」と違って強みのほうは及第点かと思う。

第2問

C 社の大きな悩みとなっている納期遅延について、以下の設問に答えよ。

_設問1

C 社の営業部門で生じている(a)問題点と(b)その対応策について、それぞれ 60 字以内で述べよ。

再現答案

(a)①顧客とのやり取りに時間を要し、製作期間が確保できない点、②工数見積り精度が低く、受注内容次第で製作期間がオーバーする点。
(b)対応策は、①工数見積りの標準化で精度向上を図る事、②過去の設計情報をノウハウとして蓄積し、設計時間の短縮を図る事。

注意した点

・問題点にあった対応策を提案するように注意した。
・問題点も対応策もなるべく多面的になるように注意した。

振り返り

・切り分けが難しい。「営業面」の問題点としては、顧客とのやり取りに時間がかかっていることをメインに据え、「工数見積もり精度が低い」点は「製造面」に入れてもよかったかもしれない。
顧客との打ち合わせに時間がかかっているので「3次元CAD導入」でイメージのすり合わせで時間短縮することは要素に入れたかった。

_設問2

C 社の製造部門で生じている(a)問題点と(b)その対応策について、それぞれ 60 字以内で述べよ。

再現答案

(a)①チーム間に技術差があり高度技術を要す加工を任せられないチームがある事、②加工物の移動が多く、不稼働時間が多い事。
(b)対応策は、①熟練工によるOJT指導、社内コンテストやマニュアル化による技能向上、②SLP・5Sによる作業スペースの確保。

振り返り

・作業員が持ち場を離れて打ち合わせをしていることが問題の一つなので、「定例会やグループウェアによる情報共有」は対応策として提案すべきだった。
・納期遅延が生じるほど生産管理がうまくいっていないにもかかわらず「月次で」の生産計画になっているため、「生産進捗の把握を行い都度生産計画の見直しを行う」点も対応策として有効だと思う。

第3問

C 社社長は、納期遅延対策として社内の IT 化を考えている。C 社の IT 活用について、中小企業診断士としてどのように助言するか、120 字以内で述べよ。

再現答案

C社はIT活用により、①過去の設計情報を蓄積し、設計時間の短縮、②生産計画と余力情報の見える化で、納期見積りの精度向上、③製造-営業間の情報共有をサポートし製作担当の打合せ時間を短縮し非稼働を削減、④CAD/CAM化の促進、で納期遅延を削減。

注意した点

・解答を、設計の視点、生産管理の視点、製造の視点と多面的になるように工夫した。
・施策による効果も記載するように注意した。

振り返り

・ここでも「3次元CAD」は提案すべきであった。「CAD/CAM化」といっている場合ではない。
・どんなITを活用すべきか、という具体的提案がないのでもう少し具体化すべきだった。

第4問

C 社社長は、付加価値の高いモニュメント製品事業の拡大を戦略に位置付けている。モニュメント製品事業の充実、拡大をどのように行うべきか、中小企業診断士として 120 字以内で助言せよ。

再現答案

C社は、受注量変動に対し他事業とのリスク分散を図りつつ、製作図の理解力、高い加工技術を備えたモニュメント製品向けのチーム編成を行い、専門化による技能向上を図り、都市型建築の増加による製作依頼の増という機会を生かし、高付加価値化を図る。

注意した点

・「受注量の変動が大きいという、モニュメント事業のリスク」を抑える視点に着目した。
・「都市型建築の増加による製作依頼の増という機会」についても、機会の活用をする観点から外せないと考えた。

振り返り

・こちらも抽象度の高い解答になってしまった。全体を通じてもう少し具体性の高い解答ができればよかったと思う。

・設問解釈が甘かった。「充実」「拡大」がそれぞれ何を要求しているのかについて咀嚼してから解答をすべきだった。

「充実」…モニュメント事業の高付加価値化や大型対応などで深化させること。
「拡大」…モニュメント事業の受注量を増やし、増えた受注に対応できる生産体制とすること。

と解釈すると、

「充実」の観点で、「技術者育成」や「建屋改修による大型製品の受注拡大」など
「拡大」の視点で、「3次元CAD活用でのリードタイム短縮」や「チームの再編成」など

の提案ができたのだと思う。

終わりに

令和2年度中小企業診断士二次試験事例Ⅲの再現答案をお届けしてまいりました。

残念ながら事例Ⅲだけで見ると、不合格答案です。

逆に丁寧に振り返ることで、再度勉強になるといった良い経験ができました。


個人ブログにも載せていますが、広いご意見を頂きたいので、noteでも公開いたします↓


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