月明かりの妖精と風の精霊　episode 3

2024年2月21日 21:09

ピンクリチウムクォーツに宿る風の精霊ライル。

彼の胸元にはいつも、
月の光そのものの輝きを映したかのような
ペンダントが光を放っています。

このペンダントにも、秘密があるのです。

それはね、
月の光のようなハチミツ色のとびきりキュートな妖精が
住んでいるのです！

彼女の名前はミリア。
月の光から生まれた妖精です。

彼女は、
ライルが身につけているペンダントを気に入って、
いつの間にやらそこを自分の住まいにしてしまったのです。

ミリアはライルが大好きで、
なんとか役に立ちたくていつも一生懸命なんですよ。

ある日、ライルとミリアは、
森の中でピクニックを楽しんでいました。

彼らは花々の中に座り、美しい景色を眺めながら、
お互いの会話を楽しんでいた、ちょうどそのとき。

突然、彼らの目の前に小さな子鹿が現れました。

子鹿は怪我をしていて、弱々しく倒れていました。
ライルは慌てて駆け寄りました。
ミリアも心配そうにその子鹿を見つめています。

ライルは竜巻の力を使って、傷を癒やしていきます。
ミリアはやさしく子鹿の傍に寄り、
少しでも力になりたくて、
小さいけれど一生懸命な癒しのエネルギーを送りました。

そんなミリアのかわいらしい様子にライルの唇の端がきゅっとあがりました。

みるみるうちに傷は癒え、
元気を取り戻した子鹿は喜びの声を上げ、
森の中を元気に駆け回り始めました。

ライルとミリアは子鹿を見送りながら
顔を見合わせて微笑みあいました。

ミリアの力は、もしかしたら
ほんの一滴のハチミツ程度かもしれません。

それでもミリアの、
力になりたい！役に立ちたい！と、
むぎゅーっと力をこめる姿はライルだけではなく、
誰しもの心を打つのです。

ところで、ここまでお読みくださった方は、
竜巻で傷を癒すとは？どういうこと？
と、？がいっぱいになったのではないでしょうか？笑

私は、どうして竜巻で傷が治るのか不思議だったので、
ちゃんと聞いてみましたよ！

ライルによると、

まずは、竜巻の力を使って、傷の周りに浮かび上がる不純物や悪いエネルギーを取り除くんですって。

その後、竜巻の渦を傷の上に集中させて、傷の細胞を活性化し、再生を促すための癒しのエネルギーを傷の深部まで送り込み、仕上げに傷の周囲に自然なバリアをはって、外部からの影響を一旦遮断して新しい細胞の成長を早めるんだとか！！

竜巻の力は傷を包み込み、傷口を修復するための理想的な環境を作り出すことに最適だそうです。

まさか、竜巻にそんな可能性があったなんて！
私は思ってもみなかったので、びっくりしました！

ライルはなんでもないことのように
今日も穏やかに微笑んでますけど、
それすごいことだよ？
と私の方が力が入ってしまいました。

ちなみにライルはいざとなれば、
強力な竜巻を起こしたりもしますよ！

森に嵐が襲ってきた時は、
巨大な竜巻を起こし、
嵐を丸ごと包み込み鎮静化させたこともあります。

巨大な虫が迷い込んできた時は、
慌てふためく妖精たちを落ち着かせつつ森を護るために
巨大な虫を竜巻で包むと、
迷子の虫を家まで送り届けたこともあります。

ライルの力は、
大切な存在を守る、
喜びを広げていく、
幸せの循環を拡大していくためにこそ
最大限の力となって発揮されるものなのです。

彼の原動力。
それはいつだって、
彼のみんなを愛する心なのです。